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1日7万台走る首都高羽田線、東品川桟橋・鮫洲埋立部の更新線全体がついに完成。まもなくルート切り替えへ
2025年10月24日 17:20
- 2025年10月22日 公開
首都高速道路は10月22日、1号羽田線「東品川桟橋・鮫洲埋立部」のリニューアル工事現場を報道陣向けに公開した。
同区間は現在、暫定措置として先に更新が完了した上り線を下り線として運用しているが、工事着手以来約10年をかけて更新構造全体が完成。10月29日1時に本来のルートとなる更新下り線に切り替えられる。
なお現在、仮設う回路を利用している上り線の切り替えは2026年以降を予定しており、それに伴う工事の一環として2026年春ごろの週末2日間を利用して下り線の通行止めを行なう予定。加えて、時期は明言していないものの上り線の切り替え時には大井JCT(湾岸線からの流入路)が長期間通行止めになることもあわせて予告されている。
東品川桟橋・鮫洲埋立部更新の概要
首都高では「首都高リニューアルプロジェクト」として「池尻・三軒茶屋出入口付近」「竹橋・江戸橋JCT付近」など約9.1kmの区間で大規模更新事業を行なっており、東品川桟橋・鮫洲埋立部はその第1弾として2016年に工事着手したもの。
同区間は1963年の開通以来、東京と神奈川の臨海部を結ぶ動脈として利用されてきたが、1日約7万台もの交通量に加え、海水面に近いことから構造物が腐食しやすいなど過酷な環境にあり、近年では重大な損傷が多数発生していたという。
そこで、海水面からの離隔を確保するとともに橋脚の防食対策を強化したうえで、維持管理の利便性を高める「恒久足場」の導入などを核としたリニューアル工事をスタート。ただし、この区間は東京モノレールと陸地に挟まれた狭隘なエリアであるとともに長期間の通行止めが難しいことから、う回路を設置して片方向ずつ撤去、新設を行なう工程を採用。
具体的には、まず「上り線のう回路を設置」したあと「上り線を撤去し更新」、更新した上り線を下り線として利用しつつ、「下り線を撤去し更新」。上り線および下り線が完成したあとでそれぞれを「本来のルートに切り替え」、最終的に「う回路を撤去」して完成という複雑なステップを経ることになった。
今回の下り線の切り替え後は、上り線の切り替え、大井JCT連絡路の切り替え、う回路の撤去と進み、工事完了は2030年度の予定となっている。事業費は当初912億円とされていたが、鋼材を中心とした部材や労務費の高騰などにより1627億円を見込んでいる。
リニューアル工事現場
「100年先まで安全安心な道路」目指す
現場公開を前に、現場詰所において概要説明も実施した。
首都高 更新・建設局 局長の高野正克氏は、「首都高の大規模修繕事業の第1弾で2016年に着手して、およそ10年が経過して下り線の部分の構造物が完成」したと述べ、「さまざまな新しい技術(の採用)や海沿いという環境への配慮、維持管理性を向上させた構造物など非常に多くの工夫」により、「100年先まで安全安心な道路」を目指しているとコメントした。
2020年に先行して完成している将来の上り線(現在は下り線として運用)とあわせて、更新区間の構造物が完成したことから「我々としては大きな区切りであると感じている」と振り返った。
続いて更新・建設局 事業推進部長の石田高啓氏が工事の概要を説明した。今回の工事区間は全長約1.9kmのうち都心側(東品川区間約1.3km)が桟橋構造、神奈川側(鮫洲区間約0.6km)が埋め立て区間と構造が異なると前置き。
まず、東品川区間においては海水面と道路面の距離が約3m(※)ほどしかないことから海水の影響で鉄筋コンクリートがかなり腐食しているうえ、満潮時はもちろん水位が下がっても中間梁により中に入ることができず、点検や補修が困難だったと説明した。
そこで今回の更新では海水面から約12~20mと大幅に引き上げることで塩分の影響を受けにくくするとともに、道路下部に恒久足場を設けることにより点検のしやすさと飛来塩分を遮断する構造を採用。橋脚部は海水面に近いところをステンレスライニングとすることなどにより腐食を防ぐ構造にしていると述べた。
※東京湾の平均的な海面高さ(TP+0.0m)
鮫洲区間においては、建設時に早期開通が要求されたことから「鋼矢板で仕切った内側を埋め立てて上部をタイロッドで固定」する工法が採られていたが、長期間の負荷によりタイロッドが破断し鋼矢板が変形、中の土砂が流出することで路面のひび割れや陥没が発生していた。
対策としてグラウンドアンカーによる補強工事を実施したものの、「100年先まで安心安全な構造」を目指し抜本的な更新に着手。新たな躯体はエポキシ樹脂被覆鉄筋を採用したコンクリート製中空プレキャストボックスとし、耐久性および維持管理性を向上。プレキャストボックス下は液状化対策など地盤改良を行なっていると説明した。










































































