ニュース

1人2万円からの関空~京都ヘリ便に一足早く乗ってきた。1日4往復で9月中旬就航、訪日客需要狙う

2026年9月中旬 就航
先行運航に使用したエアバス・ヘリコプターズ H130型機(登録記号:JA01NK)

 Space Aviation(スペースアビエーション)は、関空~JPD京都ヘリポートを結ぶヘリコプター移動便「Airport Heli Shuttle(エアポート・ヘリ・シャトル)」を、9月中旬に正式就航する。片道を約25分で結び、1日8便(4往復)を運航する計画で、乗り合い便とチャーター便を設定する。

 運航時刻は、京都発が9時30分、11時30分、14時00分、16時00分。関西空港発は10時30分、12時30分、15時00分、17時00分を予定している。

 乗り合い便の料金は1人2万円から。1名単位で申し込めるほか、機体単位のチャーターにも対応する。運航時刻や料金などの詳細は、正式就航時に改めて発表するという。

 関空から京都市内までの陸路による所要時間は約90~120分で、ヘリコプターの飛行時間は約25分。訪日客や、移動時間を重視するビジネス客などの利用を想定している。

 一方、実際の移動には、飛行時間に加えて受付や搭乗場所までの移動、搭乗前の安全確認、降機後の地上移動が必要になる。天候によって運航可否や所要時間が変わるため、悪天候時の運航判断や振り替えを含む対応体制も整える。

 訪日客が持ち込む大型のスーツケースなどは、機内に搭載できる重量や寸法に限りがある。搭載できない荷物は、指定された宿泊先などへ別途陸送することで対応するという。

6人が利用できるH130型機の客室

関空から京都まで25分

 一般客の受け入れに先立ち、7月26日から提携ホテルや旅行会社の関係者、報道関係者、一般モニターなどを対象とした先行運航を実施。関空の制限区域内における自社車両の送迎や、JPD京都ヘリポートでの利用者の動線、ホテル・旅行会社との送客連携などを確認している。

 筆者も8月上旬に関空~JPD京都ヘリポート間を往復し、空港内の地上移動を含む一連の流れを確認した。

関西空港の搭乗場所で待機する送迎車とスタッフ

 使用機材はエアバス・ヘリコプターズ H130型機(登録記号:JA01NK)。乗客は6人まで搭乗できる。

関西空港で出発を待つH130型機

 搭乗者が揃うとエンジンが始動し、スタッフの誘導で機内へ乗り込んだ。10時30分、管制許可を得て関空を離陸した。

H130型機の操縦席
出発準備を進める操縦士

 関空連絡橋に沿うように陸地へ向かい、和泉市や堺市の上空を飛行。八尾空港管制圏を通過後、東大阪市から京都方面へ向かった。京都府久御山町付近で降下を始め、10時54分、京都競馬場近くのJPD京都ヘリポートに着陸した。飛行時間は24分だった。

関西空港を離陸するH130型機の機内
上空から見た関西空港と関空連絡橋
関空連絡橋を越えて陸地へ向かう機内
機内から望む百舌鳥古墳群
機内から望む大阪城と大阪市街
JPD京都ヘリポートへ進入する機内
JPD京都ヘリポートに到着した

 JPD京都ヘリポートからクルマを利用した場合、京都駅までは約20分、四条河原町や京都市役所周辺までは約30分を見込む。

JPD京都ヘリポートに設置された就航記念の表示

時間差以上の価値は

 関西空港駅から京都駅までの鉄道による所要時間は約1時間40分、クルマでは約1時間20分が目安(Googleマップ調べ)となる。

 今回の取材では、関空内のクルマ移動に約10分、実際には搭乗前の手続きや入場ゲートでの保安検査に多少の時間を要するため、さらに15分ほどかかると思われる。フライト時間は約25分。京都側で市街地まで移動する時間を加えると、全体では1時間強から1時間30分程度になる。

 出発地や目的地、道路や鉄道の混雑状況にもよるが、飛行時間以外を含めると、陸路に対する圧倒的な時間差は感じられなかった。約25分という飛行時間だけでなく、関空での受付から搭乗までと、京都側で降機してから最終目的地へ向かうまでの動線が、全体の所要時間を左右する。

 鉄道では混雑時に座れない可能性があり、クルマは渋滞の影響を受ける。一方、ヘリコプターは道路や鉄道の混雑を避けられるものの、天候による欠航リスクがある。どの交通手段が有利かは、利用する時間帯や天候、出発地と目的地によって変わるだろう。

機内から見た高速道路の渋滞

 ただ、ヘリコプターならではの特別感や、上空から大阪、京都周辺を見渡せる眺望は、陸路にはない要素だ。単純な時間短縮だけでなく、移動そのものを旅行中の体験として提供できるかが、サービス定着の鍵になりそうだ。

機内から望むあべのハルカスと大阪市街
機内から望む関西国際空港

 今後は先行運航で得た意見をもとに、空港内の送迎や搭乗手続き、京都側での二次交通との接続を正式就航までに調整する。

 個人予約に加え、提携ホテルや旅行会社を通じた利用も想定。関空から京都へ向かう訪日客や、京都から出国便を利用する旅客の需要を取り込む。

 なお、当初就航は8月14日を予定していたが、7月28日に熊本で発生した地震への対応を優先するため、9月中旬に延期した。具体的な就航日は、災害対応などの状況を見きわめたうえで改めて発表する。

 JPD京都ヘリポートには熊本地震緊急災害対策本部を設置。グループ内の災害対応部門「Disaster Corresponding Unit(DCU)」を中心に、航空輸送による支援に向けた情報収集と準備を進めている。

 正式就航日や確定した運航ダイヤ、料金などは今後発表する。

写真で見るSpace Aviationのヘリ便

機体外観・客室・装備
H130型機の機首部と客室
後方から見たH130型機
H130型機のフェネストロン
機体上部に記された登録記号(JA01NK)
正面から
関西空港で駐機中のH130型機
H130型機の客室
客室側から見た操縦席
H130型機の計器画面
機体の離着陸・外観
地上付近を飛行するH130型機
横から見た飛行中の姿
関西空港で駐機中のH130型機
機首側から見たH130型機
機内・操縦席
客室側から見た操縦席
操縦席と右側ドア
客室と前席
操縦席と関西空港の地上風景
関西空港での地上運航
機内から見た関西空港の誘導路と駐機場
機内から見た関西空港内のヘリパッド
ヘリパッドを離れる機内から見た関西空港
関西空港から京都まで
関空連絡橋付近を飛行する機内
大阪湾沿岸上空から見た市街地
機内から見た大阪府内の市街地
機内から望む百舌鳥古墳群
機内から見た市街地と山並み
上空から見た高速道路
機内から見た市街地と農地
JPD京都ヘリポートへの進入中に見た地上風景
JPD京都ヘリポート
離陸後の機内から見たJPD京都ヘリポート
京都から関西空港まで
機内から見た京都府南部の市街地
上空から望む大阪市街
上空から望む長居公園周辺と大阪市街
大阪湾岸上空から望む市街地
機内から望む関西空港
関西空港へ進入する機内
上空から望む関西空港第1ターミナル周辺
関西空港への着陸前に見た空港内
関西空港の駐機場
関西空港の誘導路を進む機内
関西空港の誘導路を進む機内
運航を終えて関西空港に駐機するH130型機