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デルタ航空、名古屋~デトロイト線20周年式典。自動車産業の街を結ぶ堅調路線「モータウン・エクスプレス」

2018年6月3日 実施

デルタ航空は名古屋~デトロイト線就航20周年を記念して、セントレアで式典を行なった

 デルタ航空は6月3日、名古屋~デトロイト線が就航20周年を迎えたことを記念して、セントレア(中部国際空港)の19番ゲート前で式典を行なった。

 言うまでもなく愛知県とデトロイトはともに自動車産業が盛んな土地で、自動車の街(モータウン)をつなぐ直行便であることから、同社はこの路線を「モータウン・エクスプレス」と呼んでいる。

 その初便は、のちに同社が経営統合するノースウエスト航空のデトロイト発名古屋行きとして、1998年6月2日に運航を開始した。名古屋発デトロイト行きはその翌6月3日に就航。当時はセントレア開港前であり、小牧空港(県営名古屋空港)に発着していた。

 現在、デルタ航空のDL094/095便は週5往復で、セントレア~デトロイト空港(メトロポリタン・ウェイン・カウンティ空港)を結んでいる。機材はエアバス A330-200型機。ビジネスクラス「デルタ・ワン」34席、足元が広くリクライニング角度の大きい「デルタ・コンフォートプラス」32席、エコノミークラス「メインキャビン」168席の、3クラス計234席で運航している。

デルタ航空のセントレア(中部)~デトロイト空港線

DL094便:セントレア(16時30分)発~デトロイト(16時04分)着、月・水・金・土・日曜運航
DL095便:デトロイト(12時13分)発~セントレア(翌14時45分)着、火・木・金・土・日曜運航

 なお、式典の前には同社職員らが集まって記念撮影する一幕があったが、デルタ航空は5月29日からCA(客室乗務員)、空港スタッフ、整備スタッフなど全6万4000人分の制服を一新しており、特にメインカラーとして設定した「パスポート・プラム」はアメリカのパスポートのような濃い紫色で、「あらゆる肌色となじみがよい」としている。

6月2日にデトロイトを発ったDL095便は予定より早めにセントレアへ到着していた
新しい制服を身にまとうデルタ航空のスタッフ
折り返しのDL094便はセントレアの19番ゲートから

 式典で登壇したデルタ航空 日本支社長の森本大氏は、「ちょうど20年前、空港は小牧でしたが、6月3日に就航して、本日で20年を迎えました。名古屋とデトロイトを結ぶ直行便は、デルタにとって非常に大切なフライトです。デトロイトはアメリカの自動車産業を支える街ですが、弊社はデトロイトをハブ空港にしております。そのデトロイトと、世界を代表する自動車産業の拠点・名古屋を直行便で結ぶというのは、自動車産業とともに成長してきたデルタにとって重要で、弊社も自動車産業の発展に少しでも貢献できていればと思います。

 また、中部地域からは北米への直行便はこの便(DL094便)だけでして、地域の皆さんにも貢献できているのではと思いますし、デトロイトという街はアメリカの中央部にありまして、そこから東海岸、ニューヨークやディズニーワールドのあるオーランド、そして南部や西海岸、カナダ、中南米にもデトロイト経由で飛ぶことができます」と、デトロイト以遠を訪れる際の利便性についても強調した。

デルタ航空 日本支社長 森本大氏

 続いて、中部国際空港 代表取締役社長の友添雅直氏は「私自身も前職でデルタ航空さんのデトロイト行きには非常にお世話になっておりまして、デトロイトにはBIG3(GM、クライスラー、フォード)もありますし、トヨタの技術部もあります。また、デトロイトからはフロリダやニューヨーク、オーランドなどの接続もよく、利便性の高いエアラインだと、実感を持っております」と、自身の前職(トヨタモーターセールス&マーケティング)での経験を踏まえて、20年を祝福した。

中部国際空港株式会社 代表取締役社長 友添雅直氏

 国土交通省 大阪航空局 中部空港事務所 総務調整官の吉本勝彦氏は、「ひとえに20年と言っても、国際線は世界の経済情勢の影響を受けやすく、路線を維持するのは大変なことです。しかし、デルタ航空は中部の貴重な北米路線を守ってきた唯一の航空会社として、セントレアの発展をしっかり支えてきました」と賞賛。「2019年にはラグビーワールドカップが日本で開催され、9月から10月にはトヨタスタジアムで試合が行なわれますが、デルタ航空さまには北米から多くの旅客を運んできていただきたいと思います」と期待を示した。

国土交通省 大阪航空局 中部空港事務所 総務調整官 吉本勝彦氏

 続いて、ゲート前に設置したくす玉の開披とフォトセッションが行なわれ、乗客へはデルタ航空が用意したカップケーキとドリンクが振る舞われた。カップケーキはデルタロゴ付きのものと、セントレアのマスコットキャラクター「なぞの旅人フー」をデザインしたものの2種が用意されていた。

 また、式典の前後にはデトロイトを代表するモータウンミュージックとして、ボーカルにハーヴィー・トンプソン(Harvey Thompson)氏、ピアノに田中裕士氏を迎えてミニライブを披露。スティービー・ワンダーの「Isn't She Lovely」「You Are the Sunshine of My Life」「My Cherie Amour」、テンプテーションズの「My Girl」などが演奏され、搭乗前からデトロイトの雰囲気を味わうことができた。

ボーカルのハーヴィー・トンプソン(Harvey Thompson)氏
ピアノは田中裕士氏
ゲート前にモータウンミュージックが響いた
乗客へはカップケーキとドリンクを振る舞った
デルタ航空の周年イベントなどではおなじみのカップケーキだが、「なぞの旅人フー」デザインはここだけ

 式典後、記者らの質問に答えたデルタ航空の森本氏は、この路線(DL094/095便)について「ビジネス需要が非常に強く、ビジネスクラスの売れ行きがよい。過去にリーマンショックなど世界の経済情勢の影響を受けたこともあったが、この路線はほかと比べても堅調だった。レジャー需要は羽田/成田から飛ぶ人が多いが、デトロイトからの乗り継ぎは非常に便利なので、“フライセントレア”をもっとアピールしていきたい」と、今後の抱負を語った。

搭乗開始。乗客には特製のフライトタグをプレゼントした