旅レポ
コロナ新基準のJAL羽田~福岡線に乗ってみた。体調不良時のチケットは「払戻しもしくは予約変更」
2020年6月19日 00:00
- 2020年6月15日 搭乗
全国的な緊急事態宣言が解除され、6月19日からは段階的緩和がステップ3へ移行。県境をまたぐ移動の自粛が緩んでいくことで、新型コロナウイルスの脅威が日に日に弱まっていると感じている人も多いのではないだろうか。一方で、油断から再び感染拡大へ反転するリスクも潜んでいる。
こうした状況下で、「旅客機」という大きな密室を運航する航空会社は、どのような取り組みをしているのだろうか。JAL(日本航空)が6月15日に運航したJL319便(羽田~福岡線)へ実際に搭乗して、その一連の様子を体験してみた。
JALは5月29日に、「空港や機内で、安全・安心なサービス提供にむけた取り組みを強化」と題したニュースリリースを発表している。現況下における空港や機内の清浄化、消毒・除菌の範囲、スタッフの対応などを示しており、ウイルスがすぐそばにあるという新しい日常(新しい生活様式)を前提とした、同社の指針と言えるものだ。
空港内の各所でパーティション、消毒液、間隔を示すライン。各路線再開後も自発的な消毒・非密集に期待
今回、記者が空港を訪れたのはおよそ3か月ぶり。上の写真は11時ごろのもので、特別人の少ないときを狙ったわけではないが、以前の印象より当然人は少ない。
本誌でも報じているとおり、JALはこの取材当日(6月15日)から羽田~秋田/山形/南紀白浜/岡山/山口宇部/北九州/宮古/石垣線など一部の便を再開している。それでも6月14日~20日の減便率は58%で、同社職員によるとピーク時は1日で4万人ほどが出発するところ、ここ数日の空港利用者は1日5000人に満たないという。
チェックインカウンターには飛沫防止のための透明なパーティションが設けられ、整列時に密集しないよう、足元には一定間隔のラインが引かれている。セルフチェックイン端末についても、1台おきに使用停止にしたり、消毒液を設置したりと配慮している。なお、セルフ端末の画面のように利用者が直接触れる部分は、職員が定期的に消毒清掃を行なっている。
今は空港利用者が少ないので端末をひとまとまりで使用停止にしている箇所なども見受けられたが、今後路線の再開が進み、夏に向けて利用者が増えるとどうしても密集しがちになる。JALとしても自身の取り組みは進めたうえで、利用者と一緒にウイルスに対応できる環境を作っていきたいという想いがあるという。
保安検査場前には通過者の体温を計るカメラが設置してあり、体温の高い利用者を検出すると職員が声がけをして体調を確認、改めて検温も実施して体調不良なら搭乗を見合わせてもらうなどの措置を執る。その場合、JALに確認したところ、「払戻しもしくは予約変更」が基本対応になるという。
ゲート前には一定間隔のラインが引かれ、搭乗前の整列で密集しないよう求める。一方で、搭乗順についてはこれまでと変わってない。つまり、小さな子供を連れている人や、スタッフのサポートが必要な人向けの「事前改札サービス」があり、ファーストクラス利用者やステータス保有者向けの「優先搭乗」があり、続いて後方の座席番号から順に案内する、という流れだ。
他社が実施しているような、窓際席を先に案内して、通路側席をあとから案内するという手順は採っていない。その代わり、機内や搭乗橋に一度のたくさんの人が滞留しないよう、搭乗ゲートの改札機で10~20名ごとに分けて案内して間隔の調整を行なっている。