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三菱航空機、秋頃に稼働開始予定の「MRJ」最終組立工場を公開

一般向けに工場見学や展示施設なども計画

2016年3月10日 公開

 三菱重工業と三菱航空機は3月10日、これまで建設を進めていたMRJ(Mitsubishi Regional Jet)量産機の最終組立工場の内部を公開した。今後、生産のための機材を搬入して秋頃に稼働を開始予定。生産体制は当面月産1機、2021年には月産10機を目指す。

 公開された新工場では、胴体結合、全機結合、艤装作業を行なう「構造ライン」、全機艤装、機能試験を行なう「艤装ライン」を用意。工場内部には中央部分に壁の仕切りがあり、北側に「構造ライン」、南側に「艤装ライン」を配置した。飛島工場で生産したコンポーネントの組み立てやシート等の機材を装着して最終的な飛行機の機体に仕上げる工場となる。

 また、同工場の天井部分には一般に向けた展示施設を用意して、飛行機の仕組みや作り方などを紹介するとともに、航空機に興味をもってもらえるよう一般の人も工場見学できるようにする計画。

三菱重工業株式会社 交通・輸送ドメイン MRJ事業部 工作部長 立岡寛之氏

 報道関係者に向けた見学会では、三菱重工業 交通・輸送ドメイン MRJ事業部 工作部長 立岡寛之氏が「モノの流れを考えて作った工場になります。外周にモノを流す専用のエリアを作ったり、モノを取り付ける近くにストックエリアを用意して、モノの作り方に合わせたレイアウトを採用しました。狭い中で効率的に生産できる工場になったと思う」と、新工場の特徴を話した。

MRJ最終組立工場

工場外観
設計部門と製造部門が一緒に入る事務所棟
空港へのアクセス路は現在工事中
最終組立工場と塗装工場の間には一般公道があるため、公道を封鎖して機体の移動をする必要がある
最終組立工場と塗装工場の敷地をつなぐ工場関係者のための歩道橋

胴体結合、全機結合、艤装作業を行なう「構造ライン」

「構造ライン」では胴体結合などを行なうため、上部にあるクレーンも多め。組み立て済みの部品や資材などは写真の奥側から搬入される
クレーン
電源設備
資材搬入口
「構造ライン」は写真の奥側に向かって一方通行の2レーンを用意

全機艤装、機能試験を行なう「艤装ライン」

「艤装ライン」も2レーンを用意。製作中の機体が写真左側から入り工場内でUターン、最終組立が完了すると写真右側からロールアウトされる
天井の構造にフロアが用意され、飛行機の仕組みや作り方などを紹介する体験型の展示施設を用意、一般の人が工場見学できるようにする計画

(編集部:椿山和雄)