エアアジアX CEO ベンヤミン・イスマイル氏に聞く。「羽田線は45％が日本からクアラルンプールへの顧客で、日本の観光客にも認知が進んでいる」

エアアジアX CEO ベンヤミン・イスマイル氏

　LCC（格安航空会社）のエアアジアが、SKYTRAXの「ベスト・ローコスト・エアライン」を10年連続受賞したことは先日お伝えしたとおり（関連記事「エアアジア、SKYTRAXの『ベスト・ローコスト・エアライン』10年連続受賞を記念してマレーシアで記者会見開催」）。同じ機会に、エアアジアXのCEOに話を聞くことができた。

　エアアジアX（IATA2レターコード：D7）は、マレーシアのクアラルンプールをベースにした長距離路線専門の会社で、日本向けには羽田、関空、札幌の3つの空港とクアラルンプール間と、以遠権を利用して関空～ホノルルという4つの路線を運航している。そんなエアアジアXのCEOであるベンヤミン・イスマイル氏に話を聞いた。

――エアアジアXの特徴とは？

イスマイル氏：お客さまに新しい旅行のチャンスを提供していくことだ。実際弊社のお客さまのうち約10％は初めて飛行機に乗るというお客さまだというデータもある。リーズナブルな運賃を提供していることが、そうした、これまでは海外旅行などを考えたことがなかったお客さまに新しい機会を提供していると思う。

――エアアジアXにとっての日本市場とは？

イスマイル氏：弊社にとって日本市場は非常に重要だ。弊社の便も日本のお客さまが増えている。例えば、羽田～クアラルンプールの路線は、開設時にはわずか5％だった日本のお客さまは45％にまで増加している。そして関空～クアラルンプール線は35％だ。1年前に開設した新千歳～クアラルンプール線はまだ5～15％程度だが、今後徐々に増えていくと考えている。なお、弊社の路線で最も日本のお客さまが多い路線は、関空～ホノルル路線で、こちらは95％だ（笑）。

――なぜ日本の顧客が増えているのか？

イスマイル氏：重要なことは、弊社のネットワークだ。マレーシア以外に30もの就航地を持っており、日本のお客さまがクアラルンプールに来ていただければ、乗り継ぎでさまざまな目的地に飛んでいただくことが可能だ。実際お客さまのうち20％は乗り継ぎで、バリやタイなどが人気の目的地だ。

――御社の顧客は主に観光ですが、ビジネス市場についてはどう考えますか？

イスマイル氏：ビジネス市場向けというわけではないが、我々のすべての便にはプレミアムフラットベッドというフルフラットベッド席を用意している。手荷物や機内食などのオプションも最初から付いてくるし、チェックインカウンターも特別なカウンターを利用できる。それでも、価格はビジネスクラスの1/3で、ビジネスユーザーに人気を集めている。

――今後興味がある日本の就航地はどこか？

イスマイル氏：名古屋、福岡、沖縄には興味がある。また、今は東京地域は羽田のみとなっているが、将来的には成田にも就航したい。ご存じのとおり、羽田はスロットがいっぱいの状態だが、成田であればまだ可能性がある。特に2020年は東京オリンピックが控えており、非常によいチャンスだと考えている。