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セントレア初の将棋イベント「開港14周年記念『セントレア将棋フェスティバル』」開催
チャーリィ古庄氏が案内する撮影スポット見学ツアーや就航地の物産品販売なども
2019年2月18日 11:35
- 2019年2月17日 開催
セントレア(中部国際空港)は2月17日、2005年2月17日の開港から14周年を迎えたことを記念して、開港記念イベントを実施した。
2019年の記念イベントでは、日本将棋連盟、日本将棋連盟東海普及連合会らによる将棋大会「セントレア将棋フェスティバル2019」を開催。セントレアは新ターミナルビルの整備や、現ターミナルビルの一部リニューアル、国際線旅客便数が過去最高となるなど、「未来に向けての変化を遂げている」ことから、新たな空港活用の事例として、日本の伝統文化を伝える目的で、同港初の大規模な将棋大会を実施することになったもの。
イベントには、斎藤慎太郎王座、日本将棋連盟会長の佐藤康光九段、同常務理事の森下卓九段、史上最年少でプロ棋士となってからの快進撃で話題を集める藤井聡太七段の師匠である杉本昌隆七段ら、10名のプロ棋士・女流棋士が参加。指導対局や、ステージ上での公開対局、トークショーなどを実施した。
開催にあたってあいさつした将棋連盟会長の佐藤康光九段は、セントレアや東海・中部地区に対して、「(セントレアには)初めてきたが、大変きれいな施設で、インバウンドの方も評判もよく、中部の発展に重要な拠点として、ますます栄えていただけばと祈念している。また、中部地区は将棋の盛んな地域。藤井聡太七段が愛知県のご出身ということで、昨日(2月16日)は全棋士参加の朝日杯将棋オープン戦で優勝を遂げられ、より東海地区の将棋熱もたいへん高まっているのでは」と印象を語った。
そして、訪れた人に向けて、「空港でのイベントは我々もほとんど経験がないが、将棋を知っている方は将棋自体の中身を楽しんでいただきたいし、さまざまなイベントを準備しているので、将棋を知らない方も今日をきっかけに将棋に触れていただければ。ぜひ身近に将棋の面白さを感じていただきたい」と呼びかけた。
セントレア将棋フェスティバスのなかで開かれたプレゼントイベント「セントレア大抽選会」は、事前に600枚の抽選番号券を配布。長蛇の列ができ、全員に券が行き渡らないほどに。後述のトークショーで斎藤王位は「588番なんて番号がイベントで呼ばれるんだ、と驚いた。(多くの人が来場して)ありがたい」と感想を話すほど人気を集めた。
参加各棋士が揮毫した色紙は、それぞれの棋士が番号札を引いて当選者を決定。セントレアオリジナルグッズの抽選は中部国際空港 代表取締役社長の友添雅直氏が務めた。その後、藤井聡太七段の扇子が賞品に登場すると「抽選に本人登場!?」と一瞬会場がざわつく場面もあったが、こちらは佐藤会長が当選者を決定した。
そして、最後にエアアジア・ジャパンからぬいぐるみなどが入ったグッズやクーポンの詰め合わせセットがサプライズ賞品として150名にプレゼントされることが発表され、下一桁の数字3種類を抽選した。
この大抽選会に臨席した中部国際空港 代表取締役社長の友添雅直氏は、「皆さまご存じのとおり、愛知県が生んだ藤井聡太さんの活躍で、愛知、東海における将棋熱が盛り上がっている」とコメントし、そのなかでのイベント開催に喜びと感謝の言葉を述べ、今回初開催となる同イベントの「今後の発展」にも期待を示した。
そして、14周年を迎えたセントレアについても、「セントレアは今年新しいステージに入る。昨年(2018年)にはFLIGHT OF DREAMSという新しい施設ができた。今年後半にはLCCターミナルができる。LCCがどんどん増えてくると皆さま方にも便利になると考えている」と、同空港発展への意気込みも示した。
大抽選会に続いてステージで行なわれたトークショーには、斎藤慎太郎王座、佐藤康光九段、杉本昌隆七段が参加。愛知県出身の藤井聡太七段や、豊島将之二冠(王位・棋聖)らの活躍で愛知県や東海地方での将棋熱が高まっていることが話題に。
自身も愛知県出身の杉本昌隆七段は、「今日は久しぶりに名前で呼んでいただいた。『藤井の師匠』みたいな感じで、なかなか名前で呼んでいただけない」と笑わせつつ、対局当時話題となった直接対決の際の裏話などを披露した。
佐藤九段は、2月16日に藤井七段が朝日杯将棋オープン戦で優勝し、最年少連覇を達成したことを取り上げ、「号外が出たので、今日持ってきた」とポケットから出した朝日新聞の号外を披露。「将棋で号外が出ることは珍しい。関心を持っていただけているということなので本当にありがたい」とコメント。藤井七段の活躍については、「(将棋熱の高まりに対する)藤井さんの貢献は大きい」と話すとともに、今期好調の渡辺明棋王を破っての優勝に「本当に強いと思った。いつタイトル戦に登場するか楽しみ」と舌を巻いた。
このほか、セントレアでのイベントということで、司会者が3名に旅についても質問。杉本七段は「東北や九州などへ仕事で足を伸ばす。イベントやトークショーに呼んでいただくケースが増えた」と紹介。
奈良県出身で、現在は大阪に住むという斎藤王座は「(旅は)結構好きで、最近は一人で旅をしようと思い立って行くようになった。日帰りで行ける京都や、奈良に行こうと思い立って当日に行ったりする。お寺を巡るなどのんびり過ごすのが好き」と紹介。
一方で、名古屋への旅行については「旅行では来たことがないが、仕事で今年も複数回来ており、続々と名古屋からの仕事のご依頼もある」とコメント。「実は名古屋は食事が自分にめちゃくちゃ合う。赤味噌が好きなので、名古屋の食事はだいたい好き。うなぎ好きだし、きしめん好きだし。自宅には赤味噌を常備している」と名古屋グルメへの愛を熱く語った。
海外旅行については経験がなく、大阪在住ということでセントレアを訪問する機会もなかったそうだが、「街のような空港内で驚いた。旅行を兼ねて利用したい」と話した。
佐藤九段は、「15年ぐらい前までは海外によく行っていた」と話し、20~30か国ほど行っているそう。また、「将棋では海外対局もあり、ヨーロッパ、アジア、アメリカで対局させていただいたこともある」と紹介。
司会者から「将棋ブームも海外に広がればよい」との問いかけに、「2017年にポーランド出身の女流棋士(カロリーナ・ステチェンスカ女流1級)が誕生した」と紹介し、期待を寄せた。
このセントレア将棋フェスティバルの中心会場となったセントレア4階スカイタウンの「SORAビジョン」前のイベントプラザでは、このほかにセントレア便就航地である全国各地の物産品を販売する「就航都市フェア」を実施。北海道以外では食べられる機会が少ないという石屋製菓の「白い恋人ソフトクリーム」に長蛇の列ができるなど、多くの人が買い物を楽しんでいた。
また、そのイベントプラザの目の前にあるセントレアオフィシャルショップ「SORA MONO」では、セントレア開港14周年記念グッズを販売。「ピンバッチ(大)」(1500円、限定300個)、「ピンバッチ(小)」(648円、限定500個)、専用機での刻印が可能な「メダル」(600円、限定1000個)などが並んだ。
チャーリィ古庄氏が案内するセントレア公式SNSファン向けの空港見学ツアー
開港14周年記念イベントでは、事前にSNSで募集したファンが参加した「スペシャル見学ツアー」も実施。これはセントレアが情報発信を行なっている公式SNSのファンを対象としたもので、事前にSNSで参加者を募集。定員に対して30倍を超える応募者数のなかから抽選で選ばれた16名が参加した。
見学ツアーは航空写真家のチャーリィ古庄氏と、セントレアのSNS担当者が案内するおすすめスポットめぐり。セントレアが日ごろから実施している「セントレアまるわかりツアー滑走路見学コース」と、ターミナル内の見学を組み合わせたものとなった。
滑走路見学では、滑走路を周回する道をバスで巡り、ターミナル向かいの降車ポイントではバスから降りて見学。この日は降車ポイントに向かう滑走路のエンド地点で飛行機の着陸もあり、降車後にはセントレア路線で運航便の多いボーイング 737シリーズ以外に、大韓航空のエアバス A220-300(CS300)型機、カリッタ・エアのボーイング 747-400F型機、香港エクスプレスのエアバス A320neo型機、ANAのボンバルディア Q400型機、キャセイパシフィック航空のボーイング 777-300ER型機などバリエーション豊かに飛行機が離着陸。参加者を楽しませた。