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写真で見る関空のいま。台風21号被害を受けた連絡橋やA滑走路、再開を控える第2ターミナルとB滑走路の現状
A滑走路では国交省のTEC-FORCEがポンプ車で排水作業
2018年9月6日 22:59
- 2018年9月6日 実施
関西エアポートは9月6日、関西国際空港にある同社本社内で代表取締役社長 CEO 山谷佳之氏、代表取締役副社長 Co-CEO エマヌエル・ムノント氏による記者会見を開いた。これに併せて、滑走路などの被害状況や、9月7日に国内線を一部再開することを発表したばかりの第2ターミナルとB滑走路を報道関係者に公開した。
本稿では、その見学の内容を含め、9月6日時点における関空の現状を写真を中心にお伝えする。
関西国際空港連絡橋
タンカー船の衝突により、下り線(関空方面)の橋桁が損傷を受けたほか、自動車道路の看板が下部を走る鉄道の線路に落下したために鉄道も不通の状況が続いている。
9月5日にお伝えしているとおり、道路を管理するNEXCO西日本(西日本高速道路)では、上り線(泉佐野方面)の橋を利用して、緊急車両などに限定した相互対面通行措置を実施している。
ちなみに17時前後に関空から泉佐野方面へクルマで向かった際には、上り線に多数の工事車両が停車しており、ブロックを並べる作業が進められていた。9月7日に国内線の部分再開を予定する関空では、地上の交通アクセスが課題として残されている。中央分離帯を設置することで、「同時対面通行」へと切り替えるための準備ではないかと思われる。
地上の交通アクセスとして、神戸空港とを結ぶ高速船であるベイシャトルは、渋滞が問題となっている連絡橋を利用しないメリットがある。関西エアポートによれば9月5日と6日の両日は臨時運航だったが、9月7日からは通常運航に切り替わる予定だという。
ちなみに、第1ターミナルと第2ターミナルを結ぶ連絡バスの運航も再開している。
第1ターミナルと周辺の建屋
関西エアポートからの発表にもあったとおり、第1ターミナルでは広範囲で停電が発生した。関西エアポートの山谷社長によれば、地下に設置していた高圧受電設備の6台中3台が水没したことが停電の大きな原因になっているという。そのため、ターミナル内はほとんどの灯りもなく、人も少ないゴーストタウンのような雰囲気を醸し出している。
天井や壁の大規模な崩落などはないが、周辺道路には台風の影響で大量の落ち葉やゴミが散乱しており、9月6日には人の手によって片付けが進められていた。また、隣接のエアロプラザやP3駐車場などではフェンスなどの崩落も見受けられた。
A滑走路と第1ターミナルのエプロン周辺
およそ40~50cmという深さで冠水したA滑走路。以前より地盤沈下が指摘されていた場所だが、関西エアポートによると、沈下が認められるたびに防潮堤の嵩増しなどのメンテナンスを継続的に行ない、5mの波に対応できる防潮堤が築かれていたが、予想を超える高潮と高波によって冠水にいたった。
また、大雨などの際に滑走路上から早期に排水するよう、地下に排水ポンプを設置しているが、冠水被害によりポンプも故障。冠水と排水ポンプの能力喪失によって、大きな被害につながった。
冠水に対しては9月5日から、国土交通省 近畿地方整備局のTEC-FORCE(災害救助派遣隊)により、ポンプ車10台による排水作業を実施。滑走路とターミナルの間の芝生の冠水は残っているが、ほかの部分はかなり乾いてきているように見受けられた。
ただ、滑走路上には海から流れてきたと見られるゴミや魚の死骸、波で流れた周囲の芝生などが散乱。航空灯火設備にも芝生が絡まるなど、作業は山積しているような印象を受けた。
とはいえ、第1ターミナル前のエプロン部分ではショベルカーやロードスイーパーが清掃を行なっている。回復に向けて一つずつ着実に作業が進められているといえるだろう。
第2ターミナルとB滑走路
9月7日から国内線の運航を再開する予定の第2ターミナルとB滑走路。こちらは第1ターミナル&A滑走路とは見るからに雰囲気が違い、芝生も青々としている。関西エアポートによると、第2ターミナルとB滑走路がある2期島は、A滑走路に比べると2m高くなっており、この2mの差によって高潮/高波を被害をほとんど受けなかったのだという。
B滑走路については旅客便ではない飛行機、例えばフェリーフライトのピーチ(Peach Aviation)機やヘリコプターなどの運用はすでに行なっており、安全性や機能について確認がとれている。
第2ターミナルについては、先にお伝えした記事のとおり排水(汚水)処理設備に不具合があるとのことだったが、9月6日の午後に訪問した際には男性用トイレに注意書きなどはなく、通常どおり利用が可能だった。