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ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会、開催前の記者会見に国枝選手や須長選手も出席

5月11日~16日まで津久井浜海岸で開催。2016年世界ランク1位の選手も参戦

2017年5月10日 実施

2017年5月11日~16日 開催

「ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会」の開催前日の5月10日、横須賀市役所で記者会見が開かれた

 5月11日~16日まで神奈川県横須賀市の津久井浜海岸で開催される「ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会」を前に、横須賀市役所で記者会見が5月10日に開かれ、出場選手や主催者、協賛企業の代表者などが出席した。

「ウインドサーフィンワールドカップ」は「PWA(Professional Windsurfers Association)」公認の世界最高峰のワールドツアー。日本では1993年に静岡県の御前崎で開催されて以来、24年ぶりとなる。

 同大会の日本誘致の経緯は既報のとおり、ANA(全日本空輸)の社内提案制度「ANAバーチャルハリウッド」が発端。特別協賛企業として参画し、ウインドサーフィンの普及、地域の活性化に加え、欧州での知名度が高い同大会へのスポンサードにより欧州でのANAの認知度を高めることも狙いとしている。

記者会見は横須賀市役所で実施された

ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会

開催期間:
2017年5月11日:13時~17時
2017年5月12日~15日:10時~17時
2017年5月16日:10時~15時(表彰式・閉会式は16時~)
観覧料:無料
会場:津久井浜海岸(神奈川県横須賀市津久井1丁目)
アクセス:京急 津久井浜駅から徒歩8分、三浦海岸駅から無料シャトルバスを大会期間中20分間隔で運行
Webサイト:ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会
実施イベント:
・ウインドサーフィン&SUP無料体験会
 事前申し込みが必要。5月11日~16日の期間、10時からと13時30分からの1日2回実施。
・三浦半島グルメフェス
 三浦半島の地産地消メニュー、「よこすか海軍カレー」などのご当地グルメや、ワールドカップにちなんだ各国のご当地グルメを提供。
・ANA/京急の制服体験コーナー
 特別協賛企業のANA(全日本空輸)、協賛企業の京急(京浜急行電鉄)の協力で、イベントブースに子供向けの制服体験コーナーを設置。
・海上から競技を見られるチャーター船の運航
 10時30分~11時30分、12時30分~13時30分、14時~15時の1日3便運航。乗船料は500円(未就学児無料)。乗船申し込みは会場内三浦海岸側インフォメーションで受け付け。
・大プレゼント大会
 抽選でANA札幌往復ペア航空券や大阪往復ペア航空券、観音埼京急ホテルペア宿泊券などが当たる抽選会を実施。総合インフォメーションで専用応募用紙を使い申し込む。

「ウインドサーフィンをよりメジャーに」主催者や選手が大会への期待をコメント

大会実行委員会の会長を務める横須賀市長 吉田雄人氏

 記者会見では実行委員会の会長で、横須賀市長の吉田雄人氏から「今回の大会には27カ国、87人の選手が参加します。世界のトップアスリートのスピードや迫力を会場で生でご覧いただければ」とコメント。

 日本人選手も、横須賀を練習拠点とする国枝信哉選手や須長由季選手をはじめ20名が参加。ウインドサーフィンはレースが風の有無に左右されるため、競技本部が風の状況を判断してスタート時間を決定する。

 詳しいスタート時間などは大会公式Facebookなどで随時告知していくといった説明があった。「横須賀市としては、このウインドサーフィンのワールドカップが、市民にとっても市外のお客さまにとってもマリンスポーツが楽しめる街だと認識されるよう期待しています。大会中の来場者数の目標を3万人に設定しています。来年度以降も開催できるよう、成功に向けて取り組んでいきたいです」と語った。

全日本空輸株式会社 代表取締役社長 平子裕志氏

 続いてANAの平子裕志社長は「今回の提案はANAの社員が業務を離れて自分の夢を実現できる『ANAバーチャルハリウッド』というプログラムで2015年に起案されたものです。大会名にANAの冠が付いたことを大変誇らしく思っています」と経緯を説明しつつ挨拶。

「2020年にはオリンピック・パラリンピックも開催されますが、ウインドサーフィンも開催種目の1つ。この大会の成功が2020年の成功につながるよう祈りたい」とオリンピック・パラリンピックのオフィシャルパートナーとして応援する姿勢を表わした。

「ウインドサーフィンも航空機も風を味方にしている。明日からの本戦では、ぜひよい風が吹いて大会が盛り上がり、ウインドサーフィンの人気の追い風になってほしいです」と締めくくった。

自身も選手として参加しているProfessional Windsurfers Association会長のジミー・ディアス氏

 PWA会長のジミー・ディアス氏は、「24年ぶりにやっと日本で大会が再開できて非常にうれしいです。日本はウインドサーフィンのなかでも重要な場所で、ウインドサーフィン界の人々は皆喜んでいます。2020年のオリンピックに向けて、今後も横須賀市と協力していきたいです」とコメントした。

記者会見に出席した各選手も一言ずつコメントした

 2016年PWAスラロームランキング男子1位のマッティオ・イアチーノ選手は「日本に来るのは2回目です。明日のコンディションを楽しみにしています。しっかり準備して明日の競技に取り組みたいです」、2016年ランキング女子1位のサラ・キタ・オブリンガ選手は「私はカリブ海のアルバという小さい国の出身で、日本に来られたのは信じられない思いです。日本には速い選手もいるので緊張していますが、大会を楽しみにしています」とそれぞれ語った。

2016年PWAスラロームランキング男子1位のマッティオ・イアチーノ選手。2016年の新チャンピオンになった若手のホープ
2016年PWAスラロームランキング女子1位のサラ・キタ・オブリンガ選手。コーナリングのスピードの速さが特徴で、そのほか2種目でもチャンピオンになっている

 国内からは国枝選手が「ウインドサーフィンというスポーツは風の力を使って海の上を自由自在に走り回るが、日本人のほとんどの方はその素晴らしさを知らないと思います。この大会をきっかけにより多くの方にウインドサーフィンの素晴らしさと津久井浜の風の素晴らしさを伝えられたら」、そして「ワールドカップを行なうことで日本の素晴らしさも世界に伝えたいです。選手として活躍することは当然ですが、この大会を大成功で終えることを心から望んでいます」と語った。

 須長選手は「私がウインドサーフィンを始めたときには、もう日本国内でワールドカップは実施していなかったので、映像や写真でしか知りませんでした。それが自分が現役の間に再開されて、自分が普段練習しているホームの津久井浜、横須賀で開催されるのは本当にうれしいし、今でも信じられない思いです。

 2016年のランキングは6位でしたが、今季の開幕戦となった韓国での大会では(風の影響で)1レースしかできず7位という成績で悔しい気持ちがあります。今回の横須賀大会では今のところよい風の予報が出ているので、もっとたくさんレースができると思います。津久井浜で普段練習している意地が見せられるように、精いっぱい頑張りたいです」と語った。

2016年PWAスラロームランキング男子62位の国枝信哉選手
2016年PWAスラロームランキング女子6位の須長由季選手

「ANAバーチャルハリウッド」からの2年がかりの発案が形に

今回の起案者であるANAの藤本太郎氏

 今回の大会誘致のきっかけとなった「ANAバーチャルハリウッド」での起案者であり、ボーイング 767型機の機長を務めるANAの藤本太郎氏もコメントを求められ、「ちょうど2年前に社内の提案制度を利用してウインドサーフィンのワールドカップを日本に再誘致する活動を始めました。

 それ以降、横須賀市にご賛同いただき、京浜急行をはじめとする協賛企業のご協力、なにより地元の方々のご協力を得てついに明日から大会が開催されるところまでこぎ着けました。この場を借りて皆さんに感謝を申し上げたいです。この大会開催をきっかけにウインドサーフィンの愛好者が増え、これが横須賀市の大きなお祭りになってほしいです」と語った。

 ANAにはウインドサーフィン部があり、30名ほどが所属。月1回練習日を設けているという。藤本氏はまだ日本でワールドカップが実施されていた26年前にウインドサーフィンを始めたそうで、これをきっかけに再びウインドサーフィンの盛り上がりを期待しているとのこと。「ANAバーチャルハリウッド」には毎年20案件ほど提案があるそうだが、そのうち数件が実施に至っている。今大会の実施までは苦労も多かったとのことだが、企画や各機関との折衝などは普段パイロットとしては行なわないことで、とてもよい経験になったと語っていた。