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2019年は会場拡大。「ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会」を5月10日~15日開催

音楽フェス「OTODAMA SEA STUDIO」ともタイアップ。元キマグレンのKUREIが記者会見で「LIFE」熱唱

2019年3月8日 記者会見実施

2019年5月10日~15日 開催

2019年も「ANAウインドサーフィンワールドカップ」が神奈川県横須賀市の津久井浜海岸と、三浦市の三浦海岸を舞台に行なわれる

 ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会実行委員会は3月8日、津久井浜海岸(横須賀市)と三浦海岸(三浦市)で行なわれる「ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会(Fly! ANA Windsurfing World Cup YOKOSUKA MIURA Japan)」の開催に関する記者会見を実施した。

 PWA(Professional Windsurfers Association、プロフェッショナルウインドサーフィン協会)と正式に契約を締結した大会として、2017年に国内24年ぶりのワールドカップとして開催し、2019年で3回目を迎えるもの。開催期間は1月30日に発表されており、5月10日~15日の6日間にわたって行なわれる。

 横須賀市の津久井浜海岸を会場としていた2017年と2018年の開催時から、三浦市も協力して実行委員会に参画してきたが、2019年開催は津久井浜海岸に隣接する三浦半島もサブ会場として主にイベントに利用。「横須賀大会」から「横須賀・三浦大会」へと名称も変更する。観客動員は2017年の3万人強から2018年は約4万9000人と伸長。2019年は6日間でのべ7万人を目指す。

 レースは30か国以上から最大96名が出場し、「スラロームレース」と「フォイルレース」を行なう。フォイルレースは2018年大会に男子のみで行なわれたが、2019年大会は女子も正式種目になる。

 一方、風の力を借りるウインドサーフィンという競技の特性に合わせ、“風待ち”などの空き時間にも楽しめるようさまざまなイベントを実施。津久井浜海岸では、横須賀で活動するアーティストを中心としたライブ、選手を間近に見られる観覧船の運航、三浦半島グルメを楽しめる飲食ブース、子供向けスペース、ウインドサーフィンやSUP(スタンドアップ・パドル)の体験会などを開催。

 三浦海岸エリアでは、世界最多の人数で同時にフラダンスを踊るギネス記録(従来の記録は2015年に伊良部大橋で行なわれた1509名)に挑戦するイベントや、子供を対象にANA(全日本空輸)の職業体験を行なえる「バーチャルフライト by ANA」などを開催。

 津久井浜海岸と三浦海岸の間は、NTTデータと群馬大学が共同開発した電動自動運転バス「e-COM10」で結ぶ。

 また、2019年で15回目を迎える「音霊 OTODAMA SEA STUDIO」ともタイアップ。2014年から三浦海岸で開催されているOTODAMA SEA STUDIOを、大会と連携して例年よりも早めの5月11日からスタートする。三浦海岸に1500名規模の特設ライブ会場を設置し、9月29日(5~6月と9月は土日祝のみ開催予定)まで実施する。なお、OTODAMA SEA STUDIO 2019には別途チケットの購入が必要。参加アーティストは3月下旬から4月上旬に第1弾の発表を予定している。

ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会の概要
OTODAMA SEA STUDIO 2019も連携して開催

 記者会見では、ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会実行委員会の役員がそろい、それぞれの立場から期待の言葉を述べた。

 ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会実行委員会 会長で横須賀市長の上地克明氏は、「競技会場の津久井浜海岸は、首都圏から近く、サイドショアが安定して吹いている、ウインドサーフィンに最適な場所。そこで引き続き、ワールドカップが行なわれることを誇りに思う。世界のトップアスリートが繰り広げる6日間の熱い戦いを会場までおいでいただき、ご覧いただきたい」との期待とともに、「今回から会場を隣接する三浦海岸まで拡大し、音楽フェス『OTODAMA SEA STUDIO』と連携して開催する。音楽とスポーツの融合、そこから生まれる新たなエンタテイメントにご期待いただきたい」と述べた。

ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会実行委員会 会長・横須賀市長 上地克明氏

 ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会実行委員会 副会長でANA 代表取締役社長の平子裕志氏は、「元々、ANAの社内提案制度であるANAバーチャルハリウッドから発案があったもので、今年3回目を迎えられた。特に2018年は、上地(横須賀)市長自らがサンセットライブでボーカルを務めて、オリジナルの曲まで披露した。観客も2017年の3万人強から、2018年が5万人弱まで大きく増えた。今年は7万名を」と期待の言葉を述べた。

 また、会見に同席した穴見知典選手が大分県国東市出身であることに触れ、「私も大分県出身で、同郷のよしみで個人的に応援させていただきたい」とエールを送った。

 ANAでは3~4月に機内プログラムで同大会のコーマシャルを流す予定。また、「ウインドサーフィンは欧州で人気のスポーツ。若干競技種目は違うが、東京オリンピックでも行なわれ、この先ますます人気種目になる可能性を秘めている。欧州から日本に来て、この大会に参加、もしくは見に来るお客さまを期待している。特に、つい先日(2月17日)羽田~ウィーン線を開設しており、ますます欧州と日本が結び付き、(欧州だけでなく)世界各地から日本に来て、このワールドカップを見ていただきたい」と、スポンサーを続けている理由を説明した。

ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会実行委員会 副会長・全日本空輸株式会社 代表取締役社長 平子裕志氏

 ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会実行委員会 副会長で京急(京浜急行電鉄)取締役社長の原田一之氏は、同社が進める総合経営計画に、エリア戦略の重点テーマとして「都市近郊リゾート三浦の創生」を掲げていることに触れ、「ウインドサーフィンワールドカップ開催は、マリンスポーツのメッカとして三浦半島の魅力を発信し、認識してもらう意味で、極めて大きな意味があると考えている。今年から大会名が横須賀・三浦大会になったが、マリンスポーツの素晴らしさを三浦半島全体で発信していく姿勢として効果があると考えている。また、江ノ島が東京オリンピック・パラリンピックのセーリングの会場になっており、2018年からセーリングワールドカップが行なわれている。マリンスポーツをきっかけとした地域活性化を図っていきたい」とコメント。

 交通事業者としては、「ANAさまが世界各国、日本各地から羽田空港へ。そして羽田空港から津久井浜、三浦海岸へは京急の電車を、ということで、日本の交通事業の素晴らしさをアピールする機会。我々も力の限り地域とともに頑張っていきたい」と意欲を示す。

 ちなみに、ウインドサーフィンワールドカップが開かれた2017年と2018年の大会期間中、最寄りの津久井浜駅は2016年と比較して約3割の乗降客数増が見られたという。「本当に静かな街の駅が大会期間中に活性化し、いろいろな人が出入りして、商店街の方もウインドサーフィンにちなんだパンやお弁当などを作ったり、イベントをやったりしている。乗降客が増えるのも期待しているし、羽田空港から津久井浜まで京急という公共交通機関を使って三浦半島に来ていただく取り組みを、もっと加速していきたい」との期待も示した。

ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会実行委員会 副会長・京浜急行電鉄株式会社 取締役社長 原田一之氏

 ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会実行委員会 副会長で三浦市長の吉田英男氏は、「津久井浜海岸と三浦海岸は一連の海岸。ウインドサーフィンワールドカップが開催される津久井浜海岸と連携してサブ会場として三浦海岸も活用。OTODAMA SEA STUDIOを早めに開いていただき音楽イベントも開催する。三浦半島の魅力をもっと伝えられるよう横須賀市とも協力して取り組んでいきたい」と話すとともに、現在開催中の「三浦海岸桜まつり」にも触れ、「そういったことも合わせて、地域の皆さまにもご協力いただいて成功させたい」と意欲を語った。

ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会実行委員会 副会長・三浦市長 吉田英男氏

 ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会実行委員会 監事で神奈川県横須賀三浦地域県政総合センター所長の鈴木宣男氏は、「神奈川の海では、本大会を皮切りとして、8月には2020年のオリンピックのテストイベントでもある『レディ・ステディ・東京』という大会、セーリングワールドカップシリーズの江ノ島大会がある。大きな国際大会が神奈川の海を舞台として繰り広げられており、神奈川県の黒岩知事も、これらを一体として県で盛り上げていこうと、いろんな場面でアピールしている」と県としての取り組みを紹介した、「マリンスポーツの魅力を通じて、この地の魅力が全国に、世界に発信され、ひいては地域全体のにぎわい、活性化につながれば」と期待を述べた。

ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会実行委員会 監事・神奈川県横須賀三浦地域県政総合センター所長 鈴木宣男氏

 ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会実行委員会 監事でJWA(日本ウインドサーフィン協会) 会長の長谷川浩氏は、「ウインドサーフィンは多岐にわたる競技があるが、ワールドカップで繰り広げられるスラロームレースは、名実もともに世界最速を競うもので、まずはスピードが一つの大きな見どころ。ただ、ずっと一方向に行くだけではなく、ブイ(浮標)をまわるときのカービングでも熾烈な争いがある。ウインドサーフィンのボードが水しぶきをあげてカーブしていく迫力が素晴らしい。見応えもある」と競技の見どころを紹介。

 一方で、「海の上で風の力を借りるスポーツなので、(ビーチに近い)手前の方で風が吹いてくれると一番ありがたいが自然任せ。そこで、ビーチに大きなサイネージを設置する。船にカメラを設置し、ドローンも飛ばして、映像をリアルタイムに切り替えながら面白いところを皆さまに見ていただいて楽しんでいただけるようにしたいと考えている。また、富士通さまの技術協力を得て、それぞれのボードにGPSを付け、レースの状況がどうなっているかを、映像と切り替えながらレース全体を見られる仕掛けをしている。遠くでなにをやっているのかな?という距離でも、臨場感のある競技をビーチで見ていただける」との取り組みを紹介した。

 また、「もっとたくさんの方にウインドサーフィンを知っていただきたいし、体験していただきたい。第1回目からウインドサーフィンの体験会を大会期間中にやっている、2018年は200名ほどに体験いただいた。2019年も行なうので、体験したい方は申し込んでいただきたい(横須賀市が受付)」と、ウインドサーフィンの普及に向けての思いを語るとともに、体験会への参加を呼びかけた。

ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会実行委員会 監事・特定非営利活動法人日本ウインドサーフィン協会 会長 長谷川浩氏

 続いて、大会に参加予定の穴見知典選手、山辺美希選手があいさつ。2018年にフォイルの21歳以下(ユース)の部門で世界チャンピオンとなった穴見知典選手は「PWAというウインドサーフィン界の大きなタイトルを日本で開催していただけることに感謝している。自分自身、昨年、一昨年とワールドカップを転戦しているので、この大会に出場してよい成績を残せるように全力を尽くしたい」、長谷川氏が「期待の新人」と話す山辺美希選手は「ホームの横須賀でワールドカップが開催されることをうれしく思うし、ウインドサーフィンを盛り上げて、日本中でメジャースポーツになれるように、自分が活躍してそのような存在になれるように頑張る」と、それぞれの意気込みを述べた。

穴見知典選手
山辺美希選手

 最後に、タイアップイベントとして5月11日から行なわれるOTODAMA SEA STUDIOを運営する音遊 代表取締役社長で、元キマグレンのKUREIことクレイ勇輝氏があいさつ。「新逗子駅の列車接近音として(キマグレンの)『LIFE』を使っていただいている。ANAさんには妹が現役CA(客室乗務員)として飛んでいる」と京急やANAとの縁を述べ、「OTODAMAとしては15周年を迎えるので、このような大きな座組みのなかで参加できるのはありがたい。三浦海岸での開催は3年目となるので盛り上げたい」とコメント。

 また、参加アーティストについては今回は発表していないが、「キマグレンは2014年7月に解散ライブを行なって4年になるが、最終日となる9月29日に、元キマグレンのKUREIとISEKIの2人でライブをできればと思っている」と明かし、「ANAウインドサーフィンワールドカップとともにスタートして、そんなゴールを目指して頑張りたい」と意欲を述べた。

 そして、「こういう空気感のなかで歌うのは非常にしんどい」と笑わせつつ、記者会見場で、新逗子駅の列車接近音としても使われているキマグレンの「LIFE」を熱唱した。

株式会社音遊 代表取締役社長 クレイ勇輝氏
元キマグレンのKIREIことクレイ勇輝氏が、ギターの佐藤嘉風氏、ヴァイオリンのマーティン・ジョンソン氏とともに「LIFE」を熱唱。