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スターフライヤー、北九州~台北・桃園線に就航。記念セレモニーには福岡県知事や北九州市長も列席
1日1往復運航。初便搭乗者には記念品の贈呈
2018年10月30日 16:12
- 2018年10月28日 就航
スターフライヤーは10月28日より、北九州空港~台北・桃園国際空港線に就航した。同日、セントレア(中部)から桃園線も初便を迎え、2路線同時就航となった。
この日、北九州空港では福岡県知事や北九州市長を交えた就航式典が行なわれ、台北に向かう初便の搭乗者には記念品が送られた。就航式典と初便の機内の様子をお届けする。
スターフライヤーの北九州~台北・桃園線(2018年10月28日~2019年3月30日)
7G801便:北九州(15時55分)発~桃園(17時40分)着、毎日運航
7G800便:桃園(11時50分)発~北九州(15時05分)着、月・水・木・金・土曜運航
7G800便:桃園(11時45分)発~北九州(15時00分)着、火曜運航
7G800便:桃園(11時35分)発~北九州(14時50分)着、日曜運航
福岡県知事や北九州市長らが参列した就航記念セレモニー
北九州~台北・桃園線の就航を迎えた10月28日、北九州空港の出発ロビーでは就航記念セレモニーが行なわれた。出席者には福岡県知事、北九州市長をはじめ、各関係機関・市町村の関係者が並んだ。
セレモニーの最初にあいさつを行なったのは小川洋福岡県知事。「この度は、スターフライヤーの台北線就航、まことにおめでとうございます。現在、福岡県と台湾の交流はますます盛んになっておりまして、昨年(2017年)1年間で過去最高の29万人の方が福岡県に訪れておられます。今年(2018年)も昨年を上まわるペースで推移しています。今回、福岡空港に次いで北九州空港と、2つの空港が台湾を結ぶこととなりました。福岡県だけでなく、東九州、そして西日本各地と、ますます交流が盛んになりますことを大いに期待するものであります」と、台湾と福岡県のみならず九州全体の交流人口増加について期待を寄せた。
続いて、北橋健治北九州市長より、「おかげさまで、北九州へ来られる外国人の旅行者によるインバウンドが増えまして、約68万人のうち、4分の1は台湾からのお客さまでございます。北九州空港、2年後には利用者200万人を目指しているところです。福岡県、航空会社さま、旅行会社さまのご支援、厚く御礼申し上げます。また、アジアMANGAサミット、2019年は北九州(2018年は台湾・新北市で開催)で、と決まりまして旗をいただきに行ったのですが、そのときに感じたのがポップカルチャーなどの若者文化です。台北の華やかさ、ゴージャスさに超おどろきました。食べるものもよしで最高によいところでございますので、市民の皆さまにも台北旅行を楽しんでもらえればと思います。松石社長、このたびは大変お世話になりました。ありがとうございます」と、北九州市の盛り上がりについて言及した。
スターフライヤー代表取締役 社長執行役員 松石禎己氏は、「スターフライヤーとしては、再度国際線に進出することとなります。4年半前に釜山に2年ほど就航しておりました。台北に進出するに当たりましてまず先日、台東の列車事故がありました。多数の方がお亡くなりになり、お怪我された方も多く、ご冥福と一層の回復をお祈りさせていただく次第であります。関空(関西国際空港)よりも西の空港で、台湾に飛ばしている航空会社としましては、まだ2社目ということに気付きました。私どもも飛ばすことに精一杯で、そこまで気が回っておりませんでした(笑)。我々は小さな航空会社ですが、ここ北九州から台湾に就航させるということで、社員一同頑張ってまいりました。北九州含め、近隣の地元の方々のご指導ご鞭撻ご支援あってこその就航だと思っております。運航に使用するエアバス A320型機という飛行機は150席でございます。余裕のあるスペースを持つこの飛行機で、どこにも負けないサービス、フライトをやっていきたいと思っておりますので、ぜひ楽しんでいただきたいです。本日は皆さまお集まりいただきましてありがとうございました」と、本拠地である北九州への感謝を述べた。
最後に、台北駐福岡経済文化弁事処長の陳忠正(ちん・ちゅうせい)氏があいさつ。「このたびは、北九州~台北・桃園線のご就航おめでとうございます。現在の日台の関係は大変良好です。台湾の交通部の統計によりますと、2017年の台湾と日本を往来する人数は651万人と歴史上最高の数値となりました。日本における年末年始の海外旅行の行き先の第1位が台湾ということもうれしく思います。本日就航する北九州~台北・桃園線によって、さらに行き来が増えることと思います。観光をはじめ、経済、芸術、学術、修学旅行やホームステイなど、両国の相互理解がますます深まると思います。先日、スターフライヤーさんを利用することがありまして、機内の安全説明ビデオでスターフライヤーマンを見ましたが大変印象深かったです。もちろん乗り心地もサービスも快適でした。これから台湾に向けて乗る便が、今こちら(北九州空港)に向かっておりますが、台湾から来られる旅客、そして台湾へ向かう初便に搭乗する皆さまをお見送りさせていただきたいと思います。皆さま、スターフライヤーに乗って北九州から近くなった台湾にぜひお越しください」と日本語でスピーチした。
関係者によるあいさつのあと、テープカットとくす玉開披でセレモニーは終了した。国際線のチェックインカウンターでは、すでに台北・桃園行き初便のチェックインがはじまっており、設置されていたバナーの前では、記念アイテムの贈呈とスタッフとの記念撮影をする姿があった。
台北・桃園空港から折り返してきたJA25MCをウォーターキャノンでお出迎え
初便に使用する機材は、登録記号「JA25MC」という7月に受領したばかりの国際線仕様。シートピッチが35インチ(約89cm)に設定されていることで、国内線に使用されている機材よりも余裕のスペースが魅力となっている。
15時15分、台北・桃園空港からの初便となる7G800便が北九州空港に到着。国際線4番搭乗口では16時07分に優先搭乗がはじまり、16時40分にブロックアウト。台北行きの初便となる7G801便は、148名(幼児3名)を乗せて、36滑走路から離陸した。
離陸から、25分ほどが経過し、熊本県人吉市の上空あたりに差し掛かったところで、機内食の提供がスタートした。オリジナルのブラックの容器が特徴的だが、行き帰りでメニューがすべて違う。お品書きには、今回の北九州~台北・桃園線で2種、セントレア~台北・桃園線も往復の便それぞれで違うメニューが用意されており、台湾旅行の際は、機内食の楽しみが増えたといってよいだろう。
北九州~台北・桃園線のメニューは以下のとおり。
・鶏の唐揚
・秋刀魚の甘露煮
・ごはん
・鶏のチーズ重ね
・季節の野菜
・黒糖エッグタルト
・水
唐揚や甘露煮など、少し濃い目の味付けが、上空ではちょうどよく感じられた。7G801便は前後にあるギャレーのオーブンで温められてから提供されるが、台北発~北九州行きの便では、積載の都合上、常温での提供となってしまうという。スターフライヤーのスタッフによると、今後のオペレーションで改善していきたいとのこと。制約はあるものの、日本に観光にくる外国人の最初の日本食となるため、ぜひ暖かい状態で提供していただきたい。
食事が終了し、国内線でもおなじみのコーヒーをはじめとするドリンクサービスが開始された。ホットコーヒーの銘柄は国内線で使用されているタリーズオリジナルブレンドとは違う銘柄とのこと。筆者は日本に帰国するために次の日の7G800便を利用したが、隣に座っていた外国人観光客がコーヒーとチョコレートのサービスに喜んでいたのが印象的だった。それだけに機内食の常温提供が余計に惜しいと感じてしまった。
そうして現地時間18時18分、7G801便は台湾桃園国際空港の05L滑走路に着陸した。7G801便は夕方の到着となるため、そこから宿泊先の台北市内に移動するとなると、チェックインの時間は19時を過ぎるだろう。セントレア~台北・桃園線は比較的、滞在時間の長い日帰りも可能だが、北九州便に関しては余裕のあるスケジュールでゆっくりと台湾観光を楽しんでいただきたい。