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ハワイ州観光局、現地の最新状況を説明。ミツエ・ヴァーレイ日本支局長「ホノルルマラソン実施に向けて業界一丸」

2020年8月27日 実施

ハワイ州観光局 日本支局長 ミツエ・ヴァーレイ氏が現地の現況を説明した

 ハワイ州観光局は8月27日、報道向けにハワイの現状を説明するオンラインミーティングを実施した。

 8月26日12時(現地時間)に更新した最新情報によると、ハワイ州での新型コロナウイルス感染者数は累計7260人で、回復者数は2288人、入院者数は444人、死者は51人(検査数は24万3154件)となっている。

 前日の25日にはハワイ州知事のデイビッド・イゲ氏、ホノルル市長のカーク・コードウェル氏らが共同で会見を開き、オアフ島で2週間のロックダウン(State-at-Home, Work-at-Home Order)を指示している。

 現地からオンラインで説明を行なったハワイ州観光局 日本支局長のミツエ・ヴァーレイ氏によると、ハワイはまさに第2波が来ており、オアフでは外出禁止令と在宅勤務令が出たばかりだが、連邦政府から予算が出て島民全員のPCR検査を無料でできるようになるなど、全島的な対応が進んでいるという。

 そんななか、定期的に実施している渡航希望調査では、「渡航可能になったらすぐ行きたい」という回答が前回(4月~5月調査)の5.5%から今回(6月~7月調査)は32.9%と大きく伸長しており、対照的に「2022年以降に行きたい」が31.6%から8.6%へダウンするなど、ハワイ愛好家たちが待ちきれなくなっている様子がうかがえる結果が出ている。

 なお、州外からの旅行者に対して、事前にPCR検査を行なうことで14日間の隔離を免除する「事前検査プログラム」は、当初の8月1日開始が二度延期になり、現時点では「早くて10月1日スタート」というステータスに変わっている(関連記事「ハワイ州、自主隔離を免除する事前検査プログラムを8月1日開始。渡航前に自費でPCR検査」)。

 ANA(全日本空輸)やJAL(日本航空)も臨時便を除き9月いっぱいの運休を決めており、10月に向けてハワイ州観光局でもJATA(日本旅行業協会)と話し合いを進めるなどリカバリープランが進捗しているが、当面のウィズコロナの状況下では、旅行者の行動履歴が把握できるパッケージ旅行が主力になるとみられている。ハワイには日本語で対応できるクリニックもあり、ヴァーレイ氏は「パッケージの力は強い」と話す。とはいえ、国際観光の再開には両国間の相互合意(トラベルコリドー/トラベルバブル)が必要で、さらに日本側が「感染レベル1」になる必要もあり、一方的な課題ではないというもどかしさも感じられた。

 それでもヴァーレイ氏は「10月1日を1つの軸」にしたいと述べて、直近で日本人にもなじみのあるリアルイベントの1つとして、12月13日開催予定の「ホノルルマラソン」の存在を挙げた。ホノルルマラソンは現在も第1期エントリーを受け付けており、中止になった場合でもエントリー費や利用マイルの払い戻しはないものの、現地では業界一丸となってホノルルマラソン実施に向けて動いているという。

 本誌では、セミナー終盤の質疑応答で自然環境の変化について尋ねてみた。ほかの国・地域では、観光客の減少によって自然環境の改善や海洋ゴミの減少など、「人間が減って自然が回復する」という現象が見られているが、ヴァーレイ氏によるとこれはハワイでも同様で、例えばシュノーケリングスポットして知られるオアフ島南東のハナウマ湾が大変きれいになるなど、似たような報告がいくつもあるという。「ひとっこひとりいないワイキキビーチでアザラシが寝ている映像がニュースになりましたが、6か月間観光客が来ないというのはハワイでも初めての状況。ハワイ大学の海洋研究所などが研究を進めており、『自然形態がどう変わったか』という結果を含め、今後のレスポンシブルツーリズム(責任ある観光)、サステナブルツーリズム(持続性のある観光)において日本とハワイの研究機関をつないでいきたい」と説明した。