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【星野リゾートが創造する新しい旅のカタチ】地酒愛あふれすぎスタッフによる出雲のディープな日本酒堪能企画(界 出雲)
星野リゾート連載企画 第5回
2021年4月27日 11:00
星野リゾートが「王道なのに、あたらしい。」をテーマに全国各地に展開する温泉旅館ブランド「界」について紹介する連載の第5回。
今回は、島根県の温泉旅館「界 出雲」で実施している地酒の取り組みについて、入社8年目の鈴木奈美さんに話を聞いた。
鈴木さんは接客業やリクルートを経て2014年に星野リゾートへ入社。リクルート時代に「じゃらん」を担当していたこともあり、多くの宿泊施設を視察するなかで、利用客と接して情報を届けることができる宿泊業に興味を持ったそう。
以前からワインが好きで検定に向けて勉強もしていたが、日本酒発祥の地といわれる島根に来てから日本酒の魅力にどっぷりはまった鈴木さん。コロナ前は、休日にお気に入りのお店をはしごして、意気投合したお酒好きの人と情報交換したり、日本酒への熱い想いを語りあってしまったりなんてこともよくあったそうだ。
――界 出雲では「地酒の滞在」に力を入れているとのことですが、それはなぜですか?
まずは、島根県の地酒について語らせてください!
島根県は「古事記」の出雲神話や「出雲風土紀」に日本酒に関する記述があり、日本酒発祥の地として知られています。実際、人口に対して酒蔵がすごく多く、県内だけでも30か所あります。
私も30の蔵を訪ね、ごあいさつさせていただく機会があったのですが、各蔵とも個性あふれる酒を作っています。酒蔵同士のつながりもあり、地酒のイベントもよく行なわれています。
島根の地酒の特色として、食中酒が多く、食卓でも夕食に合わせて日本酒を嗜むことが定番という文化があります。島根は蟹やシジミが有名ですが、日本酒との相性がよい山海の幸に恵まれた地域です。
――出雲の地と日本酒は深い関係にあったんですね。
はい、そこで「その地域ならではのおもてなし」にこだわった「界」だからこそ、島根の地酒文化をぜひ体験してもらいたいと思い、2017年に館内で使用されていなかった10畳程の和室スペースを使い、地酒の飲み比べができる「日本酒BAR」を企画しました。
それまで界 出雲で地酒メインの企画は実施したことががなかったので、3か月限定という形で合意がとれた取り組みだったのですが、やるならば本気で取り組まなければという想いもあり、和室の壁一面に酒蔵の菰樽を並べました。スペースが限られていたこともあり、日本酒を通じてゲスト同士やスタッフとの会話が生まれ、楽しい場になりました。
特に日本酒を作っている酒蔵の方のエピソードや地元の方がどのように日本酒を楽しんでいるかをお話しすると興味をもってくださるゲストが多かったです。好評だったことともあり、3か月以降もこっそりと継続し、通年で実施していました。
しかし、コロナ禍のためゲストが日本酒BARに集うことが難しくなってしまいました。そこで、個性ある酒蔵の作り手の思いを動画で知ってもらうのはどうかと考えました。「地酒のんじょーかね滞在」と題して、酒蔵や銘柄について書かれたオリジナルの地図や案内文を作成し、客室で酒蔵の動画をゆっくり見ながら、飲みたい銘柄をオーダーしてもらう企画を開始しました。
「のんじょーかね」とは、「飲んでますか?」という意味の出雲地域の方言です。酒蔵の方々もコロナで出荷量が減少しており、少しでも応援したいという気持ちもありました。
――企画について酒蔵の方の反応はどうでしたか?
これまでに9つの酒蔵の動画をご協力いただきましたが、皆さん非常に協力的で、断られたことはありません。「仕込みのときに来てみては?」と提案いただく酒蔵もあり、お言葉に甘えて仕込みに参加させていただきました。
――新たな企画などのご予定はありますか?
「手業のひととき ~日本酒発祥の地・出雲で蔵元直伝の美味しい飲み方を知る~」と、少々長い名前なのですが、日本酒の神様が祀られている神社「佐香神社(松尾神社)」からほど近い老舗酒蔵「酒持田本店」の蔵元から、神事とお酒の関係や日本酒の味わい深さを教わる体験というものをスタートしました。温度や酒米の異なる日本酒を飲み比べて、味の違いを体験することができるんです。
先日、私も支配人と一緒にモニター体験してきたのですが、精米歩合、醸造年、温度など条件を1つずつ変えて、同じ日本酒を味わうのですが、見事に支配人と好みが分かれました。
飲食店で同じお酒を飲むときなどは「美味しいね」で終わってしまいますが、自分の好みや友人や家族の好みとの違いが分かるというのは面白いと思います。
今回、連携する酒持田本店の蔵元は、界 出雲のゲストのニーズに合わせたものを提供したいという思いを持ってくださり、企画を考えるところから一緒に相談させていただきました。
――「手業のひととき~~」は日本酒に詳しくない人でも、自分好みのお酒に出会える面白いきかくですね?
そうなんです! ワインでもビールでも、お酒にご興味があればぜひ参加して、楽しんでいただきたいです。人数限定でプライベート感がある体験なので、参加する方に合わせて蔵元からていねいなガイドが受けられると思います。飲食店で数多の銘柄の日本酒からオーダーするのは難易度が高い思われる方も、自分が好きな日本酒の方向性を見つけられると思います。
――日本酒愛にあふれる鈴木さん、最後に読者へのメッセージをお願いします。
界 出雲では「しまね地酒マイスター」という島根の地酒にまつわる知識を深め、魅力を伝える検定にスタッフ皆で挑戦するなど、コロナ渦でも楽しみながら地酒を勉強しています。日本酒は知れば知るほど奥深く、人と人をつなげてくれるものなので、ぜひ皆さんも日本酒を楽しんでほしいです。
界 出雲「手業のひととき 日本酒発祥の地・出雲で蔵元直伝の美味しい飲み方を知る」
実施期間: 2021年4月1日~6月25日の木・金曜
時間帯: 宿泊初日の「16時~17時30分」か「18時~19時30分」
会場: 界 出雲「日本酒BAR」
料金: 1名3000円(宿泊費別)
定員: 1回6名まで ※1名から実施
予約: 界 出雲への宿泊予約完了後、宿泊日7日前までにWeb予約
Webサイト: 星野リゾート「手業のひととき」