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エアアジアX、関空~台北・桃園線の運航開始。イスマイルCEO「競争率の高いルートに刺激を」

片道7900円のセールもスタート

2019年1月30日 就航

エアアジアXが関空~台北・桃園線に就航。1月30日の初便搭乗口でセレモニーを実施。関西エアポート公式キャラクターのそらやんも駆けつけた

 エアアジアXは1月30日、関西国際空港~台北・桃園国際空港線に就航し、初便を祝福するセレモニーを関空で実施した。合わせて、7月31日までの搭乗を対象とした、片道7900円からのセールを、エアアジアBIGメンバー向けにスタートした。

 エアアジアグループの関空路線としては、クアラルンプール、バンコク・ドンムアン、ハワイ・ホノルルに続く4都市目の路線で、台北・桃園空港を経由したクアラルンプール線を開設したものとなる。関空~桃園間の運航ダイヤは下記のとおり。

D7 371便:関空(22時00分)発~桃園(23時55分)着、月・火・水・金曜運航
D7 370便:桃園(16時55分)発~関空(20時45分)着、月・火・水・金曜運航

 機材は、377席(プレミアムフラットベッド12席、エコノミークラス365席)仕様のエアバス A330-300型機を使用。台北発の初便は358名(幼児2名含む)と95%近い搭乗率での運航となった。これは台湾が旧正月休みに入り始めていることも影響している。一方、日本発初便は314名の搭乗となった。

D7 371便、関空発初便のチェックインカウンターの様子
初便は11番搭乗口を使用
台北行き初便の機材。377席仕様のエアバス A330-300型機を使用する
ほかのスポットにはエアアジアグループの機材が並んで駐機。曜日によってはエアアジアXによるクアラルンプール行き、ホノルル行き、台北行き、タイ・エアアジアXのバンコク行きが22~24時の間に集中して出発するので、さらに珍しくない光景になるはずだ
セレモニー開始前には、エアアジアXの現役CA(客室乗務員)で構成するファンチームがダンスパフォーマンスを披露。エアアジアのグループ各社が、それぞれファンチームを作っているという
エアアジアX ファンチームによるダンスパフォーマンス

 セレモニーであいさつした、エアアジアX CEOのベンヤミン・イスマイル氏は、同路線の開設について、「どこに就航するかを決める主要因は圧倒的なニーズがあること。関空~台北線は、市場において初のルートではなく、ほかの航空会社が頻繁に運行している競争率の高いルート。エアアジア特有の製品提案、機内サービス、乗り継ぎにおける広いネットワーク、プレミアムフラットベッドシート、魅力的なものをすべて手ごろな運賃で提供できる点において、航空旅行市場にさらなる刺激を与えられると考えている」とコメント。

 同路線は経由便を含めると、JAL(日本航空)、ピーチ(Peach Aviation)、バニラエア、チャイナエアライン、エバー航空、タイガーエア台湾、、キャセイパシフィック航空、ジェットスターグループ(ジェットスター・アジア、ジェットスター・ジャパン)といった競合がいるなかでの参入となったが、初便とはいえ先述のような好調な搭乗率となっている。

 予約状況についてもイスマイル氏は、「3月後半まで、平均75%の先行予約など売れ行きは順調。台北から到着した初便は、93%という搭乗率で、台北に引き返す便も90%に近く、お客さまの確固たる反応を得ていると思う」と好調であることをアピールしている。

エアアジアX CEO ベンヤミン・イスマイル氏

 イスマイル氏はあいさつのなかで何度も関西エアポートの支援に対して感謝の言葉を述べた。その関西エアポートからは、専務執行役員 最高商業責任者のグレゴリー・ジャメ氏が臨席。「関空にとって台北はとても重要な市場。そちらに就航することは素晴らしい選択だったと思う。そのことによって、旅行・航空業界に刺激を与えると思う」とし、「旧正月はもうすぐそこまで来ている。エアアジアXで祝日を日本で過ごされることに期待する」と、同路線の成長に期待を寄せた。

関西エアポート株式会社 専務執行役員 最高商業責任者 グレゴリー・ジャメ氏

 続いてマイクの前に立った大阪観光局の市政誠氏は、2018年の訪日外国人客数が約3119万人と過去最高になったことや、台湾からの訪日客が約475万人と、こちらも過去最高となったことをJNTO(日本政府観光局)が発表したデータを用いて紹介。そのうえで、大阪の訪日外国人客の状況について触れ、「細かい数字は出ていないが、2018年は台風や地震などの自然災害に見舞われ心配したが、非常に早く復旧し、訪日外国人も早く持っていただいた。大阪観光局としては、2017年の約1110万人に対し、2018年はそれを少し上まわる見込み」との予測を示した。

 台湾市場については、「台湾の方の戻りが少し遅いかなと心配しているところだったので、本日のエアアジアXの新規就航を大いに期待している」と笑いを交えながらコメント。「2025年の大阪・関西万博も決まった。より多くの方が大阪に熱い視線を向けられ、多くの方に大阪にお越しいただけると思っている。大阪観光局としても、本日お越しの皆さま、エアアジアの皆さま方と一致協力して、観光客の方をお迎えし、心ゆくまで大阪を楽しんでいただき、大阪から関西各地へ周遊していただく取り組みに全力を尽くしたい」との決意を示した。

 ちなみに、エアアジアグループと大阪観光局との取り組みとしては、2018年に「走る」「食べる」「観光する」を一度に楽しむランニングイベント「KIRORUN」の大阪開催で協力したが、台風が接近したためにイベントが中止になってしまった。2019年に改めて大阪で開催する意向だという。

公益財団法人大阪観光局 常務理事 市政誠氏

 最後にあいさつに立った台湾観光協会の陳冠竹氏は、「関空~台北線はアジア全体のなかでも熱い路線。この路線が盛んな理由は、関空の完璧なサービスと大阪観光局の努力によって、台湾の人が大阪に来て楽しんでいるから。大阪は台湾人が一番行きたい観光地だと思っている。2018年は海外から日本に来た3000万人目が関空に到着した人。台湾では1100万人目が関空から来た日本のお客さまだった。2019年年明け早々のエアアジアX就航で、ますます大阪と台湾の距離が近くなった」と台湾と大阪の関係の深さをコメント。エアアジアX就航による日本からの台湾訪問増にも期待を寄せた。

台湾観光協会 大阪事務所 所長 陳冠竹氏
就航を祝うリボンカットセレモニー。両脇にCAを挟み、左から公益財団法人大阪観光局 常務理事 市政誠氏、関西エアポート株式会社 専務執行役員 最高商業責任者 グレゴリー・ジャメ氏、エアアジアX CEO ベンヤミン・イスマイル氏、台湾観光協会 所長 陳冠竹氏、同副所長 王沁柔氏が参加
初便搭乗客に記念品をプレゼント
記念品は台湾のガイドブックと、エアアジアロゴ入りのレンゲ
そらやんを囲む、エアアジアX ベンヤミン・イスマイル氏(左)と、関西エアポート グレゴリー・ジャメ氏