旅レポ
ホノルルの最新ホテル「ザ・リッツ・カールトン・レジデンス・ワイキキビーチ」新タワーに泊まってみた
2019年2月9日 07:00
国内大手航空会社がサービスの一新や新機材の投入を行なったり、大手旅行会社が重点デスティネーションに指定したりと、変わらず高い人気を集めるハワイ・ホノルル。そんなホノルルの人気エリア・ワイキキで、滞在型ラグジュアリーホテルとして知られるのが「ザ・リッツ・カールトン・レジデンス・ワイキキビーチ」だ。完成まもない新棟に宿泊してきたので、その様子を紹介したい。
ザ・リッツ・カールトン・レジデンス・ワイキキビーチは、ワイキキエリアのほぼ中央、カラカウア通りとサラトガ通りが交わる角にあり、南には「トランプタワー」、東には大型免税店「Tギャラリア・ハワイ」が見えるという立地。すぐ隣にはグッチやシャネル、ボッテガ・ヴェネタなどハイブランドが軒を連ねるショッピングセンター「ラグジュアリーロウ」があり、南に歩くとパンケーキの有名店「エッグスンシングス・サラトガ(本店)」まで徒歩2分くらい、そのままサラトガ通りをまっすぐ進めば10分ほどでビーチまでたどり着く。エッグスンシングスの前には付近を周回するトロリーの停留所があるので、「アラ・モアナ・センター」など少し離れた場所へ足を伸ばすにも便利な環境が整っている。カラカウア通りの店舗密集地帯よりも落ち着いていて、ちょっと「大人」の雰囲気のあるエリアだ。
「ザ・リッツ・カールトン・レジデンス・ワイキキビーチ」新タワーにステイ
ザ・リッツ・カールトン・レジデンス・ワイキキビーチ
所在地:383 Kalaimoku Street, Waikiki Beach, HI 96815
TEL:+1-808-922-8111
TEL(日本国内):0120-853-201
客室設備:無料Wi-Fi、テレビ、キッチン、コーヒーメーカー、冷蔵庫、オーブン、洗濯機、乾燥機、シャワーブース、バスタブ、温水洗浄便座など
付帯施設:レストラン、スパ、ジム、プール、ビジネスセンター、会議室、シアタールームなど
Webサイト:ザ・リッツ・カールトン・レジデンス・ワイキキビーチ
ザ・リッツ・カールトン・レジデンス・ワイキキビーチは、2016年7月にオアフ島初のリッツ・カールトンとして開業。全室が南向きのオーシャンビューで、それぞれプライベートバルコニーを備えている。先行して稼働した307室の「エヴァタワー」に加えて、2018年10月には245室の「ダイヤモンドヘッドタワー」が新たに開業。グランドオープンを迎えた。
各バルコニーからビーチとダイヤモンドヘッドを見渡せる構造にするため、特にダイヤモンドヘッドタワーはひねりを加えた独特の形状を採っており、異彩を放っている。波打つような外観のなかにモザイク状に客室が収まる2つのタワーは、離れた場所からでも存在感を認識できる。
「レジデンス」という名が示すように、ザ・リッツ・カールトン・レジデンス・ワイキキビーチは日本でいう「高級分譲マンション(コンドミニアム)」であり、各部屋には所有者がいる。その一部をリッツ・カールトンが借り受けて運営母体となり、ホテルサービスを提供している(レンタルプログラム)。そのため、客室にはキッチンや洗濯機など長期滞在に適した設備が整っており、例えばレジデンス北側のクヒオ通りにいくつかあるスーパーマーケットで食材を買い込んで、自炊して過ごすといったことも可能だ。後述するが、キッチンには鍋やフライパン、調理器具などがひとしきり揃っている。
敷地内には、オールデイダイニング「ザ・マーケット」、寿司職人・中澤圭二氏が四谷の本店を離れ手掛ける江戸前寿司の名店「すし匠」、日本でもおなじみのカフェ「ディーン&デルーカ」のハワイ1号店といった飲料店のほか、フロントと同じフロア(7~8階)にあり、“ワイキキでもっとも高層”というインフィニティプール、24時間利用できるジム、施術者全員が日本人というスパなどの施設が揃う。
レジデンス所有者の7割超、ホテル利用者の6割が日本人というのも大きな特徴で、日本語で対応できるスタッフが複数勤務している。ホテルに到着するとエントランスから日本語で出迎えてくれるので、英語に不慣れな旅行者でも安心して利用できるし、実際、日本からハワイまでの長旅で疲れている気持ちがほっとした。ちなみに車寄せのあるエントランスからフロントのある8階までは5基のエレベータが用意されており、待たされることなくすぐに乗れるようになっている。
そしてエレベータを出ると南向きに大きく開いた開口部から太陽光が挿し込み、まぶしいくらいに開放的なフロントでチェックインを行なう。受付を待っている間は冷たいタオルとウェルカムドリンクが用意されており、到着後すぐリフレッシュできる配慮がうれしい。
フロントの上層がエヴァタワーの客室で、ダイヤモンドヘッドタワーはインフィニティプールを横目に通路を奥に進み、スパの入口を過ぎたところに立っている。プールから続く入口(9階)には日本語対応可能なコンシェルジュデスクやシアタールーム、会議室、イベントスペース、バーなどがあり、客室へは奥のエレベータでアクセスする。ルームキーを触れてから階数を入力する方式で、エレベータのかごの中には階数ボタンがないので、基本的に宿泊客以外は客室フロアへ立ち入ることのできないセキュリティを採用している。
客室は低層~中層、高層、最上層で3つのグレードに分かれており、それぞれ「デラックス」「グランド」「プレミア」と名付けられている。エヴァタワーとダイヤモンドヘッドタワーで該当するフロアは異なるが、ダイヤモンドヘッドタワーだと10階から25階がデラックス、26階から34階がグランド、35階と36階がプレミアという具合。ちなみに37階と38階はペントハウスになっている。
各グレードのなかでも寝室の数などで料金は異なり、例えばデラックスの「スタジオ・オーシャンビュー」は1泊525ドル~850ドル(約5万7750円~約9万3500円、1ドル=約110円換算)、グランドの「スタジオ・グランド・オーシャンビュー」は1泊700ドル~1350ドル(約7万7000円~約14万8500円)、「4ベッドルーム・グランド・オーシャンビュー」は1泊3525ドル~8000ドル(約38万7750円~約88万円)、プレミアの「2ベッドルーム・プレミア・オーシャンビュー」は1泊1725ドル~4000ドル(約18万9750円~約44万円)となっている(いずれも2019年の設定)。
記者が泊まったのは「デラックス」グレードの「スタジオ・デラックス・オーシャンビュー」。もちろんワイキキのビーチが臨める南向きで、部屋の奥まで自然光が届くような作りになっている。ベッドはキングサイズで、どっしりと包み込むような寝心地。大人2人と子供1人が並んでもゆとりのある大きさがある。あんまり快適なので、宿泊中はソファよりもベッドの上にいることの方が多かった。
部屋の窓側には3人掛けのソファと、大きな肘掛け付きの1人掛けソファ、テーブルが並ぶ。ノートPCなどで仕事ができるチェアとデスクも用意されており、ネットフリックスに対応した壁掛けのスマートテレビが取り付けられていた。
ソファとテーブルの奥にはバルコニー。バルコニーにはテーブルと椅子2脚が置いてあるので、外を眺めながらのんびりするのにもいい。また、カラカウア通りでコンビニやブランドショップが密集しているエリアから少し外れているせいか、夜にバルコニーに出ても通りの喧噪を感じられず、閑静なホテルという印象を受けた。
日本人オーナーと利用者が多いということもあって、強いこだわりが感じられたのはバスルームだ。大きな鏡に洗面台が2セット、というところまではほかのホテルでもしばしば目にするが、アメニティが非常に充実していた。
海外のホテルに宿泊すると、スリッパがなかったり、歯ブラシがなかったり、シャンプーとコンディショナーがあってもボディソープがなくて固形石鹸だったりということがよくあるが、この部屋では不足を感じることがなかった。
以下列挙すると、シャンプー、コンディショナー、ボディソープ(シャワージェル)、固形石鹸(手洗い用と入浴用で2つ)、ボディブラシ、歯ブラシ、マウスウォッシュ、クシ、爪やすり、シェービングキット、ソーイングキット、バニティキット、シャワーキャップが、洗面台周辺にキレイに箱に収まった状態で並んでいる。写真にも示したが、バスローブとドライヤー、拡大鏡もある。ついでにいえば体重計もあった。各種タオルが少し多めに置いてあるのも気が利いている。
シャワーブースとバスタブは隣接しているものの独立タイプで、バスタブは肩まで浸かれる深めの仕様。身長178cmの記者が寝そべるとさすがに足先は出てしまうが、膝を曲げればすっぽり浸かれるくらいの大きさがある。トイレは温水洗浄便座になっていた。
記事冒頭で触れたキッチンは大理石の天板を使った広々としたもので、ビルトインの換気扇、IHコンロ、オーブンが備え付けられており、戸棚の中には皿やグラス、カップ、カラトリー、調理器具、まな板、片手鍋、フライパン、トースター、ランチョンマットなどが用意されている。外食に飽きた・疲れたといったときでも、食材を買って自炊すれば長期滞在中のよい気分転換になりそうだ。
次回はほかのグレードの客室やスパ、飲料施設などを紹介する。