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エアアジアの本社ビル「RedQ」訪問記
2018年8月16日 12:57
- 2018年7月18日 実施
LCC(格安航空会社)のエアアジアが、SKYTRAXの「ベスト・ローコスト・エアライン」を10年連続受賞したことは先日お伝えしたが(関連記事「エアアジア、SKYTRAXの『ベスト・ローコスト・エアライン』10年連続受賞を記念してマレーシアで記者会見開催」)、その際、マレーシアのクアラルンプール国際空港に隣接する本社「RedQ」を見ることができた。
マレーシアをベースとするLCCであるエアアジアのグループ本社は、クアラルンプール国際空港に隣接して建てられている。同空港はKLIA(メインターミナル)、KLIA2(ターミナル2)という2つのターミナルがあるが、エアアジアをはじめとしたLCC(というか、ほとんどはエアアジア)が利用しているのはKLIA2になっており、本社ビルである「RedQ」もKLIA2に隣接して建っている。
エアラインというよりはまるでシリコンバレーのIT企業のようなオフィスのRedQ
RedQが開設されたのは2016年の11月で、まだできてから1年半という比較的新しい建物になる。勤務スペースの床面積は2万2000m2となっており、低層は従業員のためのパーキングスペースで、上層階がオフィススペースだ。エアアジアによれば、現在は約2000名の従業員が働いており、オフィスワーカーだけでなく、パイロットやCA(客室乗務員)などもこのRedQでミーティングしてから空港に向かうという形になっている。
4階にあるオフィスの入口には電車の自動改札を思わせるゲートが用意されており、中に入ると、そのオフィスは航空会社のそれというよりは、シリコンバレー(米国のサンフランシスコやサンノゼなどを中心としたIT系企業が集中するエリア)のIT企業といった趣になっていた。4階の中央は社員の憩いの場で、ベンチやクッションなどが置かれており、社員が思い思いの形で休憩などを取っていた。制服を着たパイロットやCAがいなければ、ここが航空会社のオフィスだということ忘れてしまいそうだ。なお、オフィスの入口がある4階と5階、6階は吹き抜けになっており、上層階からも4階のエリアを見渡すことができる。
また、6階から4階にかけて謎の滑り台が用意されており、何でも社員や来訪者向けにこれを利用して滑ってよいことになってるそうだ。大人になってから滑り台で遊ぶのかという野暮なことは言わず、そうした「愉快さ優先」の姿勢を賛えたい。ちなみに、筆者が訪れたときも、社員やゲストが滑ってる姿を何度か見かけたので、単に飾りとしてだけでなく実際にちゃんと使われているようだ。
4階のオープンスペースは食堂も兼ねており、それぞれ好みの食事を取れる形になっている。マレーシアは回教国であるため、宗教上の理由でムスリムが食べられない食品に配慮した食事のほか、中華など世界各国の食事が用意されていた。また、ちょっとしたものを買えるコンビニエンスストアや、従業員の健康に配慮するための病院、フィットネスセンター、フィジオセンター(整体)、さらに床屋まで用意されており、いるだけで何でも揃ってしまう、そんなオフィスになっていた。
なお、このほかRedQには、グループCEOのトニー・フェルナンデス氏のオフィス(といっても忙しいCEOはほとんど席にはいないそうだが)、運航計画を立てる部門、パイロットやCAが自分の勤務状況や今後のフライトなどをチェックするために利用するPCエリア、管理部門のオフィスなども用意されていた。