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関西国際空港、9月7日に旅客便の運航を部分再開。B滑走路と第2ターミナルを使用

運航を再開する航空会社は未定

2018年9月6日 発表

関西エアポートが台風21号被害に関する記者会見を実施し、9月7日に第2ターミナルとB滑走路を使って旅客便の運航を部分再開することを発表した

 関西エアポートは9月6日、関西国際空港にある同社本社内で代表取締役社長 CEO 山谷佳之氏、代表取締役副社長 Co-CEO エマヌエル・ムノント氏による記者会見を開き、9月7日より関空発着の一部旅客便を再開することを発表した。

 記者会見に先立ち、政府が災害対策会議を立ち上げ、安倍晋三首相からも明日の再開が伝えられたとの報道があったとおり、会見でも代表取締役社長の山谷氏より再開の意向が明らかにされた。

 山谷氏は、「昨日(5日)の早朝からの空港点検の結果、2期島におけるB滑走路と第2ターミナルについては大きな損傷を受けていない。第2ターミナル、B滑走路については、空港機能の提供は可能であると考えている」と述べ、「排水(汚水)処理のポンプが故障してトイレが利用できない」「航空機の燃料供給のクオリティチェック」「制限エリアと非制限エリアを隔てるフェンスが外れる」といった第2ターミナルとB滑走路の損傷について同時進行で復旧にあたり、一定の目処がたったもの。

 それぞれの課題に対し、排水(汚水)処理についてはポンプの修理や代替品の手当をしているが、もしポンプの対応が間に合わない場合にはバキューム車で対応する。

 供給燃料のクオリティチェックについてはパイプの点検の結果問題がなく、元売り業者と関西エアポート間で検査方法についての合意できるかがポイントという状況。

 フェンスについては、監視カメラなどのインフラも機能していないため、人が立つことでセキュリティを確保する。

 一方で山谷氏は「最大の懸念は、アクセスをどのように確保するか」を課題に挙げる。関西国際空港連絡橋は既報のとおりタンカーの衝突により下り線側の橋桁に大きなダメージを受けており、現在は上り線のみを使って緊急車両のみが通行できる措置をとっている。NEXCO西日本の当初発表では対面通行とされていたが、実質的には上下方向を一定時間ごとに区切った相互通行となっていることもあり、5日夜には大きな渋滞も発生している。

 現状の計画では、シャトルバスを使って泉佐野エリアなど決められた地点へ輸送するとしているが、どの地点とを結ぶかは未定という。なお、神戸空港と結ぶ高速船のベイシャトルについては、7日から通常運航に戻る見込みだという。

 旅客便運航再開の第1便は「おそらく着陸便が最初になる可能性が高い」とする一方で、運航を再開する航空会社については現時点で「具体的には申し上げられない」とし、「従来からピーチ(Peach Aviation)と春秋航空が第2ターミナルをメインで使っており、まずはこの2社の可能性が高い」と述べるに留まった。

 ちなみに、ピーチと春秋航空が使用する第2ターミナルには小型のエアバス A320型機などに対応したトーイングカーやタラップ車が中心で、第1ターミナルにある大型機に対応した車両は現在点検中だという。このほか、運航を開始する時刻や路線なども未定としており、6日の夕方ごろには続報が発表される見通しとなっている。

 会見で語られた、そのほかの情報については別記事でお伝えする。

関西エアポート株式会社 代表取締役社長 CEO 山谷佳之氏
関西エアポート株式会社 代表取締役副社長 Co-CEO エマヌエル・ムノント氏
停電中の第1ターミナル
9月5日に続いて6日もベイシャトルの臨時運航が行なわれている
連絡橋の線路に落下した下り線の看板