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ウェザーニューズ、2022年の台風は平年より少ない23前後の予想。9月以降の接近・上陸に注意

2022年6月8日 発表

ウェザーニューズは2022年の台風傾向を発表した

 ウェザーニューズは、2022年の台風傾向を発表した。

 太平洋高気圧が平年よりも北への張り出しを強める影響で、7~8月に発生する台風は沖縄から中国大陸・朝鮮半島へ向かうことが多くなる見込み。9月以降は編成風が南下し、台風は沖縄から本州付近へ向かう進路をとることが多くなると予想されている。関東に接近する可能性が高まるのもこのタイミングで、台風の進路や雨風の影響への注意を呼びかけている。

 シーズン中はラニーニャ現象が継続する可能性が高く、また負のインド洋ダイポールモード現象が発生することで、インド洋南東部の海面水温が高くなる。これらの影響で、北西太平洋熱帯域の対流活動は平年よりも西にずれて、積乱雲の発生が促される。台風はこれらの積乱雲が集まることで発生するため、今年の台風の発生位置は平年よりも西寄りになる見込み。この場合、海面水温が高い海域を通る時間が短くなったり、大陸へ向かう進路が多くなったり、台風の発生から消滅までの寿命が短くなる傾向がある。また、発生から日本への接近までの時間が短くなる可能性もある。

月別の台風進路傾向
類似年の台風発生数

 月別の台風進路傾向を見ると、7~8月までは台風は沖縄から中国大陸・朝鮮半島へ向かうことが多くなる予想。しかしながら、8月は太平洋高気圧が勢力を弱める時期もあり、台風を動かす風が弱くなることで複雑な進路をとったり、動きが遅くなったりしながら日本付近に接近する可能性もある。9月以降、編成風が南下してくると、台風は沖縄から本州付近へ向かうことが多くなると予想されるため、進路や雨風の影響に注意が必要となる。

 今シーズンの台風発生数は、4月に発生した2個を含めて23前後となる見込み。シーズン中はラニーニャ現象が継続することと、負のインド洋ダイポールモード現象が発生することで、平年より西寄りで海水温が上昇しやすい。このため、南シナ海やフィリピン周辺での対流活動が平年に比べてやや活発になる。一方で、平年であれば対流活動が活発なフィリピンの東海上では、対流活動が不活発になる。これにより、主に台風発生域における全体的な対流活動は平年に比べるとやや不活発になり、発生数は平年の25.1個より少なくなると考えられる。

ラニーニャ現象
負のインド洋ダイポールモード現象