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南海電鉄「GRAN 天空」内装初公開、走行試験に乗ってきた! 和を感じる設えや眺望席のグランシートなど1編成4両を写真で紹介

2026年4月24日 運行開始
難波駅0番のりば。走行試験は「GRAN 天空3号」のダイヤで実施

 南海電鉄は、新型観光列車「GRAN 天空」の運行を4月24日に開始する。これに先立ち4月9日、難波駅0番のりばにおいて「GRAN 天空 安全運行祈願式典」やアテンダント制服の初披露を行なった。

 その後、極楽橋駅までの走行試験車両に同乗したので、本稿では列車の内装や途中の停車駅、極楽橋駅での歓迎の様子をお伝えする。

GRAN 天空 走行試験車両に同乗して極楽橋へ! 内装初公開

 難波駅での安全運行祈願式のあと、試験運転車両は極楽橋駅までの走行試験を行なった。行程は、運行開始後の「GRAN天空3号」と同じ、難波12時45分発、極楽橋14時20分着。そのため途中の停車駅でもドアは開かないものの運行時間どおりに停車する。

1号車「リラックスシート」(全24席)

1号車はオールリクライニングシート。写真奥に車いすスペースが2台分ある
1号車のシート地はグレー。快適な乗り心地を追求してシンプルにまとめてあるようだ
アームレストのテーブルを展開した様子
天井には、沿線の歴史や文化をイラスト化したものが散りばめられている
トイレはバリアフリー対応の多機能トイレで広さも十分(取材時は撮影NG)。このトイレの奥に男性小用のトイレもある。また洗面台は2号車との連結器近くに設置

2号車「ワイドビューシート」(全30席)

2号車は西側の座席が窓を向いた配置。紀の川から極楽橋駅まで、渓谷の眺望が楽しめるようにしたもの
木材をふんだんに使った和のしつらえ。シート地は緑で、シャクナゲがあしらわれているようだ
東側の座席は対面式の固定シート。テーブルの足に非常に凝った細工がしてあった
西側の眺望。テーブルは、A4サイズの書類をタテにおいても余裕のある奥行きで使い勝手も◎
欄間のようにも見える装飾。照明のデザインも秀逸

3号車「ロビーラウンジ」

3号車は座席がなく、軽食やお土産などが購入できるロビーラウンジとなっている。1、2、4号車の乗客すべてが利用できる
3号車パウダールームの手洗い鉢には、300年以上の歴史と伝統を持つ大阪浪華鈴器を使用。手を洗うというより清める感覚だ
パウダールームの壁面にも錫製のプレート。御堂筋のイチョウ並木の落ち葉をかたどったもの

4号車「グランシート/グランシートプラス」(全16席)

4号車は4名がけのソファ席が4つあり、そのうち3つがグランシートで、もっとも難波寄りにグランシートプラスを配置
座席は西側の眺望が楽しめるレイアウトとしている。各席には電源コンセントもある
東側には通路を確保。開放感と各席のプライベート感が両立したデザインだ
安全運行祈願式典の出席者による車内でのフォトセッション。前列にコシノ ジュンコ氏と高野山真言宗 宗務総長の今川泰伸氏。後列左から株式会社NANKAI 代表取締役社長兼COO 岡嶋信行氏、代表取締役会長兼CEO 遠北光彦氏、南海電気鉄道株式会社 取締役社長 梶谷知志氏(写真提供:南海電鉄)

九度山駅では沿線住民が歓迎

 走行試験車両への乗車会は、難波~極楽橋の往復で実施。発車してからしばらくは、多くの報道関係者がひしめいて内観撮影やスタッフへの質問などしていたが、その間にも列車は大阪府から和歌山県に入り、沿線は住宅街から田園風景に、そして山岳風景へと変化していく。

 紀の川では大きく減速し、車内放送で沿線の紹介が行なわれた。紀の川の南岸に位置する九度山町は真田昌幸、真田幸村親子との縁が深いこともアナウンスされた。

 九度山駅では、近隣小学校の児童らがGRAN 天空の旗を打ち振ってGRAN 天空を歓迎した。また、紀州九度山真田太鼓保存会による勇壮な太鼓演奏が披露され、また紀州九度山手作甲冑真田隊の出迎えもあった。

紀の川をゆっくりと渡る。ここから先は景色が一変して山深くなる
九度山駅。写真は復路に撮影した上り線ホームで、鮮やかな黄色のパンジーが出迎えてくれた
紀州九度山真田太鼓保存会の太鼓演奏。GRAN 天空への住民の期待の高さも伺わせる
出迎えた紀州九度山手作甲冑真田隊。ホームの屋根にも六文銭の意匠が描かれている
ドアサイドに立つアテンダントスタッフ
九度山駅と高野下駅の間では風光明媚な龍王渓が見下ろせる
紀伊細川駅で、2000系電車と列車交換。実はどちらも同じ車両で、GRAN 天空が前照灯の位置を大胆に変えているのが一目で分かる
GRAN 天空は、文字どおりの天空の駅、極楽橋に到着
ホームでは高野山小学校高学年の児童らが元気いっぱいに出迎えてくれた。金剛峯寺や高野町の職員らの姿もあった
停車するGRAN 天空。運行日は、難波~極楽橋間1日3往復の運転を予定している
不動谷川の対岸にケーブルカーの駅があり、ケーブルカーとバスで高野山の施設にアクセスできる

極楽橋駅でお迎え式。梶谷社長「新しいNANKAIにふさわしい特急列車」

ホームでGRAN 天空の「お迎え式」が催された

 極楽橋駅に到着してまもなく、駅構内においてGRAN 天空の「お迎え式」が催された。出席者は、難波での安全運行祈願式と同じく、NANKAI 代表取締役会長兼CEOの遠北光彦氏と代表取締役社長兼COOの岡嶋信行氏、南海電鉄 取締役社長の梶谷知志氏、金剛峯寺 宗務総長の今川泰伸氏、コシノ ジュンコ氏。加えて、南海電鉄鉄 道本部運転車両部長の吉田実氏と高野山駅長の谷口義和氏も登壇した。

 司会者から列車についての感想を尋ねられたコシノ ジュンコ氏は、今回の体験について「世界にもこのような列車があり、日本もこうなったらいいなと思っていたのが実現されていて、納得しました。駅では子供たちにも迎えられて、今までにない体験もできました」と話す。料理については、料亭が走っている感じで堪能できたとのことで、GRAN 天空は、食事も含めてトータルで(旅を)楽しむことができる列車だと思うと述べた。

 金剛峯寺の今川氏は、難波駅での安全運行祈願に続き、ここでは金剛峯寺の安全運行の御札を遠北会長に手渡した。GRAN 天空の感想について、「南海高野線にはいつも高野山に来るときに乗せていただくわけですが、今日はいつもと違う風景を見せていただいたように思います」と笑顔。料理の内容も素晴らしく、いつもの1時間半が短く感じられたという。「聖地高野山にお参りになる方にも、この新しい風景を楽しんでいただければと思います」と締めくくった。

左から、岡嶋社長、梶谷社長、遠北会長、今川氏、コシノ氏、吉田部長、谷口駅長
今川氏から遠北会長へ、安全運行の御札が贈られた
今川氏は、いつもと違う景色をみせていただいたと話した
インタビューに答える梶谷社長

 デザイナーとしてGRAN 天空の車両デザインについて問われたコシノ氏は、高野山のような伝統のある場所にこのようなモダンなデザインの列車で行くことが新しいことだと回答。また、車両のデザインをやってみたいかという問いには「これからやります。乞うご期待」と笑いを誘った。

 南海電鉄の梶谷社長は、GRAN 天空に期待することについて、「車内での食事やサービスなどの提供は今までにないものです。4月1日に新体制(南海電気鉄道株式会社を株式会社NANKAIに商号変更。NANKAIグループ傘下の南海電気鉄道株式会社が鉄道事業を継承)となってスタートした、新しいNANKAIにふさわしい特急列車として、ブランドの一つとしてやっていきたいと思います」と答えた。乗客に対しては、「高野山の道中の景色とともに、美味しい料理を同時に楽しんでいただき、鉄道の旅の魅力を感じていただければと思います」と話した。

極楽橋駅に停車するGRAN 天空。桜の時期は終わりに近いが、標高の高いここでは満開を過ぎたところだった。
お迎え式の終了後、列車は再び難波に向け走行。難波からの直通のため、特急「こうや」と並んで利便性も高そうだ