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南アフリカ観光局、2018年の商談会。「払った金額以上の価値が得られる」とアジアハブヘッドのモハメッド氏

ネルソン・マンデラ生誕100周年で「ゆかりの地」100カ所を巡るプロモーション

2018年7月6日 開催

南アフリカ観光局は「南アフリカ観光局 トレードワークショップ 2018」を開催した

 南アフリカ観光局は7月6日、旅行業関係者向けに「南アフリカ観光局 トレードワークショップ 2018」を開催、同時に行なったオープニングセミナーやグループインタビューで、現在の観光への取り組みや現状などを説明した。

「南アフリカ観光局 トレードワークショップ 2018」は、南アフリカ観光関連のダーバン・ツーリズムやネルソン・マンデラ・ベイ・ツーリズム、ラグジュアリーホテルやサファリロッジ、ワインエステートなどの宿泊施設や豪華列車、エアライン、オペレータなど総勢37社が参加して、商談と情報交換の機会を提供する毎年恒例のイベント。

オープニングセミナーの受付
故ネルソン・マンデラ生誕100周年関連のパネル
南アフリカの少数民族ンデベレ族に伝わる子宝や安産の手作りお守り人形。「南アフリカ観光局 トレードワークショップ 2018」の受付に飾られていた
南アフリカ観光局 トレードワークショップ 2018の会場。37社が参加した

 オープニングセミナーでは冒頭、南アフリカを紹介するイメージムービーが流され、南アフリカ観光局 グローバルトレード ヘッドのブラッドリー・ブラウワー氏があいさつに立った。日本から南アフリカへの観光客は年々増えていて、SNSのフォロワーも増え、特にTwitterとLINEのフォロワーが伸びていることを紹介。また、5月にダーバンで行なわれた「Indaba 2018」に日本から旅行会社やメディアが参加、JATA、アウトバウンド推進協議会も初めて参加し、南アフリカ共和国 観光大臣や南アフリカ観光局 CEOとミーティングが設けられたことの報告があった。

 さらに、アパルトヘイト(人種隔離)政策撤廃に尽力し、ノーベル平和賞を受賞した故ネルソン・マンデラ生誕100周年(1918年7月18日生まれ)を記念し、「マンデラゆかりの地」100カ所をチョイス、それらを周遊する観光をプロモーションしていくとし、ネルソン・マンデラの名言を紹介した。この故ネルソン・マンデラ生誕100周年の活動は、ネルソン・マンデラ財団とのパートナーシップにて取り組んでいる。

ウエディングドレスデザイナーが南アフリカでイメージを探す旅に出るムービーで名所を紹介。民族衣装のウエディングドレス
雄大な自然に出会う
サファリのゲームドライブ
ケープタウンのテーブルマウンテン
カラフルな家が並ぶボ・カープ
大陸を横断する豪華列車ロボス・トレイン
南アフリカ観光局 アジア太平洋地区プレジデント グローバルトレード ヘッド ブラッドリー・ブラウワー氏
日本から南アフリカへの観光客は年々増加傾向
「Indaba 2018」に日本から旅行会社やメディアが参加
「マンデラゆかりの地」100カ所をチョイス、それらを周遊する観光をプロモーション

 続いて、南アフリカ観光局 トレード・リレーションシップ・マネージャーの近藤由佳氏が、2017年~2018年の日本市場での南アフリカ観光局の活動状況を報告した。オリジナル旅行をユーザー同士で共有するソーシャル旅行サービスプラットフォームの「トリッピース」とのコラボレーションや、旅行ポータル「Travel Zoo」での掲載、旅行情報サイト「トラベルバリュー」でのキャンペーンを説明。南アフリカ観光局 観光親善大使の女優 高橋ひとみさんが、南アフリカに関連するトークショーや雑誌記事などを通して紹介する活動をしてくれているとの報告もあった。

 昨今のスマホ普及で若年層がSNSなどを通じて情報を得ているのに対し、退職後の高齢者層は地上波テレビに触れる時間が長い。また同時に複数のメディアに触れるマルチスクリーンの時代になりつつあると分析、これらに最適なプロモーションを行なっていきたいとしていた。そこで若年層に興味を持ってもらい観光に来てもらえるよう、デジタルメディアをうまく使って情報を発信していきたいと語っていた。

 ほかに、これまで18歳未満の子供が南アフリカへ渡航する際に、公証役場での認証など必要書類が煩雑だったが、この手続きは2017年以降大幅に緩和されていることを紹介。例えば、両親が同伴するのであれば、戸籍謄本原本の写し(全部事項証明書)のみでOKとなっている。南アフリカ観光局に連絡をもらえれば、手厚くサポートするとのことで、子供連れファミリーでの観光も躊躇しないでほしいと締めくくった。

南アフリカ観光局 トレード・リレーションシップ・マネージャー 近藤由佳氏
南アフリカ観光局 観光親善大使の女優 高橋ひとみさんの活躍
南アフリカ観光局の今後の展開についてまとめ
18歳未満の子供の必要書類。現在手続きは大幅に緩和されている

 最後に、南アフリカ共和国観光省 ツーリズム・サポート・プログラム チーフディレクターのバーナード・メイヤー氏が登壇し、ブラッドリー・ブラウワー氏がグローバルトレード部門の新マネージャーに就任したこと、ブラッドリー氏から引き継ぎ南アフリカ観光局 マンスール・モハメッド氏がアジア地区のハブヘッドに着任したことが報告された。

南アフリカ共和国観光省 ツーリズム・サポート・プログラム チーフディレクター バーナード・メイヤー氏
ブラッドリー氏を呼び握手するメイヤー氏
左から南アフリカ観光局 アジアパシフィック ハブヘッド マンスール・モハメッド氏、南アフリカ共和国観光省 ツーリズム・サポート・プログラム チーフディレクター バーナード・メイヤー氏、南アフリカ観光局 グローバルトレード ヘッド ブラッドリー・ブラウワー氏

 そのあと別室にて、マンスール・モハメッド氏、バーナード・メイヤー氏、ブラッドリー・ブラウワー氏にインタビューをする機会があった。

グループインタビュー中の、マンスール・モハメッド氏、バーナード・メイヤー氏、ブラッドリー・ブラウワー氏

 まず新たに就任したマンスール氏は、考えていることとして「日本からの渡航者数は増えてきていますが、2万5000人台は下回らないようにしたい。旅行業界やメディアとのパートナーシップは重んじていきます。南アフリカへの旅行ツアーは、豪華なものもある一方、若者向けのさまざまな経験ができるものもある。ターゲットに合わせた宿泊施設も揃え、日本に紹介していきたい」と語った。

 日本に紹介していきたい観光資源については、ブラッドリー氏が「日本人にはケープタウンやサンシティの人気が高く、10の世界遺産もある。オーシャン(海)とランド(陸)の2種類のサファリを経験できるということが強みになっている。8月には奇跡の花園とも呼ばれるナマクアランド(※)も人気が高く、もっと知っていただければと思う。10月にはジャカランダという紫の桜のような花が咲くのが、日本人に人気がある。11月~3月が南アフリカ観光のピーク、日本では冬の時期にぜひ温かい夏の南アフリカを体験していただきたい」と、その魅力について説明した。

※南アフリカ西北部に広がる半砂漠地帯に、夏のわずかな降雨で多数の花が一斉に咲き、そのコントラストが美しい。開花は8月中旬から9月上旬で、どこに咲くかは毎年異なる。

 南アフリカの魅力について、マンスール氏も「食事や雄大な自然など、払ったお金以上の価値が得られる国。自然にある観光地はすべて無料で楽しめる。食事も美味しくリーズナブル。旅費はかかるかもしれないが、現地ではあまり予算をかけないでも楽しめる」と付け加えた。

 ほかにも、ブリティッシュ・エアウェイズが10月29日からロンドン~ダーバン線を運航を開始するが、イギリスだけでなく日本との直行便も継続的に可能性を探っていき、便を検討する会議などでいち早く提案していきたいとしていた。キャセイパシフィック航空が11月13日から香港~ケープタウン線を週に3便、季節運航で就航するので、日本からケープタウンへアクセスしやすくなる。また、直近で南アフリカの通貨であるランド相場が下がっているので、手頃な価格で楽しむならこれからのシーズンはお勧めできるのでは、という話題も出ていた。