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新生「東急プラザ渋谷」、渋谷フクラスに12月5日開業。ターゲットは「成熟した大人」と長尾総支配人

屋上階にルーフトップガーデン「SHIBU NIWA」

2019年9月11日 実施

2019年12月5日 開業

12月5日グランドオープンする新生「東急プラザ渋谷」が入る「渋谷フクラス」。右は渋谷駅と「渋谷スクランブルスクエア第I期(東棟)」。渋谷駅周辺は再開発プロジェクトが進んでいる

 現在渋谷では「100年に一度」と言われる大規模な周辺再開発プロジェクトが進行中。2012年4月に開業した「渋谷ヒカリエ」から始まり、2018年9月には「渋谷ストリーム」「渋谷ブリッジ」が開業、2019年3月には「渋谷ソラスタ」が竣工と、続々と完成してきている。

 11月1日には、「渋谷スクランブルスクエア第I期(東棟)」が開業するが、これに11月に開業する「渋谷フクラス」が加わる。渋谷フクラスは、渋谷駅の西口(モヤイ像のある場所)正面に位置していて、旧東急プラザ渋谷を立て替えたビル。「フクラス」は「膨らませる」をイメージさせる造語。豊かさが膨らんでいくことをイメージしているそうだ。

 この2階から8階までと屋上階の17階と18階を使って、新生「東急プラザ渋谷」を12月5日に開業する。9月11日に実施された会見では、その全69店舗の内容が発表された。渋谷フクラスには、これまでに1階にバスターミナルと観光支援施設「shibuya-san(シブヤサン)」が入ることが発表されている(関連記事「『渋谷スクランブルスクエア』屋上に展望台、『渋谷フクラス』にバスターミナルなど。東急、渋谷駅周辺再開発プロジェクト発表会」)。

 現在の渋谷は若い世代の街というイメージがあるが、今回はあえて40歳代以上の成熟した大人をターゲットに「大人を楽しめる渋谷へ」をコンセプトにしているのが特徴。

現在再開発中の渋谷駅西口。左側が渋谷フクラス。右が渋谷駅
12月5日グランドオープンする新生「東急プラザ渋谷」が入る渋谷フクラス
渋谷フクラスを国道246号線を挟んで見ている
渋谷駅西口を出た直後に渋谷フクラスを見る正面のアングル
渋谷駅西口。モヤイ像のある方向から見る渋谷フクラス
下層階のファサードがランダムな特徴的デザイン。一部旧東急プラザ渋谷の外壁を再利用している
正面側にビル開業日の告知
北側側面を見上げている
メインエントランスはアーバンコアとなっている
アーバンコアのエスカレーター設置の様子が見える
1階のエントランス
屋上階の17階と18階。ルーフトップガーデンが作られる
西側に少し飛び出した箇所がある。展望ポイントとなるはず
渋谷フクラスの銘板。膨らみをイメージするデザイン
北側を見上げている
「東急プラザ渋谷」の開業を告知するガードも
渋谷フクラスから渋谷駅側を見たところ。正面ビルはスクランブルスクエア東棟。右は渋谷ストリーム

 東急プラザ渋谷開業発表会では、冒頭に東急不動産 取締役 上級執行役員 副社長の岡田正志氏が登壇。

 渋谷周辺の再開発について、単なるビルの建て替えではなく、交通需要への対応や利便性向上など社会的な課題を解決し、街全体の価値を向上させていく取り組みであり、渋谷にとどめるものでなく、青山、原宿、表参道、恵比寿と有機的につなげ、人の流れを創出していきたいとし、今年開業した渋谷ソラスタ、今回の渋谷フクラスがアップデートのきっかけという。

 また、渋谷で誕生した東急不動産について、渋谷の魅力にいち早く着目し1956年に渋谷営業所を開設、1965年に渋谷東急ビルを開業、途中名前を東急プラザ渋谷とし2015年3月まで49年間営業した歴史も紹介。東急プラザ渋谷は、民間デベロッパ初の専門店複合商業ビルとして生まれ、チャレンジを続けてきたが、次の新たな東急プラザ渋谷では、若者の街渋谷であえて、渋谷になじんできた大人たちをターゲットにするというチャレンジをしていく。

 この大人をターゲットにすることについては、これまで若者中心文化の渋谷の街に欠けていた部分であり、渋谷駅西口に来る人は周辺には松濤、代官山など優良住宅地が控え、東急バスも接続していることから、マーケットは大きいと考えているそうで、新時代のニーズに応え、カムバックする東急プラザ渋谷に期待してほしいとあいさつした。

東急不動産株式会社 取締役 上級執行役員 副社長 岡田正志氏
渋谷だけでなく、青山、原宿、表参道、恵比寿とつなげる
1956年に開設された渋谷営業所
1965年に開業した渋谷東急ビル
東急プラザ渋谷
東急プラザ渋谷は2015年3月まで49年間営業した
新生「東急プラザ渋谷」が入る渋谷フクラス

 続いて東急プラザ渋谷 総支配人の長尾康宏氏から、新しい東急プラザ渋谷について説明があった。まず、開業日が12月5日に決まり、コンセプトが「大人を楽しめる渋谷へ」であることが発表された。大人といっても単純に年齢で区切るのではなく、都会派で感度の成熟した人を想定する。本物や本質のよさを大切にしつつ、遊び心も忘れない人に、人生100年時代と言われる今、時間を重ねて成熟する楽しみを提案していく。

 その象徴となるのが、屋上階の17階と18階を使いグリーンをあしらった1000m 2 を超えるルーフトップガーデン「SHIBU NIWA(シブニワ)」。渋谷を見下ろすことのできる新名所となる。

東急プラザ渋谷 総支配人 長尾康宏氏
新しい東急プラザ渋谷のグランドオープンは12月5日
コンセプトは「大人を楽しめる渋谷へ」
ルーフトップガーデン「SHIBU NIWA」
屋上階の17階と18階にグリーンを配置
渋谷の景色を一望できる
居心地のよい空間を提供

 この17階と18階には、シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズのルーフトップナイトクラブなどを世界各所で展開するエンタテイメントレストラン「CE LA VI(セラヴィ)」が、「CE LA VI TOKYO」として日本に初上陸する。17階のカフェバーとラウンジ、18階のファイン・ダイニングの3業態で出店。ハイセンスな新たな大人の社交場を創出する。

エンタテイメントレストラン「CE LA VI」が日本に初上陸。CE LA VI TOKYOのファイン・ダイニング
CE LA VI TOKYOのクラブ・ラウンジ
CE LA VIはシンガポールのマリーナ・ベイ・サンズにルーフトップナイトクラブを出店している

 各階には「食」「健康」「美」「趣味」「ライフプラン」をテーマに魅力ある店舗が集められた。特に5階の「シブヤライフラウンジ」は、これまでにない新しいスタイルのサービスフロア。ソフトバンクロボティクスが手掛けるロボットが働くシーンを体現させた初のカフェ「Pepper PARLOR」を中心に、人生の集大成を豊かに、いわゆる終活をサポートする「LIFE STORIES SALON by Memolead」、洋服やバックを長く愛用するためのリメイクをしてくれる「アトリエ・クチュリエール」、ブランド品などを買取リユースする「なんぼや+miney」、資産形成をサポートする「三井住友信託銀行」など、各分野のプロがきめ細かい対応をし、これからの人生をより上質なものにする手助けをしてくれるショップが集められている。

ソフトバンクロボティクスが手掛けるロボットが働くシーンを体現させた初のカフェ「Pepper PARLOR」
「LIFE STORIES SALON by Memolead」
「アトリエ・クチュリエール」
「なんぼや+miney」

 グランドフロアの玄関口となる2階では、食を中心とした日本のカルチャーを発信する。渋谷区で創業したセレクトショップ「BEAMS」が手掛ける、日本をキーワードにキュレーションする「BEAMS JAPAN」が渋谷エリアで初出店(ほかは新宿に出店)する。

 3階には、大人のこだわりの逸品を扱うショップが19店舗出店。老舗刃物の「日本橋 木屋」、鹿革やカシミヤに伝統の絞り染めを施したコレクションを扱う「片山文三郎商店」、オーダーメイドのバックも作ることができる革小物の「BARCOS」、鯖江市の国産めがねを揃える「金子眼鏡店」などが揃える。

 4階には、エイジングの悩みを解決するロート製薬の新業態「ロート QualityAgingサロン」などの美と健康をサポートする17店舗が出店。6階と7階は、飲食フロアの「シブヤグラン食堂」とし、フロア全体でオープン感と時間とともに変化する雰囲気を演出する。7階は、より落ち着いた空間でゆっくり食事が楽しめる。18店舗が出店する。

日本をキーワードにキュレーションする「BEAMS JAPAN」
老舗刃物の「日本橋 木屋」
鹿革などに絞りを施したコレクションを扱う「片山文三郎商店」
エイジングの悩みを解決する「ロート QualityAgingサロン」
6階と7階の飲食フロア「シブヤグラン食堂」
旧東急プラザ渋谷で好評の「鰻 渋谷松川」が復活。創業70年を迎える
出汁しゃぶの「京都 瓢斗」が東京初出店

 フロアは自然から得たエレメントをテーマに、石(2階)、陶器(3階)、紙(4階)、金(5階)、木(6階)、土(7階)、光(17階)とフロアごとに異なる素材をモチーフにしてデザインされ、経年変化で魅力が増す。回遊性を高めるよう通路は曲がり角のないオーバルにしてあり、見通しもよくなっている。商環境デザイナーは、グラマラス 森田恭通氏。

 また、高頻度で継続的に買い物をするロイヤルカスタマーをもてなす、「特別なロイヤルカスタマープログラム」を導入する予定であることも明かされた。詳細は後日発表される。

 最後に広告などに使われる開業メッセージとして「いまがわたしの最先端。」になることが発表された。

エントランスのイメージ
フロアは回遊性を高めるオーバルな通路
フロアごとに異なる素材をモチーフとする
開業メッセージは「いまがわたしの最先端。」