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ジェットスター、2019年6月期決算は4期連続黒字。下地島線は好調。エアバス A321LR型機で東南アジアリゾート路線も視野に

2019年9月10日 開催

2019年6月期決算(2018年7月1日~2019年6月30日)について説明する、ジェットスター・ジャパン株式会社 代表取締役社長 片岡優氏

 ジェットスター・ジャパンは9月10日、都内で会見を開き、代表取締役社長の片岡優氏と執行役員 CFO 財務本部長の鈴木明典氏が2019年6月期決算(2018年7月1日~2019年6月30日)と、この期間のトピックなどについて説明した。

 ジェットスター・ジャパンの2019年6月期決算は、営業収入が前年同期比6.2%増で過去最高となる605億2300万円。営業利益は6.2%減の10億6400万円。当期純利益は4.1%減の9億1400万円となり、4期連続の黒字決算となった。

ジェットスター・ジャパンの2019年6月期決算概要
2019年6月期の主な経営指標
ジェットスター・ジャパン株式会社 執行役員 CFO 財務本部長 鈴木明典氏

 決算概要について鈴木氏は、便数・旅客数増など国内ネットワークの拡充に注力したことにより営業収入が増え、原油相場の上昇や新機材3機導入のコストがあったものの経費削減の取り組みもあり、4期連続の黒字決算になったと解説。また、「有効座席キロ」と「有償旅客キロ」が減少したのは、機材を増やし国内路線の拡充に注力したためであり、それにより「有償旅客数」が増えたのだという。ちなみに平均搭乗率は87%と同水準を維持している。

ジェットスター・ジャパンの2019年6月期について説明する片岡氏

 続いて片岡氏が2019年6月期の振り返りや今後の事業計画について紹介した。これまで同社はエアバス A320ceo型機を使用してきたが、新機材としてエアバス A321LR型機を2020年半ば以降順次導入の予定であり(関連記事「ジェットスター、2020年にエアバス A321LR導入で中距離国際線参入へ。『飛べるところは就航候補地』と片岡社長」)、この新機材3機を含め10機を今後新たに導入し、2023年度までには35機体制にするという。また、A321LR型機は既存の機材より長距離を飛べるため、東南アジアのリゾートエリアへの新規路線が見えてくるとも語った。

2018年11月27日にエアバス A321LR型機3機の導入を発表した

 3月30日に成田国際空港~宮古・下地島空港線を、7月3日に関西国際空港~下地島線を、8月1日に成田~山形・庄内空港(おいしい庄内空港)線を就航し、国内16都市・24路線を展開しているが、これは日本のLCCとして最多。さらにLCCでは最速で累積搭乗者数3000万人を突破している。

 成田~下地島線の状況は、同社の平均搭乗率87%を上回る月もあり、沖縄エリアの梅雨時期である5月~7月ごろは全般的に落ち込む傾向があるなか、それでも搭乗率が安定しており、「当初予想していたよりもよい搭乗率、路線の収支としても非常に健全な路線になっている」と評価。また、関空~下地島線も7月3日就航と夏休み時期だったこともあり、「かなりよいスタートを切れている」と述べた。

 庄内線の就航を決めたきっかけは、十分な路線供給量がなく航空運賃も高止まりの傾向があり、鉄道なども含めて「LCCのメリットを十分に発揮できるのでは」と考えてのこと。庄内線は「ほぼほかの路線の平均搭乗率に近い数字で推移しており、9月以降もほかの路線と比較してよい状況を作れている」と、こちらも好調であると説明した。

 9月20日からはセントレア(中部国際空港)第2ターミナルが供用開始となるが、同ターミナルへ移転するジェットスター・ジャパンは自動手荷物預入機を導入することになっており、乗客の利便性を向上できるとアピール。同システムは今後、成田空港第3ターミナルでも「来春以降」導入する予定があるとのこと。また、スマートフォンなどで管理可能なモバイル搭乗券「Star☆パス」はとても好評だそうで、今後も認知拡大に向けてプロモーションを積極的に展開していきたいと語った。