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「(仮称)ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会」実行委員会設立

8月26日に設立総会、2017年5月の開催を目指す

2016年8月26日 開催

 2017年に神奈川県横須賀市津久井浜においてウインドサーフィンのワールドカップを開催するための「(仮称)ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会」実行委員会が設立され、その設立総会が8月26日、東京・汐留のANA(全日本空輸)本社で催された。

東京・汐留のANA本社40階で、「(仮称)ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会」実行委員会設立総会が開催された

「ウインドサーフィンワールドカップ」はPWA(プロフェッショナル・ウインドサーファーズ協会)公認の、世界最高峰のワールドツアーで、欧州を中心に毎年10カ国程度を舞台に開催されている。日本では1984年~1993年に静岡県御前崎で開催されていたが、その後日本での開催はなくなり、現在に至っている。

 ワールドカップの日本誘致は、もともとはANAの社内提案制度「バーチャルハリウッド」において、ボーイング 767型機の機長を務める藤本太郎氏からの「ウインドサーフィンのワールドカップを開催したい」という提案から始まったものだという。

 社内で検討を進めたのち、JWA(日本ウインドサーフィン協会)に打診したところ賛同を得て、神奈川県横須賀市の津久井浜海岸が地形的に適地ではないかとの紹介があり、ANAとJWAに加え、横須賀市、神奈川県、そして沿線の私鉄である京浜急行電鉄も交えて検討を進め、三浦市もオブザーバーとして参加。

 そしてJWAが窓口となりPWAへと提案、2016年8月にPWAのツアーマネージャーが来日して津久井浜を視察したのち、「関係者の皆さまと協力して、ぜひ2017年とそれ以降の定期的なワールドカップの開催を実現したい」というメッセージがあり、それを受けて本委員会の設立となった。

「(仮称)ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会」実行委員会 役員

会長:横須賀市長 吉田雄人氏
副会長:全日本空輸株式会社 代表取締役社長 篠辺修氏
副会長:京浜急行電鉄株式会社 取締役社長 原田一之氏
監事:特定非営利活動法人 日本ウインドサーフィン協会会長 長谷川浩氏
監事:神奈川県横須賀三浦地域県政総合センター 所長 國重正雄氏

実行委員会設立総会終了後に説明会が開かれた
横須賀市長 吉田雄人氏

 委員会設立総会終了後には説明会が開かれ、委員長に選任された横須賀市長の吉田雄人氏から挨拶があった。吉田氏によると津久井浜での開催は「ほぼ内定」とのことで、開催時期は2017年5月の下旬を想定しているという。

「ウインドサーフィンは世界的に人気の高いスポーツであり、その大会を横須賀市で開催できることを大変ありがたいと思っている」と話し、ウインドサーフィンをはじめとしたマリンスポーツの普及促進、若年層のアウトドア志向の促進、横須賀/三浦半島エリアの活性化などを目的に、5年以上の継続開催を目指したいと主旨を説明した。

 津久井浜は金田湾の中心にあり、安定したサイドショア(横風)から、ウインドサーファーに人気の海岸だという。ウインドサーフィンには種目がいくつかあるが、ワールドカップでは「スラローム」というスピード感あふれる競技が行なわれ、地形的に観客もその様子を間近で楽しめるそうだ。

 また、大会開催に合わせ、ウインドサーフィンやSUP(スタンド・アップ・パドル)、シーカヤックなどさまざまなマリンスポーツを気軽に体験できるイベントを実施するほか、横須賀/三浦半島の食材を活かした飲食ブースや、地元で活動する団体などによるステージイベントを開催したいと話した。

 そして「津久井浜の地域の皆さまに喜んでいただいて、横須賀市民にもっと海に親しんで楽しんで、自然を味わっていただくきっかけとなる大会にしたい。さらにこの大会を外に発信して、横須賀が自然にあふれ、マリンスポーツが盛んで、住んでみたい、働いてもらいたいと思ってもらえるよう、その効果を三浦半島や周辺地域に広げて、全体のブランド力を高めていきたい。そのためには行政としても最大限のバックアップをしていきたい」と挨拶を締めくくった。

全日本空輸株式会社 常務執行役員 志岐隆史氏
京浜急行電鉄株式会社 専務取締役 田中伸介氏

 続いてANAからは、代理で出席した常務執行役員の志岐隆史氏が社内提案制度から始まった経緯に触れつつ、「ANAは海外にも路線を展開しているものの、欧州でのANAの知名度はまだまだというところがあり、欧州で人気の高いウインドサーフィンというスポーツを通じて社の認知度を高めていきたい。ANAは『挑戦』をモットーとしているので、2017年は確実に実行しつつ、さらに大きな大会に育てていきたい」と述べた。

 京浜急行電鉄からは、これも代理で出席した専務取締役の田中伸介氏が「私どもは羽田空港に電車とバスが乗り入れており、たくさんのお客さまに利用していただいている。三浦半島エリアは海も緑も食材も含めて本当に素晴らしい場所なので、世界から皆さんをお迎えして、送客し、エリアの活性化を図っていきたい」と、地域の交通インフラとして本大会に関わる意義を話した。

特定非営利活動法人 日本ウインドサーフィン協会会長 長谷川浩氏
神奈川県横須賀三浦地域県政総合センター 所長 國重正雄氏

 JWA会長の長谷川浩氏は、「JWAは日本で唯一のウインドサーフィン公式協会であり、愛好者人口を10倍にしたいという目的があり、その普及活動を全国で行なっている。そんななか2017年に日本でワールドカップ大会が開かれる、このような機会をいただけて大変感謝している。人的サポートなどしっかりバックアップして、大会成功に寄与したい」と意気込みを語った。

 神奈川県横須賀三浦地域県政総合センター所長の國重正雄氏は、「当センターは三浦半島エリアを担当しており、3月に半島4市1町と、三浦半島の魅力を最大化していこうというプロジェクトを立ち上げたばかり。2017年の大会を、1人でも多くの人に知ってもらって、多くの人に楽しんでもらえる、素晴らしい大会になるよう、三浦半島の活性化につながるよう精一杯努力していきたい」と挨拶した。