旅レポ

オーストラリア・カンガルー島の大自然を満喫する(その2)

カンガルー島の大地を4輪バイクで疾走し、コアラを抱いてみた

オーストラリア・カンガルー島で、コアラを抱いてみた

 オーストラリア政府観光局主催のカンガルー島(Kangaroo Island)へのFAM(視察)ツアーへ参加してきた。

 カンガルー島に着いた初日は、アシカやカンガルーのウォッチングを行なったが、2日目も引き続きカンガルー島の大自然を満喫してきた。

4輪バイクでオーストラリアの大地を疾走、50km/h近くの時速でなかなか刺激的

 オーストラリアは南半球にあるので、季節はちょうど日本と反対になる。日本は春が訪れ、これから夏に向かうことになるが、オーストラリアはその反対で、今は夏が終わり秋になりつつあるタイミングだ。カンガルー島の最高気温は30℃を超えることもあるが、最低気温は15℃前後になるなど、徐々に寒くなっていっている。ただし、昼間に関しては日によるが30℃を超えることもあり、Tシャツ1枚で十分過ごせるほどだ。日本でいえば、9月の残暑という感じだろうか。

ホテルの前に広がる入り江で日の出の風景を堪能
ホテルの前から広がる風景、うっすら向こう側に見えるのはオーストラリア大陸だ
海鳥や白鳥などが生息している、いずれも飼われているのではなく自然の鳥だ

 日の出は6時30分ごろで、日の入りも18時30分ごろ。朝には宿泊しているホテル「Mercure Kangaroo Island Lodge」の前を散策してみた。Mercure Kangaroo Island Lodgeは、カンガルー島のアメリカン・リバーと呼ばれる場所にあるが、リバーと名前が付いているものの、前に広がっているのは川ではなく、海。入り江への入り口になっており、その海には白鳥などの各種の鳥が生息し、テーブルに座ってしばし観察することができた。

 ホテルで簡単な朝食を食べたあとはツアーへと出発。まずはガイドの案内で野生のペリカンが生息している場所へと向かった。ガイドが魚の入ったバケツを取り出すと、ペリカンがわらわらとよってきて、ダンスを見せてくれる。そしてガイドが魚を取り出すと、口を開けておねだりのポーズ。だが、ガイドが魚をすべて配り終わると、「おまえたちに用はない」とでも言いたげな感じで、とっとと海の方へ帰って行った。なかなか現金な鳥たちだ。

ガイドがエサの入ったバケツを出すと、わらわらとよってきたペリカン
エサくれよと要求するペリカンたち
エサがなくなったと分かると、去って行くペリカンたち、なかなか現金だ

 その後向かったところは4輪バイク、カヤックなどにチャレンジできるアトラクション。今回は4輪バギーにツアー一行全員でチャレンジすることになった。料金は1.5時間で117オーストラリアドル(約9828円、1オーストラリアドル=約84円換算)と決して安くはないが、日本ではなかなかチャレンジできないアトラクションであるため、それだけの価値はあるだろう。

 なお、敷地は私有地であるため、特に運転免許などの提示も求められず、運転免許を取得していない人でも楽しむことができる。ただし、こうしたアトラクションではお約束の「何かあっても運営会社は知りませんよ」的な書類にはサインさせられるので、決して事故などがないように注意して運転しなければならない。

「Your Adventure Begins Here!(冒険はここから始まる)」とはなかなか刺激的な看板
ここで「どうなっても知らないからね」という書類にサイン

 バイクは2種類がある。1つは日本のホンダ製でセミオートマチックトランスミッションの4輪バイク。もう1つはフルオートマチックトランスミッションでアクセルとブレーキを操作すればよいものだ。体が華奢な女性はフルオートマチックギアのバイクへ誘導され、筆者のような体が大きな男性などはセミオートマチックトランスミッションのバイクを勧められた。クラッチのないセミオートマチックなギアとはいえ、ギアを上げるには足下にあるレバーを上に引っ張るという仕様に慣れずとまどったが、走り出したあとは高い方のギアに固定して走ることができたので、そんなに難しいということはないだろう。

最初に簡単な講習を受ける
用意されている4輪バイク
オートマチック版
セミオートマチック版、ホンダ製

 速度は意外と出る。メーター読みだが50km/hという表示が走っている間の最高速だ。これをオフロードでやるので、50km/hでもものすごく速く感じる。といっても、あくまでガイドに従って走る形になるので、それぞれが出せるスピードに応じてガイドが合わせてくれる。最後には、このアトラクションの敷地で最も高い丘に到着し、そこからの風景を堪能して終了となった。

ハンドルにアクセルがある
このレバーを蹴り上げるとギアアップ、踏むとギアダウン
丘の上に到着
風景を堪能した

フクロウやワシを膝や腕に乗せる体験にチャレンジ

 お昼ご飯には前日に引き続きツアー会社が用意してくれた昼食を堪能した。ガイドが自ら用意してくれた調理済みのチキンとサラダ、さらにはパンを食べて、午後のツアーに備えた。

ガイドが振る舞ってくれる昼食を堪能

 午後イチに向かったのは「Raptor Domain」と呼ばれる鳥獣類を見せてくれるところ。フクロウ、鷲(ワシ)、ハヤブサ、オウムの仲間が登場し、実際に羽根をなでてみたりということが可能になっている。といってももちろん野生の鳥ではなく、施設で飼っている鳥になるが、網のなかで飼われているのではなく、いつでもどこかに飛んでいける環境で飼われている。半野生といったところだろうか。

フクロウを膝の上にのせて触ったりできる
ハヤブサはルアーの先にエサをつけて振り回して呼び出す。あまりに速くてカメラが追いつけず
別の種類のフクロウ、実際に腕に乗せたりできた

 フクロウなどの鳥を触る機会というのはなかなかないし、特にハヤブサやワシは攻撃力も強いので、普通であれば人間が近くまで寄れる鳥ではないのだが、ここでは腕にシールドを付けた状態で、実際に乗せてみることが可能になっている。なかなかワシを腕に乗せる機会はないと思うので、これはこれで貴重な体験と言える。

ワシも飛んで来た、大きい
オウムの1種
別の種類のワシ、こんな大きな鳥も腕に乗せてみたりできる

人生で初めてコアラを抱いてみる、ひたすらユーカリの葉っぱを食べている姿に癒やされる

 鳥を堪能したあとで向かったのはコアラ園だ。ここではコアラが飼育されており、野生のコアラとは違って、人間に慣れ親しんでいるので、近くで生態を確認したり、実際に抱いてみたりすることができる。

 筆者は本物のコアラを見るのも初めてだったし、実際にコアラを抱くのももちろん初めてだ。飼育員によれば、われわれが抱いたコアラの名前は「Blue」でオス、まだ数歳の若いコアラだという。

コアラ園にいたコアラ
木から下りるところ

 ただし、体重は11kgと意外と重くて、実際に抱いてみるとずっしりと重さを感じることができた。抱きながらユーカリの葉をあげるのだが、もちろんBlue君の興味はユーカリの葉のみで、ひたすらむしゃむしゃ食べていて、なくなると次と要求された。でもその姿がとてもかわいく、この旅行中の夜に終わっていない宿題(先週終わらなかった仕事)をやっていて心荒んでいたのを癒やしてもらえた(終わっていない自分がわるいわけだが……)。

飼育員がBlue君を紹介してくれる
コアラを抱くのにチャレンジ、ひたすらユーカリの葉っぱを食べていた

 当たり前だが、日本ではコアラは動物園の檻の中にいるのを遠くから見るだけの存在だが、ここカンガルー島では実際に抱いてみることができる。初めてということもあり、とても感動する体験だった。

ストークス・ベイ・ビーチの風景を堪能して、謎の野生生物にも遭遇

 コアラ体験が終了したあとはは、ツアーガイドの案内で「ストークス・ベイ・ビーチ(Stokes Bay Beach)」を訪れた。ここは、白浜のビーチになっており、泳いだりボディボードでちょっとした波乗りをすることができる。ツアー一行が訪れたときにも、何人かの観光客が泳いだり、ボディボードを楽しんだりしていた。特徴的なのは、駐車場からビーチに向かう間が狭い岩を抜けていくことで、大柄な体格の筆者などは四苦八苦しながらビーチへと向かった。

ストークス・ベイ・ビーチへ向かう道、というより穴を抜けてビーチへ向かう
白浜が印象的なストークス・ベイ・ビーチ
雲がよい感じで日を遮って幻想的な風景に

 ビーチに着いてみるととても印象的できれいな白浜になっており、多くの観光客が靴を抜いで海のなかへと入っていた。この日の天気は曇りで、雲の間からときどき日が顔を出す天気。このため、日の光が雲の具合によって反射したり、広がったりしていたので、幻想的な光景となっていた。

 ビーチから前日に引き続き宿泊するホテルへ戻る途中、ガイドがめずらしいものを見付けたと突然クルマを停めた。クルマから降りてそれを見に行くと、いたのは野生のヤマアラシ(と思われる動物)。針を出した状態でもそもそと動いており、なかなか顔を見せてくれない状態。最後にちょっとだけ顔を見せてくれたが、動物園でこそ見たことがあったが、野生のそれを見たことは初めてだったので、本当にびっくりした。このほかにも、ワラビー(カンガルーの小さい版の動物)は、それこそどこにもいて、レストランで食事しているとふと外を見ると、ワラビーがこちらを覗いている、そんな環境がカンガルー島だ。

ヤマアラシと思われる動物
ワラビーはそこら中にいる

 1日の終わりにはレストランで夕食を取った。夕食は「Sunset Food&Wine」というレストラン。オーストラリアローカルの食事とワインを出してくれるということで、オーストラリア産のハムやラム肉などをいただき、満足してお腹がいっぱいになり、これでこの日の予定をすべて終了した。

ハム
ラムは柔らかくて美味しかった
デザート
笠原一輝