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香港~ケープタウン直行便が11月14日就航。南アフリカ観光局とキャセイパシフィック航空がセミナー開催
2018年11月2日 14:04
- 2018年10月31日 実施
南アフリカ観光局は10月31日、同国の観光における動向とこれからのプロモーション活動の予定について、都内でセミナーを行なった。
あわせて、11月14日に香港からケープタウンに直行便を就航するキャセイパシフィック航空が、具体的なフライトスケジュールなどを説明した。
南アフリカ観光局からはシニア層と若年層の取り込みに注力
セミナーでは、まず最初に南アフリカ観光局 トレードリレーションシップ・マネージャーの近藤由佳氏が登壇し、日本からの渡航者数の推移について説明した。日本からの渡航者数は年々増加しており、2018年は8月までの数字ではあるが3%の伸びであり、8月単月で見ても前年度比5%の伸びになっている。1年をとおして見ると渡航者数は10月がピークになっており、これはジャカランダの花を目当てに訪れる人が多いことからだと説明した。ジャカランダは春に青紫の花を咲かせる木であり、色は違えども春に舞い散る花を咲かせ、ズラリと立ち並ぶ姿は、日本の桜のイメージに近い。
日本以外の国も含めた全世界からの渡航者数を月別で比較するとそれほど大きな増減はないが、それでも11月から2月までがピークシーズンとなっており、その間はホテルの予約が取りにくい状況になっているそうだ。
次に観光局がターゲットにしている層を説明した。スライドに映し出された年に1~2回海外旅行へいく「コア層」、国内旅行が中心だが、海外旅行もきっかけがあればいく「ライト層」を挙げ、南アフリカを訪問するのは主にコア層であるが、伸長してきているライト層にも働きかけていきたい考えを示した。ライト層は友人の誘いなど、何かきっかけがあれば旅行には積極的に出かける層なので、今後も認知度の向上を上げていきたいと話した。
年代別においては年齢による出国データをもとに説明。60歳以上が第1のターゲットであるとしながらも、20~50歳も海外旅行へ出かける比率は高いのでそちらにも注目しているそうだ。なかでも20~30歳の女性比率はかなり高いので、この層にも響くようなPR活動をしていきたいと語った。別のグラフでは、60歳以上は今後の旅行回数は減っていく意向であるのに対し、20歳以下はかなり前向きなことを紹介。また、「学生時代に修学旅行や留学などで海外経験があると、そのあとも積極的に渡航する傾向がある」として、今後も積極的に南アフリカをPRしていきたいと話した。
現在は観光地を巡るだけではなく、参加型のツアーにも力を入れているそうで、サイクルレースとマラソンが紹介された。3月に行なわれる「ケープタウンサイクルレース」は、3万5000人の参加者が109kmの距離を走るもので、全員がタイムを計測するレースとしては世界最大の規模になる。
4月に行なわれる「トゥーオーシャン マラソン」は歴史が古く、景色もよいウルトラマラソンとして人気が高い。6月に行なわれる「コムラッズ・マラソン」は、89kmを走るウルトラマラソンとして特に有名なレースになっている。ただし、こちらは参加者に対して「複数回のフルマラソン完走経験」が求められるので、なかなかハードルが高いそうだ。
そのほか、海外研修(教育)旅行の提案も行なっており、国連サミットで採択された「SDGs」(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)の視点からコンテンツを提示したいとしている。近藤氏は1番から17番までのSDGsの目標をまとめたスライドを示し、「14番 海の豊かさを守ろう」「15番 陸の豊かさを守ろう」といった目標に対し、絶滅危惧種の保護センターでカリキュラムを行なう、サファリ体験を通じて動物保護の意識を高めることも可能としている。また、「10番 人や国の不平等をなくそう」に対して、アパルトヘイトの歴史を学ぶことで他者との関わり方を学べるとしている。
今後のPR活動については、JR東日本(東日本旅客鉄道)、東京メトロ(東京地下鉄)の駅において、11月から3月までデジタルサイネージによる広告を行なう。また、BSキー局で特番を組んで放送する予定であり、2月上旬から3月中旬まで南アフリカだけを3回に分けて紹介する。1回目は鉄板の観光地、2回目は再訪者が楽しめるようなケープタウン周辺などを紹介する企画、3回目はザ・ブルートレイン、プレトリア、ヨハネスブルグ周辺の観光情報を放送する予定。これ以外にも民放、またはBSでの特番を3月に予定している。デジタル広告については、“タグる”をキーワードにハッシュタグを意識したPRを考えているとのことだ。
キャセイパシフィック航空の香港~ケープタウンの直行便は11月14日就航
キャセイパシフィック航空からは同社の概要と、香港からケープタウンまでの直行便についてのプレゼンテーションが行なわれた。同社は1946年9月に創業された香港の航空会社で、現在は130機を保有し、今後は最新のエアバス A350-900型機を6機、A350-1000型機を16機導入する予定。機内には無線Wi-Fiを導入しており、2020年までには全機に配備すると説明した。
現在日本から香港までは、羽田、成田、関空(大阪)、セントレア(中部)、福岡、新千歳(札幌)、那覇(沖縄)から毎日20便以上が運航しており、香港からは世界53か国、約200都市へ乗り入れている。東京から香港までの冬季スケジュールは、成田からが1日6便、羽田からが1日3便となっており、CX527便とCX526便は冬季スケジュールから増便となったものだ。また、CX451便とCX450便は台北経由便となる。
そして、香港から南アフリカまではヨハネスブルグが到着地となっていたが、11月14日から2019年2月18日までは、香港~ケープタウン間を週3便で季節運航する(CX795便/CX794便)。2月18日以降については、季節運航の実績によって判断するとのことだ。香港からケープタウンまでの乗り継ぎについては、東京からだと成田発のCX521便/CX505便、羽田発のCX549便が2~4時間のトランジットタイムで済むので便利であると説明した。
キャセイパシフィック航空の香港~ケープタウン線(2018年11月14日~2019年2月18日)
CX795便:香港(00時10分)発~ケープタウン(08時30分)着、月・水・金曜運航
CX794便:ケープタウン(11時05分)発~香港(翌06時55分)着、月・水・金曜運航
香港から南アフリカのヨハネスブルグまでの飛行時間はおよそ12時間30分ほどで、偏西風の影響をそれほど受けない航路を飛ぶので、行きも帰りもだいたい同じ時間であるとのことだ。離陸してから2時間ほどでタイ上空を通過し、ベンガル湾を超えてスリランカ上空を飛び、インド洋に入ってからはセイシェルの上空を飛行し、到着時刻の3時間ほど前に夜明け前の漆黒のアフリカ大陸が見えてくるそうだ。
ケープタウンまでの航路はほぼ同じで、フライトスケジュールで1時間20分ほどプラスされる。香港からヨハネスブルグ、ケープタウンまではほぼ最短距離を飛んでおり、移動時間に対する優位性をアピールした。