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豪雨や台風がきたら東海道新幹線はどうなる? 梅雨入りを前に、JR東海が対応を案内

2024年5月22日 時点

JR東海が豪雨などにおける東海道新幹線の対応を案内

 JR東海は、これから雨の多い時季を迎えるにあたり、豪雨に対する東海道新幹線の安全対策や運転見合わせ・運休時の対応について案内を出した。

 昨今、線状降水帯をはじめとした予測困難な激しい雨が発生していることを踏まえ、線路設備を強化するため対策工法を検討している東海道新幹線。

 これまで、盛土表面の遮水や浸食を防止するのり面工、盛土内水分の排水を促す水抜きパイプの設置、さまざまな強さの雨を想定した再現試験などを行なってきたが、2024年度からは一部区間で実際の降雨時において盛土の水の分布を詳細に把握するモニタリングも開始。最適な運転規制のために、安全性向上を図っていきたいとしている。

営業線盛土におけるモニタリングイメージ

 豪雨予報によって列車の遅れや運転見合わせの可能性がある場合には、運行計画を決定する前に駅構内や東海道新幹線の「運行情報ホームページ」「運行情報公式X(@JRC_Shinkan_jp)」「時刻表アプリ(Android/iOS版)」などで、利用者へ早めの情報を提供する。

 結果として運行に支障がない場合もあるが、運転見合わせとなった際には一定の頻度で運行の見通しを案内し、状況によってきっぷの変更や払戻などに関する特例措置も実施する。

 また運転再開時は、駅の混雑が緩和するまでしばらく来駅を控えるよう案内するほか、事故防止のため改札外やホームで待機している人に待機列へ順番に並んでもらうよう誘導を行なう。

運転計画の決定前に公式サイトなどで案内し、運転見合わせ中の見通しも一定の頻度で情報提供
運転再開時には混雑状況なども案内。改札外やホームで待機列に誘導する場合もある

 走行中の車内では、収束が見込めない豪雨時に運転再開まで長時間待つことがないよう、駅間ではなくできる限り駅に停車させる。ただし雨による運転規制が一部区間のみであっても、全線で運転を見合わせ、または一部の列車を運休とする可能性があるという(東海道新幹線は運転本数が多く、駅と駅の間に多くの列車が走行しているため)。

 なお、運転再開を待つ人や当日中の移動が必要な人のため、状況に応じて運休した列車に代わり「普通車全車自由席」とする臨時列車を運転するなど努めていくとのこと。

運転本数が多い東海道新幹線では、雨による運転規制が一部の列車でも、全線で運転見合わせになる可能性がある