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沖縄観光コンベンションビューロー、定時理事会で平成29年度(2017年度)事業報告や決算報告など発表

2018年5月29日 実施

OCVBは5月29日、平成30年度(2018年度)第1回定時理事会を開催。平成29年度(2017年度)の決算報告などを行なった

 OCVB(沖縄観光コンベンションビューロー)は5月29日、平成30年度(2018年度)第1回定時理事会を開催した。

 同会では会長の平良朝敬氏が議長を務め、4件の議案について審議が進められた。発表された議案は次のとおり。

一般社団法人沖縄観光コンベンショビューロー 会長 平良朝敬氏

[第1号議案]平成29年度事業報告(案)について

 平成29年度(2017年度)の事業実績について、総括的な報告が行なわれた。32事業それぞれの詳細については、議案書に明記され個別の説明は省略された。発表された内容は次のとおり。

 平成29年度の入域観光客数は957万9000人と5年連続で過去最高を記録した。そのうち外国人観光客は269万2000人と過去最高となった。

 国内観光客の誘致対策については、シーズンごとにメインターゲットを設定しつつ通年で各旅行者層へ各旬の魅力を届けるプロモーションとして「旬香周島おきなわキャンペーン」を展開したほか、リゾートウェディングが1万7288組と過去最高を記録(海外からは2066組で対前年比110.7%)した。

 外国人観光客の誘致対策については、県と連携し、海外航空会社への訪問や主要旅行博覧会への出展など、海外定期航空路線の拡充に向けた取り組みを強化。結果として、計3本の国際線定期便の誘致に成功し、定期便総数は17路線、週210便、年間提供座席数は220万席超(2018年4月現在)となった。

 東南アジアなどからのチャーター便も増加したほか、夏場を中心にクルーズ船の寄港回数が大きく増加した。海路客は総計で104万7000人で、そのうち外国人観光客は99万2599名であった。

 スポーツツーリズムによる戦略的な誘致活動、フィルムコミッションによる新たな魅力発信、観光情報Webサイト「おきなわ物語(日本語)」および「VISIT OKINAWA JAPAN(10言語)」による広報展開、「トリップアドバイザー」を活用したおきなわ観光特集の展開など、世界に向けて沖縄観光の情報を発信した。

 外国人観光客の受け入れ体制の整備については、多言語コンタクトセンターを運営し、外国人観光客からの問い合わせに迅速に対応するとともに、観光客の声を拾い市場分析に活用した。

 インバウンドを受け入れる県内事業者のための受け入れツール作成やセミナー開催のほか、各種パンフレットやメニュー、ホームページなどの翻訳費用を支援する「翻訳支援事業」などを実施した。

 積極的に外国人観光客の受け入れに取り組む県民を「ウェルカムんちゅ」として定め、インバウンド受け入れに対する意識啓発を図ったほか、外国人観光客の傷病時の受け入れ体制整備に取り組むなどの環境整備を行なった。

 OCVB事業の広報については、月刊「OCVB News」の内容充実を図り「OCVBおきなわ観光天気予報」を月2回発表し国内外市場の動向分析や事業展開を紹介するなどの情報発信を行なった。OCVB公式サイトでは、組織情報、年間スケジュール、公募情報、活動報告を公開し、OCVB実施事業の透明化を図った。

 収益事業部門では、ブセナ海中公園、旧海軍司令部壕の運営、沖縄コンベンションセンター、海軍壕公園、沖縄空手会館の指定管理運営などにおいて、旅行社やホテル、レンタカー会社などへの訪問営業のほか県内外でのブース出展などの営業活動を展開。全体として増収・増益となった。

 そのほかの実施事業として、観光業界(地域観光協会、各種関連団体など)との連携、コーディネート業務、シンクタンク機能、プロデュース機能などの強化を図り、観光危機管理体制の整備などに努めた。また2018年3月30日には正式に日本版DMO法人広域連携DMOとして認定を受けた。

[第2号議案]平成29年度決算報告(案)について

 平成29年度の決算は、実施事業等会計、その他会計、法人会計を総括した決算報告がなされた。

【貸借対照】

1. 資産の部
(1)流動資産合計13億7317万1818円(前年度比3億1998万9265円減)
(2)固定資産合計20億8624万5723円(前年度比9107万582円増)
資産合計34億5941万7541円(前年度比2億2891万8683円減)

2. 負債の部
(1)流動負債合計8億1398万1967円(前年度比2億6375万4553円減)
(2)固定負債合計1億5923万5819円(前年度比1989万2075円減)
負債合計9億7321万7786円(前年度比2億8364万6628円減)

3. 正味財産の部
(1)指定正味財産合計10億8376万5110円(前年度比増減なし)
(2)一般正味財産14億243万4645円(前年度比5472万7945円増)
正味財産合計24億8619万9755円(前年度比5472万7945円増)
負債および正味財産合計34億5941万7541円(前年度比2億2891万8683円減)

【正味財産増減】

1.経常増減の部
(1)経常収益計43億9198万2311円(前年度比8億6161万5402円減)
(2)経常費用計43億628万1440円(前年度比7億9198万9236円減)
経常増減額8570万871円(前年度比6962万6166円減)
(経常費用の内訳)
事業費40億8716万3642円(前年度比8億2990万1722円減)
管理費2億1911万7798円(前年度比3791万2486円増)

2.経常外増減の部
税引前当期一般正味財産増減額8552万945円(前年度比6683万7189円減)
正味財産期末残高24億8619万9755円(前年度比5472万7945円増)

 決算の報告のあと、監事の松原知之氏より監査報告が述べられた。第1号議案、第2号議案について全会一致で承認を得た。

監査報告を述べる監事の松原知之氏

[第3号議案]評議会の開催及び決議・報告事項の提案について

 第1回定時評議会の開催が次のように提案された。

1.開催日及び場所について
開催日時:2018年6月19日10時~12時(予定)
場所:沖縄産業支援センター 312会議室

 決議事項は、評議員の選任、理事及び監事の選任、平成29年度事業報告及び決算報告(案)について。報告事項は、公益目的支出計画実施報告書について。

 第3号議案について全会一致で承認を得た。

[第4号議案]規程の改定(案)について

 課長職への管理職手当を導入するため、職員の給および旅費に関する規程の一部を改正する案が提議された。

管理職手当の対象職種の改正案
旧)
1種:参与、事務局長
2種:部長
3種:参事、所長、館長

新)
1種:参与、事務局長
2種:部長
3種:参事、所長、館長、課長

 部長などの代決を課長などが行なう規程の改正案も盛り込まれた。これらの規定は2018年6月1日に施行される。

 第4号議案について全会一致で承認を得た。

 議案については以上。続いて、報告事項として以下の事項が発表された。

(1)現行の仕組みにおけるOCVB海外事務所のあり方について
 平成7年(1995年)に開設された台北事務所・韓国事務所について、観光客の動向や旅行形態の変化から機能・役割が変化してきたこと、またシーリングによる県補助の低減によりOCVBの負担が増加し経営基盤に影響をきたしていることから、海外事務所の効率的な運営の在り方を県と協議しているとのこと。

(2)沖縄空手会館酒類販売免許取得に向けた協力依頼
 沖縄空手会館における酒類販売のニーズがあることから、免許取得のため理事・監事全員の履歴書を那覇税務署へ提出したい旨の協力依頼があった。

(3)臨時理事会決議の省略(書面決議)について
 平成30年度(2018年度)第1回定時評議会(6月19日)以降に予定されている、業務執行理事の選任を書面にて行なうとのこと。

(4)OCVB経営5カ年計画について
 一括交付金がなくなることにより、県からの受託事業がなくなることを想定し、平成34年度(2022年度)までの事業計画をシミュレーションした。

 平成31年度(2019年度)から平成33年度(2021年度)まで30%ずつ受託業務が減り、平成34年度(2022年度)で完全に受託業務がなくなった場合、一部海外事務所の閉鎖、嘱託・非常勤職員の削減などで対応可能なこと、また広域連携DMOとして新規の受託事業を開拓していけることなどで見通しは暗くはないとのことであった。