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JALとガルーダ・インドネシア航空、10月28日からコードシェア開始。ジャカルタ本社で会見
2018年9月6日 23:09
- 2018年9月6日(現地時間)実施
JAL(日本航空)は9月6日(現地時間)、インドネシア・ジャカルタのガルーダ・インドネシア航空本社で会見を開き、包括的業務提携について合意、書面を取り交わした。
両社は10月28日から両社が運航する日本~インドネシア線、JALが運航する日本国内線と日本以遠の北米線、ガルーダ・インドネシア航空が運航するインドネシア国内線などの一部でコードシェアを開始する。
具体的には下記の路線がコードシェアの対象となる
ガルーダ・インドネシア航空とコードシェアを実施するJAL運航便(2018年10月28日~)
成田~ジャカルタ線、成田~ニューヨーク線、成田~ロサンゼルス線、羽田~新千歳(札幌)線、羽田~セントレア(中部)線、羽田~福岡線
JALとコードシェアを実施するガルーダ・インドネシア航空運航便(2018年10月28日~)
羽田~ジャカルタ線、成田~デンパサール線、ジャカルタ~スラバヤ線、ジャカルタ~ジョグジャカルタ線
両社は今後、コードシェアの拡大とマイレージプログラムの提携などで関係強化を進め、将来的には共同事業を目指すとしている。
会見では、ガルーダ・インドネシア航空 社長兼CEOのパハラ・ヌグラハ・マンスリ氏とJAL 代表取締役副社長執行役員 藤田直志氏が登壇。マンスリ氏は「この包括的業務提携で互いの国内線だけでなく、日本以遠のネットワークにも期待している」「インドネシア人のホスピタリティを日本人、(JAL北米線で訪れる)アメリカ人にも紹介したい」とコードシェアが生む発展に期待を寄せた。一方藤田氏は、互いにSKYTRAXの格付けで5スターエアラインであることを挙げ、「品質の高い航空会社同士が提携することで、お客さまに大きなベネフィットがある」と述べた。
こうした期待に応える一例が東京~ジャカルタ線で、コードシェア実現によって日本側の選択肢は成田(JAL運航便)と羽田(ガルーダ・インドネシア航空運航便)の2つになる。例えばインドネシアからの利用者なら、東京の都心に近い羽田と、北米へ乗り継ぎやすい成田を選べるというわけだ。
なお、両社はそれぞれ所属する航空連合(アライアンス)が異なり、JALはワンワールド、ガルーダ・インドネシア航空はスカイチームだが、藤田氏によれば「ワンワールドは東アジア、東南アジアのネットワークが不十分で、そんななか太平洋でコードシェアをする相手をお互いに探していた」ことが今回の契機になったという。
ガルーダ・インドネシア航空はすでにANA(全日本空輸)とコードシェアを実施しており(2013年12月~)、マイレージプログラムの提携も行なっているが(2014年4月~)、同社はANAとの提携も維持する。そのため、一部の便ではJALとANA両方の便名がガルーダ・インドネシア航空の運航便に付与されるという。
また、共同事業の開始時期は明言を避けたものの、「ANAも共同事業の締結を目指しているはず。いずれにしても1年くらいのうちに決まるのではないか」とした。
JAL 代表取締役副社長執行役員 藤田直志氏に聞く
会見後、藤田副社長が本誌のインタビューに応じた。
――ガルーダ・インドネシア航空に期待することは。
藤田氏:ガルーダのナショナルフラッグキャリアとしての販売網を使って、いかにJAL便を売ってもらうか。インドネシアは非常に広いので、ジャカルタ支店の販売網だけではカバーできない。パートナーを組むことでそこを拡大できるはず。ほかにも、ハラールの機内食の作り方についてコツを教えてもらうとか、グランドハンドリングで互いの品質を上げていくとか、単に売り上げを増やすというだけでなく、いろいろな可能性があるはず。
――コードシェアの拡大を進めるなかで期待するデスティネーションはあるか。
藤田氏:インドネシアは広いので、地方の人が皆ジャカルタに来て飛行機に乗るかというと、そうではない。地方都市からシンガポールや台北に向かう人たちも多くいる。そういった事情を今後リサーチしていくなかで、先ほどの例ならJALのシンガポール線、台北線と接続するといったような、広い視野でデスティネーションを拡大していきたい。
――中期経営計画ローリングプラン2018で掲げたグランドデザインでは「2027年度までに就航都市500を目指す」としていたが、最近の提携に見られるようにアライアンスにこだわらずネットワークを広げていく方針なのか。
藤田氏:自社でできる路線は積極的に展開していくが、現在の約370都市から500都市を目指すにあたって、他社との提携は欠かせない。また、インバウンドをさらに増やすには、自分たちがマーケティングできていない地域からどうやって来てもらうかということが必要。ビスタラやベトジェットとの提携も行なっているが、すでにマーケットを持っている航空会社とも協力する一方で、そうしたこれから成長していく新しい航空会社とも協力して、JALのノウハウを伝えるといったことも進めたい。新興の航空会社が成長すればそれがJALにもかえってくるわけで、そんな広い視野で提携を進めたいと考えている。