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JAL、2019年度第1四半期決算は増収減益。営業利益210億円。国内線はGW10連休以外の期間も好調
2019年7月31日 19:27
- 2019年7月31日 発表
JAL(日本航空)は7月31日、2019年度(2020年3月期)第1四半期(2019年4月1日~6月30日)の決算を発表した。説明に当たったのは取締役専務執行役員 財務・経理本部長の菊山英樹氏。
営業収益は、改元に伴うゴールデンウィークの10連休などで国内線の需要が高まり、前年同期比4.0%増(136億円増)の3557億円で増収。営業費用は同5.5%増(175億円増)の3346億円。同社は今年度から航空機部品などの償却年数の方法を変更しており、減価償却費が前年比で33億円増加、そのため以前の条件で比較すると、営業費用は同4.5%(141億円増)の3313億円になる。燃油費の増大や、2020年に予定されている首都圏空港の発着枠拡大に伴う先行費用などありつつも、それ以外は「需要供給の伸びに応じた増加にとどまっている」(菊山氏)という。
営業利益は同15.6%減(38億円減)の210億円だが、こちらも償却方法の変更前の基準で見ると同2.1%減(5億円減)の244億円で、実質前年同等の収支水準になっている。一方、経常利益は同7.9%減の212億円で、営業利益より変更の影響は小さくなっている。四半期純利益は同32.1%減(56億円減)の119億円だが、法人税などの増加が主な要因とのこと。
内訳を見ると、国際旅客事業は成田~シアトル線に代表されるような新規路線の開拓、座席増席などの改修で供給を拡大したことで、旅客収入は前年同期比2.4%増の1278億円。ASK(有効座席キロ:総座席数と輸送距離の積)は同2.9%増だが、海外発の需要が想定よりも強くなかったこともあり、RPK(有償旅客キロ:有償旅客数と輸送距離の積)は同1.4%にとどまる。これにより、有償座席利用率(RPK÷ASK)は1.1pt減の80.2%となった。菊山氏によると、海外発の需要は前年度第4四半期で落ち込んだが、この第1四半期の結果や第2四半期の予約状況で見ると「着実に回復基調にある」という。
一方国内旅客事業は、旅客収入が同5.7%増の1239億円で好調。ASKは同0.7%増でほぼ変わらないものの、RPKは同5.5%増で伸びている。これは前述した10連休の影響もあるが、それ以外の期間も個人の旅行者を獲得できた結果が現われている。なかでも目立つのは若者層の伸びだそうで、「コト消費による需要の高まりを肌で感じる」(菊山氏)という。予約状況を見ると第2四半期も好調に推移しており、9月には羽田~福岡線へのエアバス A350-900型機の投入も控えて、今期の業績見通しは十分達成可能とまとめた。
関係悪化が連日報道される韓国線については、自社便の供給はむしろ増やしていて、需要は増えていると説明。また、韓国からのインバウンドは今年度初めから弱含みではあるものの、最近の関係性で需要が大きく動いているという印象はないという。加えて、韓国線は同社の事業の割合では小さいため、クリティカルな影響はないと説明した。