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FLIGHT OF DREAMS(フライト・オブ・ドリームズ)開業前日式典。ボーイング 787初号機を展示する複合商業施設がついに10月12日オープン
2018年10月11日 15:55
- 2018年10月11日 実施
- 2018年10月12日 開業
セントレア(中部国際空港)は10月11日、開業を翌日に控えた複合商業施設「FLIGHT OF DREAMS(フライト・オブ・ドリームズ)」に関係者を招き、記念式典を実施した。
FLIGHT OF DREAMSはボーイング 787飛行試験1号機「ZA001」の実機展示を中心に、チームラボが手掛けたさまざまな体験型展示や、ボーイングの地元シアトルのグルメなどが楽しめる施設で、10月12日にいよいよ開業日を迎える。施設内の展示や飲食・物販については、すでに別記事で詳しく紹介している(関連記事「セントレア、ボーイング 787初号機を展示する複合施設『FLIGHT OF DREAMS』公開。体験エリア『FLIGHT PARK』を紹介」「セントレアのボーイング 787展示施設『FLIGHT OF DREAMS』でシアトルグルメ満喫。約1万円のハンバーガーも」)。
式典で登壇した中部国際空港 代表取締役社長の友添雅直氏は、FLIGHT OF DREAMSの開業までを振り返り、平坦な道のりではなかったが「セントレアの新しいチャレンジを、ボーイングや協賛企業をはじめとした皆さまに支えられてここまで来た。FLIGHT OF DREAMSは、私たちと皆さま共通の夢をこの施設を訪れる国内外の利用者に伝え、大空を飛ぶように広がっていくことを願っている」と開業の喜びを表現。
駐日アメリカ合衆国大使館 特命全権大使のウィリアム・F・ハガティ氏からは「ショッピングモールの中で旅客機が見られるとは驚くべきこと。しかし注目すべきは背後にある物語で、ボーイング 787型機の35%は日本で製造されており、主翼や中央翼など多くがこの中部で作られている。そしてこのZA001を見ると、ここからそれほど遠くない場所で作られている(日本の)国産リージョナルジェット機『MRJ』を思い起こさせる。MRJはエンジンやアビオニクス(航空機向け電子機器)などに米国産の部品を多く採用している。こうした事業は日本と米国、どちらにも有益なパートナーシップになっている」と中部地方の航空産業にも言及した祝辞が述べられた。
国土交通大臣政務官の工藤彰三氏と愛知県知事の大村秀章氏に続いて、ボーイング ジャパン 社長 ブレット・ゲリー氏が登壇。
「皆さんの前にあるZA001は、ボーイングの社員にとっては特別な機体。2009年に行なった初フライトのことは多くの社員が覚えているはず。その初号機が、もっともふさわしい場所に落ち着くことができた。この機体は日米のパートナーシップの象徴でもあるが、ボーイングと日本の皆さんとのパートナーシップの象徴でもある」と初号機を紹介し、「ANA(全日本空輸)やJAL(日本航空)らによって、世界中でもっとも多くの787型機が使われている日本。そのなかでも多くの部品を製造している名古屋地区へ里帰りできた。ZA001はもう大空を飛ぶことはないが、とても重要な新たな使命を与えられた。それは、航空産業や航空宇宙分野へ人々の関心を高めることだ。こうしてキレイに展示されているZA001を見て、必ずその使命を全うできると確信した」とあいさつした。
ANAHD(ANAホールディングス)取締役副会長の篠辺修氏はANAとボーイング 787型機、自身と787型機について振り返り、「大橋社長時代に機種選定を行ない、次の山元社長時代にロールアウトセレモニーを実施、伊東社長時代に初号機の受領、その次の社長は私で、胴体を延長した787-9型機の運航を始めた。現在は平子社長だが、2019年にさらに胴体を延長した787-10型機を導入するという具合で、社長ごとにさまざまなイベントがあった」と述懐。自身については、「社長になる前にボーイング 787導入プロジェクト長だったこともあり、2007年7月8日に実施したロールアウトセレモニーにも立ち会った。787型機だからこの日を選んだらしい」と当時のエピソードを披露、整備出身の篠辺氏は「11年ぶりに近くで見たが、大変懐かしい」と感慨深げに思い出を述べた。
シアトル市 副市長のシェファリ・ランガナサン氏は、「こうして787の傍らに立って、シアトルになじみ深い飲食店があるのを眺めると、シアトルにいるような錯覚を感じる。FLIGHT OF DREAMSで皆さんがシアトルに関心を持ち、実際に787に乗ってシアトルを訪れることを期待している」とあいさつ。
JAL 副会長の大川順子氏は、「飛行機のそばに立つと自然と気持ちがわくわくする。多くの人がそんな気持ちになれる施設ができたことをうれしく思う」と述べ、同社が次世代を育成するために行なっている取り組み「空育」を紹介しつつ、FLIGHT OF DREAMS内でJALが協賛する2つのコンテンツを紹介した。1つは紙ヒコーキをその場で折って飛ばすと、光と音の演出が加わる「奏でる! 紙ヒコーキ場」。もう1つはパイロットやCA(客室乗務員)の制服を着用して空港や機内の仕事を仮想体験できる「エアラインスタジオ」。「どちらも子供だけでなく大人も、そして外国の方も楽しんでいただけるはず。これからのセントレアが、空港自体を楽しめる場所として愛されるよう、我々も全力で取り組む」と決意を示した。
最後に登壇したチームラボ 代表の猪子寿之氏は、「2001年の創立以来、アートやサイエンス、クリエイティビティの境界を越えてデジタルアートの新しい枠組みを作り上げ、『集団的創造』をコンセプトに活動してきた。FLIGHT OF DREAMSでは航空機をテーマにした体験型コンテンツ『FLIGHT PARK』を作る手伝いをしているが、来場者が見て、体感して学び、楽しむことができる施設を目指している。航空機の実物が展示されているだけでも魅力的だが、そこにデジタルテクノロジを加えてここでしか体験できないものになった」と同社のプロデュースワークについて言及した。
最後は関係者が登壇して鏡開きを実施。明日からの盛況を願った。FLIGHT OF DREAMSは明日、2018年10月12日に開業する。