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【グローバル・ツーリズム・サミット】ハワイ州観光局 エリック高畑局長がプレゼン。「数百万ドル規模のJTBのグローバルデスティネーションキャンペーンに期待」
2018年10月9日 20:30
- 2018年10月1日~3日 開催
ハワイ州観光局(HTA:Hawaii Tourism Authority)は、ハワイ・オアフ島のホノルルにあるハワイコンベンションセンターで年次総会「グローバル・ツーリズム・サミット」を10月1日から3日まで開催した。
世界各地のハワイ州観光局と旅行関連会社が集まり、現地ツアー会社やホテルといったサプライヤーとの商談やネットワーキングなどを実施。日本からもハワイ州観光局(HTJ:Hawaii Tourism Japan)の案内により旅行業界の企業20社・約100名が参加した。
HTJの局長であるエリック高畑氏は年次総会のなかで、HTJによる取り組みの振り返りや日本市場の状況、今後に向けた施策についてプレゼンテーションを行なった。
2017年の日本からのアウトバウンドのうちハワイへの渡航者は9%を占めており、これは中国への16%、韓国への12%、台湾への10%に続くシェアで、アメリカの1つの州が国と比較できるだけの力があることの証明であり、これを10%以上に成長させていきたいとした。
2018年1月から7月までのハワイへの日本人渡航者数は88万4644人で、2017年同時期と比較すると1.49%の減少となる。日本もハワイも自然災害があったための減少ではあるが、一方で消費額については同7.16%の増加傾向にある。
日本市場のトレンドとしては、シェアリングエコノミーの普及、ミレニアル世代の市場拡大、FIT(Foreign Independent Tour:海外個人旅行)やリピーターの増加、IoT/AI/VRといったテクノロジの進化や普及などが挙げられる。とくに日本人渡航者のリピーターが占める割合は60~63%になってきており、ここをさらに太いパイプを作りつつ、初めての渡航者も増やしていくという。
ハワイ州観光局ではハワイ島キラウエア火山の噴火によって渡航者が大きく減少するのではと予想していたが、それほど落ち込んでいないというデータも上がってきており、520人の乗客を運ぶことができるANA(全日本空輸)のエアバス A380型機就航が2019年に予定されており、いかにリカバリーして伸ばしていくかというキャンペーンを打っていく。その1つとして、JTBによるグローバルデスティネーションキャンペーンを2019年に向けて準備しているという。「数百万ドル規模」という予算を投入して日本からハワイへの送客を挽回する狙いであり、そのほか日本では週末を絡めた3連休が年間11回あり、ゴールデンウィークといった大型連休もあり、回復につなげる機会は多いと考えている。
ホノルルを擁するオアフ島以外の島々への送客については、2019年にハワイ島へ23万人、マウイ島へ6万800人、カウアイ島へ2万7200人といった目標を掲げている。これらの実現のために、メディアへの露出増加、デジタルマーケティングの適切な運用・展開、消費者と代理店への認知、商品開発の強化、航空会社や旅行会社との協力、インフラの改善などを継続していきたいとした。
MICE(Meeting/Incentive/Convention/Exhibition)については「Incentive」「Edu-tourism(教育旅行)」「Sports」「Entertainment」「Attendance building」の5つを柱としている。エンタテイメント分野では、B'zが9月にコンサートを行なうということでジャルパックの催行により2000人以上がハワイを訪れたとのこと。また、ミュージシャンのブルーノ・マーズが11月にアロハスタジアムでのコンサートを予定しており、「アロハスタジアムが、世界的なワールドクラスのエンタテイメントを受け入れるキャパシティのあるスタジアムだということを知らしめるすばらしい機会」と述べた。
グローバル・ツーリズム・サミットでは、世界各地のハワイ州観光局の局長によるプレゼンテーションや基調講演、セミナーが開催されたほか、ハワイ路線を持つエアラインや現地ツアー会社などがブースを出展。ホノルル線のほかにコナ線の直行便も運航するJAL(日本航空)は、業務提携を結ぶハワイアン航空と共同でブースを出展し、提携しているからこそ実現できるホノルルやコナを中心としたエリア周遊の魅力などを紹介していた。ANAは2019年に就航を予定しているエアバス A380型機のモデルプレーンを展示し、エコノミークラスの3席または4席をベッドのように利用できるカウチシート「ANA COUCHii」などをアピールしていた。