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2036年完成予定「帝国ホテル 東京 新本館」、デザインアーキテクトはATTA・田根剛氏

2021年10月27日 発表

「帝国ホテル 東京 新本館」のデザインアーキテクトとしてATTA・田根剛氏を採用する

 帝国ホテルは、2036年に完成予定の「帝国ホテル 東京 新本館」建設に向け、フランス在住の建築家・田根剛氏のデザイン案を採用することを発表した。

 3月25日に、帝国ホテル 東京(本館・タワー)の建て替え計画の実施方針を決定。本館の建て替え時期は2031年度~2036年度を予定している。

 帝国ホテルは1890年、日本の近代化を推進する明治政府の国策により、海外貴賓を遇する迎賓館として初代会長である渋沢栄一の「社会の要請に応え、貢献する」という信念とともに開業した。初代本館の風格ある洋風建築は、隣接する鹿鳴館とともに西欧化を目指す日本のシンボルに。1923年に開業した2代目の本館は、フランク・ロイド・ライトによって設計され、通称「ライト館」と呼ばれたという。さらに、1970年には現在の本館、1983年には帝国ホテルタワーが建設された。

 デザインアーキテクトの選考にあたっては、新本館に求める「品格・継承・挑戦」という3つのキーワードといくつかの条件のもと、国際的に活躍する国内外の建築家を候補にコンペティションを実施。帝国ホテルの歴史・理念を十分に把握し、ビジネス・文化・交流の中心地である日比谷地区で、どこから見ても「ザ・ホテル」の顔・存在感、独自性を体現するデザインをともに創り上げることができる提案を求めた。

 今回選出された田根剛氏は、フランス・パリを拠点に活動する建築家。場所の記憶から建築をつくる「Archaeology of the Future」をコンセプトに、ヨーロッパと日本を中心とする世界各地でプロジェクトを行なっている。主な作品は、「エストニア国立博物館」「新国立競技場・古墳スタジアム(案)」「弘前れんがそうこ美術館」「アル・サーニ・コレクション財団美術館」など。フランス文化庁新進建築家賞、ミース・ファン・デル・ローエ欧州賞2017ノミネート、フランス国外建築賞2021グランプリ、第67回芸術選奨新人賞などを受賞している。