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ウェザーニューズ、2023年の台風発生数は平年より多い29個前後の予想。正のインド洋ダイポールモード現象で

東日本太平洋側を中心に強い台風の接近・上陸に警戒が必要

2023年6月6日 発表

日本周辺の海面水温と高気圧の位置関係

 ウェザーニューズは、2023年の台風傾向を発表した。

 過去に数回しか例がない強度の「正のインド洋ダイポールモード現象」および「エルニーニョ現象」の発生により、台風の発生数は平年よりやや多い29個前後となり、日本の南から東日本太平洋側を中心に台風の接近・上陸のリスクが高まる見込み。海面水温の高い海域を通る時間が長くなり、勢力の強い台風が多くなる傾向があることから、警戒を呼びかけている。

 シーズン中は、2019年以来の強い「正のインド洋ダイポールモード現象」の発生が見込まれている。これによりインド洋東部で高気圧性の循環が卓越し、フィリピン近海へ吹くモンスーンが強まる。この風がフィリピンの東で貿易風とぶつかることで、平年に比べ周辺での対流活動がやや活発になると予想される。この影響で、台風発生域の対流活動が平年より活発になることから、台風の発生数は平年の25.1個よりやや多くなると考えられる。

 同時に、顕著な「エルニーニョ現象」の発生も見込まれている。この影響で、台風の発生位置が平年よりも東または南東にシフトし、海面水温が高い海域を通る時間が長くなることから、勢力の強い台風が多くなるとみられる。また、東シナ海方面に進む台風が少ない一方で、日本の南から東日本太平洋側を中心に台風が接近しやすい傾向がみられるという。

台風の発生位置の傾向
台風の進路の傾向
2023年の値は6月6日現在の発生数。平年には、統計期間1991〜2020年の平年値を使用している
「正のインド洋ダイポールモード現象」模式図
「エルニーニョ現象」模式図