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【星野リゾートが創造する新しい旅のカタチ】大間のマグロを味わい尽くす「大間のマグロ尽くしプラン」(界 津軽)
星野リゾート連載企画 第3回
2021年1月12日 11:00
星野リゾートが「王道なのに、あたらしい。」をテーマに全国各地に展開する温泉旅館ブランド「界」について紹介する連載の第3回。
今回は、この会席を目当てに毎年必ず冬にリピートする宿泊者も多いという青森県「界 津軽」の「大間のマグロづくし会席」について、界 津軽で調理を担当する倉光竜生(くらみつ りゅうせい)さんに話を聞いた。年間を通じて大間のマグロを扱っているそうで、家庭でマグロを美味しく食べるコツも教えてもらった。
倉光さんは青森県弘前市出身。2016年に外食業界から星野リゾートに転職し、地元・青森にある界 津軽に着任して5年目をむかえる。
社内の料飲育成プログラムを受けながら調理の腕を磨いてきたそうで、プライベートでも休日には市場で買ってきた魚を家で裁いて調理するという。もともと手先が器用で、美しく盛り付けられた先付やお造りを提供すると宿泊者からは歓声があがり、スマホで撮影する人も多いとのこと。
――「大間のマグロ尽くし会席」は、どれぐらいマグロ尽くしなんですか?
大間のマグロ尽くし会席は、先付からはじまり、お造り(お刺身)、赤身と中トロの握り、ねぎま鍋、漬けマグロの5品で提供しています。一品で沢山マグロを出すというよりは、マグロをさまざまな調理方法で味わい尽くすことができる仕立てになっています。
界 津軽「大間のマグロ尽くし会席」
先付「マグロと雲丹のあられ和え 黒にんにく風味」:赤身、中トロ
お造り:赤身、中トロ
握り寿司:赤身、中トロ
台の物「ねぎま鍋」:中トロ
漬けマグロ丼:赤身、中トロ
※その他、お椀、八寸、酢の物、揚げ物、甘味など
先付の「マグロと雲丹のあられ和え 黒にんにく風味」は界 津軽オリジナルの料理です。熟成により深みを増した黒にんにくを裏ごしし、濃厚な味わいのマグロ、雲丹、さっぱりとした味わいの長芋の浅漬けを組み合わせた一品です。味の濃淡や食感の違いを楽しめます。
メインのねぎま鍋はマグロとネギの鍋で(ネギマはもともとネギとマグロのこと)、大間のマグロの旨みを味わい尽くすことができる料理です。マグロ節と昆布の出汁で、香ばしく焼き目をいれたネギやモヤシなどの野菜と一緒に味わうことができます。
マグロから出る脂の旨みや野菜の出汁で、それだけでも十分に美味しいのですが、鍋に追加できる「マグロ節」を用意しています。お客さまに好きな量を入れていただくのですが、鍋の表面が埋まるくらい入れて楽しまれる方もいらっしゃいます。
界 津軽で使用しているマグロ節は、一片が5cm程の大きいものを使用しており、そのまま食べてもマグロの風味を感じられるほどです。食品専門店では扱っていることもあるようですが、あまり市場に出回らないので、お客さまからも、よく購入したいとリクエストいただきます。
このねぎま鍋はスープが絶品です。会席の最後に漬けマグロと土鍋の白米をご用意しているのですが、おじやに仕立てて、最後まで余すことなくマグロの旨みを堪能される方もいらっしゃいます。
――「大間のマグロ」ならではの苦労やこだわりはありますか?
鮮度のよいマグロを独自のルートから仕入れるために、年間の量をまとめて発注するのですが、数トン単位での大きな金額になるので、非常に緊張感があります。また、大間のマグロは秋から冬にかけて脂がのって非常に美味しくなるのですが、その分、包丁がいれずらく扱いが大変といった面はあります。
調理する際は、提供の直前まで0℃に近い温度で冷やし、お召し上がりいただく直前まで空気に触れないよう配慮しています。あとは、マグロは筋があるので、包丁の入れ方一つで、舌触りが変わってきます。
例えば、お造りは筋を避けて切り分けますが、ねぎま鍋用には、ある程度筋を残した方が型崩れしにくく、熱で筋も柔らかくなるので食べやすくなります。ご家庭で筋があるマグロを扱うときも、筋に対して垂直に包丁を入れると食べやすいかと思います。
――最後にメッセージをお願いします。
マグロが好きな方に、ぜひ「大間のマグロ尽くし会席」を召し上がっていただきたいです。一般的には中トロが人気ですが、よいマグロは実は、血合いまで美味しいので赤身もおすすめです。
界 津軽でもお造りや握り、漬けマグロには中トロ、赤身を合わせて提供しています。大間のマグロが出回りやすい青森でもここまで、色んな調理法で大間のマグロを味わえる会席はないと思いますので、ぜひ味わっていただきたいです。