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2018年の「ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会」開催決定。横須賀市津久井浜海岸で5月10日~15日

2017年12月27日 発表

2017年に続き、2018年も「ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会」の開催が決定した

 ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会実行委員会は12月27日、2017年に引き続き、2018年5月に神奈川県横須賀市の津久井浜海岸で「ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会(Fly! ANA Windsurfing World Cup Yokosuka Japan)」を開催することを発表した。同日、実行委員会のメンバーである、ANA、京急(京浜急行電鉄)、NPO日本ウインドサーフィン協会、神奈川県、横須賀市、三浦市の代表が集まり、記者会見を開いた。

 2017年5月11日~16日に行なわれたANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会は、PWA(Professional Windsurfers Association、プロフェッショナルウインドサーフィン協会)と正式に契約を締結した、国内では24年ぶりとなるウインドサーフィンのワールドカップとして開催。その後、PWAと継続開催について協議を行ない、2018年の開催が決定したという。

ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会実行委員会 会長、横須賀市 市長 上地克明氏

 ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会実行委員会 会長で、横須賀市長の上地克明氏は、2017年大会について「3万人以上に来場いただくなど成功裏に終わることができた」とコメントしたうえで、2018年の開催決定を発表。2年連続の開催にあたり、「これをきっかけに、地域活性化を図っていくとともに、首都圏から近く、マリンスポーツに適した環境を有する津久井浜、三浦半島の魅力、ウインドサーフィンそのものの魅力について、国内外に発信していきたい」と意欲を示した。

 また、「本大会は、世界のトップアスリートの素晴らしい競技を観戦する機会を提供すること、マリンスポーツに触れていただくことをテーマに、さらなる魅力ある大会となるよう新たな企画を行なう。2017年大会は風がなくて待ち時間が多かったので、音楽イベントなどさまざまなイベントを企画しなければならないと痛感した。盛りだくさんで提供する」と話した。

ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会実行委員会 副会長、全日本空輸株式会社 代表取締役社長 平子裕志氏

 ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会実行委員会 副会長で、ANA代表取締役社長の平子裕志氏は、2018年大会の開催について「ANAバーチャルハリウッドから始まったこの企画が連続して2年目を迎えることができて喜ばしく思っている」とコメント。特に、新たに正式種目に加わる「フォイル」について触れ、「(羽根が)飛行機そのもの。素材もボーイング 787型機と同じカーボンを使っている。飛ぶような感触があることから、ウインドサーファーには『フォイルでフライトする』とも言われている。今度の日本のワールドカップから正式種目になる。弱い風でもレースができるのが特徴。ご期待いただきたい」と述べた。

 また、同大会に向けてのANAの取り組みとして、「かねてから地域貢献に注力してきたが、幅広い航空ネットワークを活かして、三浦半島、横須賀、日本と世界とをつなぐお手伝いをできればと考えている。そこでANAグループでは、大会を盛り上げるために、ダイナミックパッケージの『ANA旅作』で旅行商品として組み込んだり、専用のWebサイトで情報発信したり、国内線や国際線の機内誌、機内番組で告知したりなど、さまざまな場面で訴求していきたい。また、当社は2020年の東京オリンピック・パラリンピックのオフィシャルパートナーなので、この大会がセーリング種目への注目度向上に寄与できるものと期待もしている」と述べた。なお、コメントにあるANAによる特設サイトは、本日よりオープンしている。

ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会実行委員会 副会長、京浜急行電鉄株式会社 取締役社長 原田一之氏

 ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会実行委員会 副会長で、京急 取締役社長の原田一之氏は、「私どもの電車は品川から横浜、横須賀に入って三浦まで87kmの路線だが、私どもにとって三浦半島の海は非常に重要なエリア。実は2018年の2月に創立120周年を迎える。会社創立当初から、三浦半島という風光明媚で自然に恵まれて、海があって素晴らしいところに電車を通すのが創業時からの考え方。そのなかで、ウインドサーフィンの世界大会が開かれ、2回目に向かっているのは非常に喜ばしいことだと思っている」と、三浦半島で行なわれる同大会への思いを披露。

 その大会への取り組みとして、「三浦半島全体がセーリング、マリンスポーツのメッカだと、関東近辺で一番素晴らしいエリアだと、もっともっとアピールしていきたい。それを国内外に発信していくのが私どもの仕事だと思っている。京急の津久井浜駅は、普段は静かな駅で、乗降客も多くない。ただ、山側に行くとミカン狩りやイチゴ狩りができるなど自然に恵まれたエリア。そして一歩出ると海がある。そのような場所。地元の方と一緒に大会を盛り上げていきたい」とした。

ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会実行委員会 副会長、三浦市 市長 吉田英男氏

 ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会実行委員会 副会長で、三浦市長の吉田英男氏は、「(2017年大会を受け)もっと盛り上げられたのではないかといった検討をした。マリンスポーツの体験会開催や、地元の協力を得てもっと盛り上げる取り組みをしていく予定。横須賀市、三浦市の市境はあるが、一体で取り組んで行きたい。日本全国、世界各地から皆さまがおみえになるので、おもてなしの心でお迎えしたい」と、横須賀市と協力して盛り上げていく姿勢を示した。

Professional Windsurfers Association チェアマン ジミー・ディアス(Jimmy Diaz)氏

 会見では、PWAのチェアマンであるジミー・ディアス(Jimmy Diaz)氏からのビデオメッセージも上映され、「横須賀津久井浜海岸をウインドサーフィンの適地たらしめているサイドショアウインドに期待している」など、第2回目開催の盛り上がりに期待を寄せた。

会見の出席者。左から順にプロセイラー 須長由季選手、ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会実行委員会 監事、神奈川県 横須賀三浦地域県政総合センター 所長 鈴木宣男氏、同副会長、三浦市 市長 吉田英男氏、同副会長、全日本空輸株式会社 代表取締役社長 平子裕志氏、同会長、横須賀市 市長 上地克明氏、監事、特定非営利活動法人日本ウインドサーフィン協会 会長 長谷川浩氏、プロセイラー 国枝信哉選手

 大会が開催される横須賀市の津久井浜海岸は、津久井浜駅から徒歩8分で、都心からアクセスがよく、年間を通じてサイドショアという海岸線と平行して風が安定的に吹く、日本でも有数のゲレンデと言われているとのこと。ただ、2017年大会は風を待つ時間が多くなったため、風を待つ時間にも楽しめるようさまざまなイベントを企画。

 2018年大会では、音楽ライブステージや、女性向けのビーチヨガ・ピラティス体験、インスタグラマーと出会えるInstagramイベント、応援機運を盛り上げる応援フェイス・ハンドペイントのイベントなどを実施。Tシャツやドリンクボトルなどの公式グッズの販売も検討している。

 また、前回大会同様、ウインドサーフィンやSUP(スタンドアップパドル)の無料体験、海の上から観戦するチャーター船の運航、ANA航空券や観音崎京急ホテルSPASSOペア施設利用券&ランチチケットなどが当たるプレゼント大会、ANAのパイロットやCA(客室乗務員)、京急の車掌の制服などを着て写真を撮れる子供向けイベントなども行なう。

 このほか、大会開催前にもマリンスポーツ体験などを行なう予定で、春休みやゴールデンウィークの実施を検討しているという。

ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会 2018年開催概要

開催期間:2018年5月10日~15日(6日間)
会場:津久井浜海岸(神奈川県横須賀市津久井浜1丁目)
主催:ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会実行委員会
公認:PWA(Professional Windsurfers Association)
特別協賛:ANA
協賛:京急、アサヒビール、大栄不動産、近畿日本ツーリスト
開催内容:
(1)レース:世界トッププロ選手(最大96名出場)によるスラロームレース
(2)大会期間中イベント(予定):マリンスポーツ体験会、飲食・物販ブース、協賛企業ブース、ステージイベント(音楽など)

 ちなみに、2018年のANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会は、ワールドツアーの第1戦目として開かれ、スラロームとフォイルの2競技が行なわれる。会見に同席した、プロセイラーの国枝信哉選手は、スラロームについて「もっともスピードが出るウインドサーフィンで、スピードを競い合うことと、スキーやスノーボードのようにカービングを使ったマーキングの技術があるので、その2つに注目してほしい」と説明。

 また、新たに正式競技に加わるフォイルについて、「水中に飛行機の翼が入っていて、より風が弱くてもスピードが出るように設計されているフォイルという新しい競技が行なわれるので、ぜひ注目してほしい」と話したほか、2017年に風待ちが多かったことを受け「スラロームは風速4mないとできないが、フォイルは2.5m程度でもできる。正式種目になったことで多くの選手が集まり、もっと盛り上げられると思う」と期待を寄せた。

 このほか、2017年ではビーチから遠い、競技している選手が分かりにくいなどの指摘があったことに対し、地元漁業組合の協力を得て、ネットをかけることでビーチに近いエリアの海草の背を低くする取り組みや、大型ビジョンの設置、センサーを利用して観戦者にも選手が分かるよう取り組みを進めている。このセンサーについては、耐水性や性能が競技に適応できるかに課題があり、現在、大手通信機器メーカーなどと検討しているという。

2018年の「ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会」告知パネル
新たに正式種目となる「フォイル」。水中に飛行機の翼のような羽根があり、風が弱くてもスピードが出るという