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デルタ航空、最新客室のエアバス A350-900型機やボーイング 777-200ER型機を日本に本格導入
実際に搭乗した秋本俊二氏とチャーリィ古庄氏によるトークショーも
2018年9月28日 00:00
- 2018年9月27日 実施
デルタ航空は9月27日、都内で旅行代理店などを対象に「ニュープロダクトセミナー」と題して、同社の最新サービスを紹介するセミナーを実施した。エアバス A350-900型機やボーイング 777-200ER型機を2018年度下半期から続々と東京発着の太平洋路線に投入する予定となっており、それらの最新客室やサービスの紹介が行なわれた。
デルタ航空では、個室型ビジネスクラスの「デルタ・ワン スイート」や、同社初の本格プレミアムエコノミー「デルタ・プレミアムセレクト」を搭載したエアバス A350-900型機を、2017年10月30日に成田~デトロイト線に導入している。約1年間を経て、東京発着の6路線中、5路線に順次導入することになった。
導入するのは、エアバス A350-900型機と、同じ客室仕様のボーイング 777-200ER型機。11月2日に羽田~ミネアポリス線に777-200ER型機、2019年3月2日に成田~アトランタ線に777-200ER型機と、成田~シアトル線にA350-900型機、2019年4月1日に羽田~ロサンゼルス線にA350-900型機を導入する計画となっている。
最新の客室仕様について同社 日本支社長 森本大氏は「デルタ航空は5年ほど前に太平洋、大西洋の全長距離路線に(他社に先駆けて)フルフラットシートを導入した。他社もフルフラットを導入しているが、デルタ航空は2巡目に行く。個室タイプのビジネスクラスと、本格的なプレミアムエコノミーを導入。自信を持って2巡目を紹介できる」と力を込めて紹介した。
最新客室のサービス
デルタワン・スイート(ビジネスクラス)
ビジネスクラスとなるデルタワン・スイートは、全席が通路に面したスタッガードタイプの配列に加え、開閉可能なドアを付けることで個室感を高めた作りが特徴。レイアウトは1-2-1の4アブレストで、中央の2席は中央の仕切り戸を開閉することで、個人旅行でも、2名での旅行にも対応できる。もちろんフルフラット化が可能で、サイドテーブルの脇にはPCやヘッドフォンも収納できる収納スペースを設ける。
アメニティはTUMI製で、往路ではソフトタイプのポーチ、復路ではハードタイプのポーチと種類を分けている。寝具にもこだわっており、ウェスティンホテルとコラボしたWestin Heavenlyの布団、枕、ランバーピロー(腰用の枕)を用意する。
2018年秋の機内食は「一汁二菜うえの」の上野法男シェフ監修の和食のほか、4種類のメインから選べる洋食メニューを搭乗後に提供。一汁二菜うえの監修メニューは、いつでも頼める軽食や、到着前の朝食でも用意される。
デルタ・プレミアムセレクト(プレミアムエコノミー)
従来はエコノミークラスよりシートピッチを広げた「デルタ・コンフォートプラス」を提供していたデルタ航空だが、最新客室ではシートもサービスも異なる本格的なプレミアムエコノミー「デルタ・プレミアムセレクト」を提供している。
フットレスト、レッグレストを備えたシートは、約96.5cmのシートピッチ。さらに、メインキャビン(エコノミークラス)が3-3-3の9アブレストであるのに対し、デルタ・プレミアムセレクトは2-4-2の8アブレストとシート幅にも余裕を持たせている。
ウェルカムドリンクや機内食、Westin Heavenlyの寝具やノイズキャンセリングヘッドフォンなど、ビジネスクラスに近いサービスを提供している。
機内食もエコノミークラスとは異なり、Alessiのテーブルウェアを使った本格的な盛り付けで提供する。
機内Wi-FiはLINEを含めたテキストメッセージは無料で利用可能
客室の紹介のあとには、米国の各空港の紹介や最新テクノロジの紹介が行なわれた。
機内Wi-Fiは早期から対応しているデルタ航空だが、2017年11月からテキストメッセージの送受信を無料化。Facebook Messanger、AppleのiMessage、WhatsAppのほか、LINEも無料で送受信できるという。
また、機内エンタメについては約70本の日本語対応ムービーを含むなど、日本人向けサービスを充実。シートモニターがない機材については、利用者が所有するスマートフォンなどを機内Wi-Fiに接続して映画などを楽しめるサービスも展開している。
このほか、大韓航空との協業についても触れ、大韓航空が就航している日本13都市から、仁川を経由して、米国10都市への乗り継ぎが可能であることを紹介。仁川はターミナル2が開業しており、こちらのターミナルであれば最短45分で大韓航空からデルタ航空への乗り継ぎが可能だという。日本にデルタ航空が就航していない北海道や西日本、九州などのエリアでは、このルートを使った米国渡航が便利だとアピールした。
秋本俊二氏とチャーリィ古庄氏が最新客室への搭乗体験トークショー
デルタ航空からのプレゼンテーション終了後は、エアバス A350-900型機で運航されている成田~デトロイト線に搭乗し、最新客室仕様の「デルタ・ワン スイート」と「デルタ・プレミアムセレクト」を体験してきたという、航空ジャーナリストの秋本俊二氏と、航空写真家のチャーリィ古庄氏によるトークショーが行なわれた。両氏のトークは、両氏の搭乗体験時の写真を話の種に、ときにほかの航空会社をイニシャルで引き合いに出すなど、かなりぶっちゃけなトークで笑いを誘いながら進行した。
デルタ・ワン スイートについて秋本氏は「たかがドア、されどドア。飛行機に乗っているときも仕事をするためにPCやノート、ペンなどをすべて出すが、収納スペースも広いので全部収まる。出しっぱなしは不安になるが、ドアが閉まるので安心」と評価。
さらに、普段はCA(客室乗務員)が通りかかったときに声をかけるという秋本氏だが、「ドアが閉まっているとCAが通るのが分からないので、コールボタンを押しまくった。あまり呼ぶと嫌がられるかと思って聞いてみたら、CAも『上から覗くわけにもいかないので、眠りたいのか、なにか飲みたいのか気配が分からない。どんどん呼んでほしい。そういうシート』だと。だから、デルタ・ワン シートに乗ったら、どんどん呼んであげて(笑)」とエピソードを紹介するとともに、「ホテルと一緒。CAを呼ぶのはホテルのルームサービス。いままでの概念が変わった」と話した。
チャーリィ古庄氏は、世界一多くの航空会社に乗ったとしてギネスブックにも登録されているが、そのチャーリィ氏をして「デルタ・ワン スイートはいまある最高のビジネスクラス」と太鼓判を押した。
そのほかにも、シートモニターの位置が遠すぎないのでタッチパネル操作がしやすく、かつ近いゆえに大きさが適度なので圧迫感がないことや、収納スペースの広さ、ノイズキャンセリングヘッドフォンが耳をすっぽり覆うので耳が痛くならないことなど、実際に体験した人ならではの視点で、その魅力を紹介した。
また、デルタ・プレミアムセレクトについては、秋本さんは「フットレストが快適」、チャーリィ氏は「横が2-4-2の8席。エコノミー(メインキャビン)でも9席で(最近多い10席よりも)広いが、さらに1席分少ない。横幅があるのはラク」と、それぞれに気に入ったポイントを紹介。
このデルタ・プレミアムセレクトについて秋本氏は、「プレミアムエコノミーじゃなくて、まったく新しいクラスを使ったと思った方がよいかも。デルタ航空はファーストクラスがないから、ビジネスクラスで突き抜けられる。デルタ・ワン スイートはかつてのファーストクラス、デルタ・プレミアムセレクトがかつてのビジネスクラスのよう」とそのシートの先進性を評価し、「企業は一定の役職者以上だとビジネスクラス、それ以外はエコノミークラスといったルールで、中間が用意されていないが、例えば中間管理職者はプレミアムエコノミーを使ってもOKといったルールが今後できるのでは」とも指摘した。