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日本旅行業協会、「JATAインターンシップ」「JATA経営フォーラム」を2月開催

渡航者回復を図るトルコ視察旅行も報告。1月の定例会見

2018年1月25日 開催

前回実施した「JATAインターンシップ」に参加した学生たち(写真提供:日本旅行業協会)

 JATA(日本旅行業協会)は1月25日、東京・霞が関の本部において定例会見を開いた。

 JATA 理事・事務局長の越智良典氏は「2017年度『JATAインターンシップ』」について、総務部 部長の長田勇二氏は「第26回 JATA経営フォーラム」について、理事長の志村格氏は「トルコ復活に向けたイスタンブール等視察」について説明した。

旅行業界を志望する大学生がJTBなどで職場体験

一般社団法人日本旅行業協会 理事・事務局長 越智良典氏

「JATAインターンシップ」は、旅行業界への就職を志望する大学3年生を対象に、インターンシップを通じて旅行業界の最新事情や魅力を体験してもらうことを目的に実施している。電車の運転士やCA(客室乗務員)といったイメージしやすい職種と違い、ツアーの企画や営業などは学生には分かりづらいもののようで、現場を体験できる本企画は大学側からも旅行会社側からも評価されている。参加する学生は公募ではなく、観光系学部・学科を中心とした約20校とJATAが直接交渉して募っている。

 2017年度の「JATAインターンシップ」は募集を終了しており、2月9日から22日の期間のうち9日を使い実施する。参加学生は44名(男性12名、女性32名。前回は45名)で、受け入れ企業は25社(前年同)。

 ニュース番組などで「インバウンド」という言葉をよく聞くせいか、インバウンド向けの企画を志望する学生が多いとのことだが、旅行業の原動力は営業力であり、日本人による国内旅行が大きな市場であり、といった実際があるわけで、企業と学生のミスマッチを少なくするためにもインターンシップは大切な役割を果たしている。

2017年度「JATAインターンシップ」

実施期間:2018年2月9日~26日のうち9日間(募集受付は終了)
参加学生:44名(男性12名、女性32名。前回は45名)
参加大学:亜細亜大学、桜美林大学、跡見学園女子大学、江戸川大学、川村学園女子大学、高知工科大学、高崎経済大学、筑波学院大学、帝京平成大学、東海大学、東洋大学、獨協大学、明海大学、明治大学、目白大学、横浜商科大学、立教大学、早稲田大学(五十音順)
受入企業:AIトラベル、ANAセールス、エヌオーイー、沖縄ツーリスト、小田急トラベル、近畿日本ツーリスト、近畿日本ツーリスト神奈川、近畿日本ツーリスト個人旅行、KNT-CTグローバルトラベル、JTB関東、JTBグローバルマーケティング&トラベル、JTB国内旅行企画、ジェイアール東海ツアーズ、ジャルパック、西武トラベル、東日観光、東武トップツアーズ、日本旅行、農協観光、阪急交通社、びゅうトラベルサービス、プラスワン教育、ミキ・ツーリスト、名鉄観光サービス、ユナイテッドツアーズ
Webサイト:2017年度「JATAインターンシップ」

旅行業のブルーオーシャンを見つける基調講演などを実施

一般社団法人日本旅行業協会 総務部 部長 長田勇二氏

「JATA経営フォーラム」は旅行業界の企業や団体のマネジメント担当者を対象としたもので、2018年で26回目を数える。マーケティングや人事からテクノロジーまで、旅行業についての基調講演、分科会、特別講演などが実施される。

JATA経営フォーラム 2018

開催日時:2018年2月26日13時~17時30分
会場:六本木アカデミーヒルズ49(六本木ヒルズ森タワー 49階)
参加対象者:JATA会員企業の役員、経営幹部、管理職など350名
Webサイト:JATA経営フォーラム 2018

 2018年のテーマは「旅行業の『新しいカタチ』の追求!-旅行業の役割とは-」。早稲田大学 スポーツ科学学術院 教授/日本スポーツツーリズム推進機構 会長の原田宗彦氏が「スポーツを通じたビジネスの価値創造:旅行業界のブルーオーシャン戦略」と題して基調講演を行なう。従来型の旅行商品の限られたパイを取り合うレッドオーシャンではなく、スポーツツーリズムなど新しいブルーオーシャンの開拓を提示する内容となっている。

 そのほかに、旅をしない若者への訴求に関する「若者の心がつかめますか?~若者の趣向から読み解く商品開発~」、働き手が減少する状況における「旅行業にとっての人材とは(仮題)」、東京・京都・大阪以外のエリアにとってのインバウンドを考える「新しい時代のインバウンドビジネスを考える~地方創生に寄与するインバウンドビジネス~」といった3つの分科会と、「経営者が意識すべき情報セキュリティ」と題したセミナーなどを予定している。

イスタンブール第3空港は10月に完成。ターキッシュエアラインズは関空路線復活を目指す

一般社団法人日本旅行業協会 理事長 志村格氏

 トルコへの日本人渡航者は2012年に20万人を達成したものの、クーデター未遂やテロなどで2017年には4万5000人まで落ち込んでいることを受け、渡航者数回復に向けてトルコ政府観光省が視察ツアーを提案。

 在日トルコ大使館の協力を得て、JATA海外旅行推進委員会の菊間潤吾氏らが1月11日~16日(3泊6日)の日程で現地を訪れた。メンバーはJATA海外旅行推進委員会11社から11名、JATAから3名、在日トルコ大使館から1名、ターキッシュエアラインズから2名の合計17名。カッパドキアやイズミールなどを巡り、旅行業関係者らと意見を交換した。

 イスタンブールでは2016年のクーデター事件後、警官やセキュリティの人員・設備を増強して治安の向上を図っている。また、もともと親日国家でもあり、街の人々は日本人にとても親切だったとのこと。

 JATAが「ヨーロッパの美しい街道・道20選」に選定した「オリーブ街道」はイズミールの中心部から西にクルマで60~90分ほどの距離にあり、現地はプチホテルが多いため、団体ツアーの場合は滞在よりもイズミールからの日帰りでのツアーへの組み込みがよさそうだといったことを確認した。

 ターキッシュエアラインズは2017年に関西国際空港路線から撤退しているが、その後復調しており、関空路線の復活、羽田への就航を目指すという。また、正式名称は未定だが、イスタンブール第3空港が建設中であり、現在アタチュルク空港を発着する全便が10月29日からこの新空港に移転するという。年間取り扱い旅客数は最大9000万人で、経済効果は22万5000人分の新規雇用を生み、トルコのGDPの約5%に相当するとのこと。