旅レポ
南アフリカの大陸縦横断豪華寝台列車「ロボスレイル」と「ザ・ブルートレイン」
2018年11月7日 15:00
南アフリカには、「ロボスレイル(Rovos Rail)」と「ザ・ブルートレイン(The Blue Train)」という2つの大陸縦横断鉄道がある。
どちらも宿泊と食事が楽しめる豪華寝台だが、ロボスレイルは文明と切り離されたレトロ感を、ザ・ブルートレインは最新鋭の設備とサービスという、異なった特色を前面に出している。どちらも最上級のおもてなしは当然だが、例えばロボスレイルはゆっくりした速度で走行し、窓を開けたり最後尾デッキに出たりできるが、ザ・ブルートレインは窓が固定、高速で走行するほか、Wi-Fiやテレビを装備するなど、明確なコンセプトの違いがある。
古きよき大陸縦横断鉄道をそのまま満喫できる「ロボスレイル」
ロボスレイルは1989年にロハン・ボス(Rohan Vos)が設立。南アフリカを中心にナミビア、ボツワナ~タンザニア周辺を、48時間から2週間までの各種プランで走行する大陸縦横断鉄道だ。バトラーが付くまさに動くホテルで、各部屋にはトイレとシャワーが完備している。
南アフリカでは車両基地のあるプレトリアを中心に、ヨハネスブルグ、ケープタウン、ダーバン周辺を走行する。一例を挙げると、プレトリアを出発し、クルーガー国立公園でサファリを楽しみ、ダーバン市内を観光、ポートエリザベスを経由してケープタウンにいたる10日間のプランがある。ずっと列車内にいるわけではなく、それぞれの観光地では観光イベントやアクティビティがあり、途中ゴルフを楽しむこともできる。
大昔に走行していた各地の古い豪華寝台車両を修理しそのまま使っていて、レトロな雰囲気と、ゆっくりしたペースで時折外の風を感じながら、南アフリカの雄大な自然を満喫するというのが醍醐味だ。牽引は走行区間によって蒸気機関車とディーゼル、電気機関車を使い分けている。
近代的な豪華寝台列車「ザ・ブルートレイン」
「ザ・ブルートレイン(The Blue Train)」についても簡単に紹介しておこう。
1920年から始まったザ・ブルートレインは、プレトリアからキンバリーを経由してケープタウンまでを27時間(1泊2日)で走行する豪華寝台列車。もちろん、コース料理やバーが楽しめる。先にも解説したが、Wi-Fiを含む近代的な設備を揃えていて、19両編成もしくは14両編成の2つのタイプがある。走行速度も90km/hと速い。窓は広くとられているが、最後尾の展望車を含め開けることはできない。
2018年は旅程の前もしくは後に1泊、シェラトンなど5つ星ホテルの特別オファーが付いているそうで、お得感がある。また、2019年からは旅程が2泊へと延長される。
紹介したどちらの大陸縦横断鉄道も、旅行会社のパッケージツアーにて見付けることができるはずだ。個人で直接予約したい場合には、ヨハネスブルグにある「プラネット・アフリカ・ツアーズ」というツアーオペレータをお勧めしておこう。ザ・ブルートレインはサイトでの直接予約ができるが、ロボスレイルは受け付けていない。プラネット・アフリカ・ツアーズでは、どちらも個人で申し込みむことができる。同社社長の宮田氏は日本人なので、日本語の問い合わせメールで問題ない。興味を持ったら、ぜひ楽しんでみてほしい。
なお、日常はカジュアルスタイルでよいが、ディナーだけはフォーマルが必要なので注意。新婚旅行にでも組み込んだら、忘れられない旅行になることは間違いない。ロボスレイルは、手軽な2泊3日プランも多いので、ぜひ乗車してみてほしい。