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神奈川県知事らが「城ヶ島西部地区再整備方針」発表。「城ヶ島京急ホテル」建て替えや「城ヶ島大橋」無料化など
2018年11月14日 13:21
- 2018年11月13日 実施
神奈川県、三浦市、城ヶ島区、京急(京浜急行電鉄)は11月13日、「城ヶ島西部地区再整備方針」が決定したことについての会見を神奈川県庁新庁舎にて行なった。
会見には神奈川県知事の黒岩祐治氏をはじめ、三浦市長の吉田英男氏、城ヶ島区長の加藤治彦氏、京急 取締役社長の原田一之氏が登壇。4者が連携して城ヶ島西部地区の魅力向上を図りながら再整備を推進していくことが発表された。
「新たな観光の核づくり事業」に取り組んできた城ヶ島・三崎地域
まずは冒頭で神奈川県知事の黒岩祐治氏が、「城ヶ島は、神奈川県が進める『新たな観光の核づくり事業』の構想地域の第一号として平成24年(2012年)に認定されて以来、自治体や民間事業者などが一体となってさまざまな観光政策に取り組んできた。この間、城ヶ島を訪れる観光客も着実に増え、地域に賑わいや活気が出てきている」と評価。
「そうしたなかでこのたび、城ヶ島西部地区全体の再整備、さらに城ヶ島の中心施設とも言うべき城ヶ島京急ホテルの建て替えの方針が地元協議会の総意により決定に至ったということは、よい流れをさらに大きく進展させる起爆剤になると期待している」とコメントした。
続いて三浦市長の吉田英男氏からは、「平成24年には91万人まで落ち込んだ城ヶ島の観光客数は、平成29年(2017年)には140万人まで増えている。具体的には西側地区の釣り堀(J'Sフィッシング)やレンタサイクルの整備、ハイキングコースの整備などが着実に行なわれてきており、これらは県の支援で実現したもの」と具体的な説明があった。
中央広場などの拠点整備や商店街の景観整備
今回発表された再整備方針は大きく2つ。1つ目は“活力ある城ヶ島を子や孫に残す”というコンセプトで策定した城ヶ島整備景観ビジョンだ。これは「島の駅エリア」「中央広場」「長津呂の磯エリア」という3つの拠点ポイントを整備し結ぶことによって観光客の滞留性を高めようというもの。そのなかには、現在シャッター通りとなってしまっている商店街を縦格子の和モダンなイメージで統一していこうという計画もあるという。
三浦市長の吉田英男氏は、「城ヶ島は自然環境と広大な景観資源に恵まれた三浦市の主要な観光拠点。ターゲットとしてインバウンド需要も含めた取り組みをしながら将来を見据えた観光地づくりに取り組んでいきたいと思っている」と説明した。
築53年が経過した「城ヶ島京急ホテル」を建て替え
2つ目の取り組みは三浦半島最南端に建つ「城ヶ島京急ホテル」の建て替えだ。これについて京急 取締役社長の原田一之氏からは、「客室や露天風呂から見える雄大な相模湾を一望できる景色が自慢のホテルで、遠くに伊豆・箱根の山並みを望むロケーションは一番の魅力。三崎のまぐろに代表される新鮮な海の幸がレストランでも好評で、ここは私どもの『三崎まぐろきっぷ』を使える店舗の一つでもある」と紹介。
しかし1965年(昭和40年)の開業から53年が経過しているということで、「現在の状況は好ロケーションなどを活かしきれていないのが現状。数年前から社内でも建て替えの検討をしていた。城ヶ島エリアのブランド向上と質の高いサービスにつながる建て替えを実現したい」と意欲的にコメントした。
建て替えは2022年を目標としているが、具体的な時期は現段階では未定。商店街などほかの再整備方針になるべく合わせたいとのこと。ただし、いったん建物を取り壊しをしてからの建て替えになるので、一時的な休業期間がでることになる予定。現在「城ヶ島京急ホテル」は、埼玉や栃木など“海なし県”からの修学旅行生などの利用も多いという。