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無印良品が開発した、日用品としての「ヘッドホン」実際に使ってみた。どんな人にお勧め?
ワイヤレスイヤホン/スピーカーも同時発売
2026年7月8日 06:00
- 2026年7月15日 発売
良品計画は、ワイヤレス対応のオーディオ機器・5機種(色違いを含む8種類)を、7月15日から全国の無印良品の店舗とネットストアで順次発売する。これに先駆け、メディア向けの体験型説明会を実施した。
ラインアップは、ワイヤレスヘッドホン(6990円)、ワイヤレスイヤホン2種(各2990円)、ワイヤレススピーカー2種(各3990円)。いずれも「聞き心地のよいバランスの取れた音を手に届きやすい価格で揃えた」としている。
オーディオ機器といえばここ数年、通勤電車や新幹線、飛行機など、移動中にヘッドホンを利用する人が増えて、気になってはいるものの、「単価が高くて手が出しにくい」「自分の生活スタイルに合うか分からない」と購入を躊躇していた人も多いのではないだろうか。記者もまさにその一人だ。
この記事では、旅行や出張においてどのような場面でヘッドホンが活躍するのか、説明会で体験してみた感想をベースに、同時発売のアイテムも交えてお届けしたい。
ヘッドホンを使ってみた。さりげないノイキャンと実直な音作りがちょうどいい
まずは「ワイヤレスヘッドホン ノイズキャンセル機能付」(各6990円)を使ってみた。余計な装飾をそぎ落としたミニマルなデザインで、カラーはホワイトとグレーの2色展開。通信方式はBluetooth ver.5.4。
質量は約245gで、ヘッドバンドには劣化しにくいシリコン素材を採用。フラットに畳めるので、リュックに入れて気軽に持ち運ぶこともできる。
「価格が手頃な日用品」とはいえ、機能面に妥協はない。本機には、周囲の騒音を打ち消す「アクティブノイズキャンセル機能」(ANC)を搭載している。
記者も実際に体験してみたところ、完全な無音になるのではなく、音の輪郭がぼやけるような感覚だった。具体的には、電車の走行音や飛行機のエンジン音といったノイズを低減しつつ、周囲の会話は雰囲気で伝わるものの、何を話しているかはほとんど聞き取れないレベル。
オンラインゲームなど完全な没入感を求める人には物足りないかもしれない。しかし、例えばカナル型(耳栓タイプ)イヤホンの密閉感が苦手な人は、本製品を使うことで長時間の移動でも耳が疲れにくく、適度な没入感で動画視聴などを楽しめそうだ。
開発を担当したエレクトロニクス担当の矢野健氏は、音質へのこだわりについて「小さい本体で低音を無理矢理大きくしようとすれば、周波数の近いドラムのキック(バスドラム)とベースの両方が前に出てきて、ボコボコとした聞こえ方になる。音の定位(遠近感)を正しく聞き分けられるように、良品計画の開発チームも工場の無響室にこもって細かな調整を重ねてきた」と説明。
試聴時にノイキャンのオンオフを切り替えてみたが、いずれの状態も低音や高音を過剰に強調した「ドンシャリ」ではなく、それぞれの楽器がバランスよく聞こえる誠実な音作りだと感じた。
はじめの1台として本製品を購入し、使っていくうちに「もっとよい音を追求したい」と感じたら、よりハイエンドな他社製品を検討するのでもよいだろう。
海外旅行でも充電いらず? 最大70時間再生と、機内映画も楽しめる有線対応
イヤホンではなくヘッドホンを選ぶもう1つのメリットが、バッテリーのスタミナ性能。充電時間は約3時間で、音量約50%設定時における連続再生時間は、ノイズキャンセル機能がオフの状態で約70時間、オンの状態で約40時間としている。
これほどの長時間再生が可能であれば、数日間の出張や海外旅行の移動中であっても、途中でバッテリー切れを心配する必要はほとんどないはず。
さらに、本体には3.5mmのステレオミニジャックも搭載。市販のミニプラグ付きケーブルを使用すれば「有線ヘッドホン」としても使える(ANC・マイク機能は非対応)。飛行機内のシートモニターに接続すれば、機内アナウンスを聞き逃すことなく、映画などの機内コンテンツを大画面で楽しむことができる。
突然の「聞こえない」「なくした」に備え、パーツ販売にも対応
オーディオ製品を雑に扱いがちなタイミングは、「電車やクルマの乗り降りなど、移動の区切り」「出発時やレジの順番待ちなど、急いでいるとき」。ホームの隙間に落としたり、どこかへ置き忘れたりした経験がある人も多いだろう。
無印良品の新シリーズは、そんな日常のリスクやトラブルに寄り添った「サステナブルな設計」が大きな強みとなっている。
例えば、同時発売するイヤホン2機種(各2990円)は、片耳単位での追加購入(各990円)に対応。片方だけ落としてしまったり、突然聞こえなくなったりしても、まるごと買い替えるのではなく最低限の出費で済ませられる。また、カナル型は消耗品である「イヤーキャップ S/M/L 3対」を165円で購入できる。
ヘッドホンについても、長距離の移動や汗・メイクなどで汚れ・傷みが気になりやすい、イヤーパッド部分のパーツ販売(ペアで各カラー990円)を行なう。
シーンによって使い分けたい、イヤホンのスペックを紹介
今回のオーディオシリーズは、ヘッドホンを含め全アイテムにマイクを内蔵。旅先やホテルでのWeb会議にも活躍する実用性を備えている。
充電はすべてUSB Type-Cに対応し、専用ケーブル(USB Type-A to C)も付属する。旅のスタイルによって組み合わせたい、イヤホンの特徴は以下のとおり。
ワイヤレスイヤホン カナル型(2990円)
耳栓型で音漏れしにくく、移動中もしっかりフィット。装着したまま頭を左右上下に振っても落ちることはなかった。本体の連続再生時間は約6時間(音量50%の場合)。
ワイヤレスイヤホン インナーイヤー型(2990円)
耳を塞ぎすぎない軽いつけ心地。適度に周囲の音も聞こえるので、育児やウォーキング中、駅のアナウンスなどを聞き逃したくない移動時にも重宝する。連続再生時間は約3時間30分(音量50%の場合)。
イヤホン2機種は、ホワイト・グレーの各2色展開で、音量の調節や一時停止などタッチ操作に対応。本体を3回充電できる充電ケースも付属する。
イヤホン片耳あたりの重量は約4gで、ケースを含めた重量はカナル型が約32g、インナーイヤー型が約31g。
通信形式は、カナル型がBluetooth ver.5.4で、インナーイヤー型がBluetooth ver.6.0となっている。会場内では常時50台以上のオーディオ機器が無線接続されていたが、インナーイヤー型のイヤホンは音楽がまったく途切れることなく、接続はかなり安定していた。
とはいえ、記者の私物である他社製イヤホン(約1万円)はBluetooth ver.5.3。満員電車でもあまり音の途切れが気になったことはないので、無印良品のカナル型も十分安定して使用できるだろう。
小さく手軽に使える「コンパクトスピーカー」と持ち運べる「モバイルスピーカー」
スピーカー2機種は、コップの水が直接かかっても問題ない「IPX5」相当の防水性能を備え、洗面所・キッチンでの使用や突然の雨でも安心。屋外での利用を想定し、手垢や土汚れが目立ちにくい「グレー1色のみ」の展開となっている。
ワイヤレスコンパクトスピーカー(2990円)
食卓、ホテルのベッドサイド、クルマのダッシュボードなどに置きやすい小型サイズながら、音が空間に広がりやすい上向きスピーカーを採用。連続再生時間は約10時間(音量50%の場合)。
ワイヤレス モバイルスピーカー ループ付(3990円)
テントやテーブルなどのフックに吊るせて、持ち運びにも便利なループ付き。迫力ある音を届ける前面スピーカーと、背面には別の振動板を用いることで豊かな低音を再現する「パッシブラジエーター方式」を採用している。連続再生時間は約15時間(音量50%の場合)。
スピーカーは、同型機を2台接続(ペアリング)することで、TWSモード(True Wireless Stereo)によるステレオ再生に対応。
ループ付きのモバイルスピーカーは、高い位置に吊るすこともできるが、耳の高さに合わせて設置するのがベストとのこと。机や棚の上に置く場合は、木や人工大理石など置く場所の素材によって音の聞こえ方が変わるという。
数万円のハイエンドではなく、限られた予算のなかでの「じゃんじゃん使える最適解」
最後に、なぜ無印良品が今のタイミングでオーディオ市場に本格参入したのか、説明会で明かされた同社の想いについて触れたい。
例えば、弊誌Impress Watchシリーズの読者をはじめ、ガジェット好きの大人が新しいギアを選ぶ際は、はじめから数万円クラスのハイエンド製品・上位モデルを検討するはず。
しかし矢野氏は、「せっかくよい音がするハイエンドの製品を買っても、同じものを会社の会議にも使うか?とあらためて問われると、多分(プライベート用と仕事用を)使い分ける」と冷静に分析する。
傷や紛失を恐れて自宅で大事に扱う高級イヤホン・スピーカーとは異なり、無印良品が目指したのは「生活にもっと寄り添って、じゃんじゃん使える。でもきちんと音がよいという最適解」。
お試し利用や紛失時のつなぎだけでなく、学生やオーディオ機器に詳しくない人が「5000円以下」「1万円以内」など、あらかじめ決めた予算のなかでも満足できるクオリティを追求したという。
説明会に登壇した上席執行役員 生活雑貨部 管掌の嶋崎朝子氏は、近年のライフスタイルの変化に着目。コロナ禍や働き方の変化、ポッドキャストやオーディオブックなど音声コンテンツの普及によって、日常のなかで音と付き合うシーンは以前よりも多様化している。いまやオーディオ機器は、仕事や移動中、リラックスシーンにおいて「なくては生活できないもの」になっているという。
無印良品では以前、2025年秋に発売したマイク付きの有線イヤホン(1290円、Type-C対応)が発売前から大きな反響を呼んでいたが、オーディオ分野は専門性が非常に高く、生活雑貨を幅広く扱う無印良品にとっては難しい業界でもある。
嶋崎氏は、今回の本格展開にあたり「こういうの(手に取りやすい価格で満足できる品質)もあるよ」と提案して敷居を低くし、生活をよりよくする選択肢を増やすことが無印良品の役割(ポジション)であると自信を見せた。
気になる人は「家電・照明器具・時計」「トラベル用品」売り場をチェック
今回紹介したオーディオ機器は、主にモバイルバッテリーや充電ケーブルを取り扱っている「トラベル用品:家電・携帯小物」や「家電・照明器具・時計」売り場で展開される見込み。
7月15日から順次発売となるので、気になった人はぜひ店頭で実物を手に取ってみてほしい。































































