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JAL、2018年度連結決算は増収増益で営業利益1761億円。有償座席利用率が国際線/国内線ともに史上最高を更新

2019年4月26日 発表

決算会見に臨む日本航空株式会社 取締役専務執行役員 財務・経理本部長 菊山英樹氏(左)と常務執行役員 総務本部長 植木英嗣氏(右)

 JAL(日本航空)は4月26日、2019年3月期(2018年度通期)の連結業績を発表した。説明に当たったのはJAL 取締役専務執行役員 財務・経理本部長の菊山英樹氏。菊山氏は4月1日付の役員体制から、財務・経理本部長に担務が変更になっている。

 通期の営業収益(売上高)は、前年比7.5%増(1040億円増)の1兆4872億円。燃油市況は、シンガポールケロシンが1バレルあたり同23.7%増の83.9米ドル、ドバイ原油が同25.6%増の69.0米ドルとかなりの燃油高であったことなどから、営業費用は同8.5%増(1024億円増)の1兆3111億円に。その結果、営業利益は同0.9%増(15億円増)の1761億円で、増収増益決算となった。

JALグループ連結業績

 内訳を見ていくと、国際線は新路線(2017年度のコナ線、メルボルン線、ロンドン線2便目、2018年度のマニラ線、シアトル線など)や増便で供給を拡大したことなどにより、有償旅客数は前年比6.3%増の912万8000人、有償座席利用率は同0.3pt増の81.3%となり、同社の国際線の利用率としては過去最高を更新したという。単価は燃油高がありつつ、日本発/海外発ともに高単価の利用者が多かったこと、2017年に刷新した旅客基幹システムによるイールドマネジメント(需要に合わせて座席数や単価を管理すること)の効果が発揮されたことで、同7.8%増の5万8136円となっている。その結果、旅客収入は同14.6%増の5306億円と非常に高い数字になった。

 一方、2018年度の国内線は自然災害の影響を受けて夏場の需要減がありつつも、「個人旅客が非常に大きく伸びた」(菊山氏)ことで有償旅客数は前年比2.4%増の3485万9000人、有償座席利用率は同0.7pt増で72.5%となり、国際線同様こちらも史上最高を更新している。単価は同0.5%減の1万5149円だが、JALは国際線航空券における国内区間の収入按分ルールを変更しており、その影響を除外すると単価は1万5328円で、同0.7%増になるという。また、この背景には、引き続きビジネス系運賃の利用者が増えていることなども挙げられるとのこと。以上から、旅客収入は同1.9%増の5280億円となっている。

 連結財政状態は、新しい旅客機の購入などで総資産は前年度末差で1763億円増えて2兆303億円、利益の蓄積により自己資本比率は同0.2pt増の57.4%。菊山氏は「自己資本比率をひたすら高めればよいとは思っておらず、負債を活用することを視野に入れ、50%台後半は維持していきたい」とした。

 質疑応答では、ANA(全日本空輸)が5月にエアバス A380型機を投入するハワイ線の予約状況を問われると、「需給バランスが崩れる」と見ていると述べ、同社は10%以上供給落とすことになっていると説明した。そのうえで、全体では計画並みに推移しているという。