イベントレポート

【ツーリズムEXPO 2019】ハワイ州観光局、ウミガメ形ゴミアートを制作した立命館宇治高校の生徒がブースを訪問。「海洋ゴミの危険さ知ってほしい」

2019年10月24日~27日 開催

ハワイ島、鴨川での清掃プロジェクトに携わった立命館宇治高等学校1年生の鴻池要さん

 ハワイ州観光局は、「ツーリズムEXPOジャパン2019」に出展したブースで「責任ある観光(レスポンシブルツーリズム)」をテーマに掲げ、特に近年ハワイで深刻化している漂着ゴミ・海洋プラスチックへの取り組みを周知する展示を行なっている。

 これに先立ち、9月にはハワイ島で実際にビーチクリーン活動を実施しており、日本とニュージーランド、オーストラリアの3か国が参加。このとき、日本からは立命館宇治高等学校の生徒が活動に加わっている(関連記事「ハワイ州観光局、プラスチックゴミ収集などハワイ島の海岸でビーチクリーン活動」)。

 さらに日本でも同局と立命館宇治高校が共同で鴨川(京都)の清掃活動を行なっており、回収したゴミからハワイで絶滅危惧種に指定されているウミガメをかたどったゴミアートを制作。今回のツーリズムEXPOジャパン2019 同局ブースの正面に展示している。ハワイの海と日本の河川で環境は異なるものの、ゴミアートを通じてゴミが海洋生物・水棲生物に与える悪影響への理解を呼びかけている。

 また、会期最終日の27日にはハワイ島での活動にも参加した立命館宇治高校1年生の鴻池要さんがブースを訪問。一連の活動について、「ハワイのゴミはプラスチック容器や小さいものが中心。鴨川は服や絨毯など一つ一つのゴミが大きく、かなり古くから埋まっているようなものが多かった。ハワイの漂着ゴミは小さいため拾い集めるのが大変で、そのせいでまだまだ拾い切れていない」と現状を説明。

 ゴミアートにウミガメの形を選んだ理由については、「ハワイの象徴と言えるのがウミガメ。小さなプラスチックゴミを飲み込んで死んでしまうこともあると聞いて、どのくらい危険なのか分かってもらえるのではと考えた。ウミガメの大切さをもっと知ってほしい」と話し、「こうした活動を続けたい。自分でもプラスチックゴミを出さないように水筒を使ったりして、少しでも海洋プラスチック問題がなくなっていけば」と今後も海洋ゴミ削減に向けた取り組みを継続すると意欲を見せてくれた。

ハワイ州観光局のブースではウミガメのゴミアートとともに、立命館宇治高校との取り組みを紹介