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ANA、しあわせの花「すずらん」を届けて63年。香るしおりに患者さんは「気持ちをリフレッシュできる」
赤十字医療センターで贈呈式。パイロットも初参加
2018年5月31日 16:30
- 2018年5月31日 実施
ANA(全日本空輸)は5月31日、1956年から毎年実施している日本赤十字社への「すずらん贈呈式」を実施した。日本ヘリコプター輸送時代の1956年から続くANAの社会貢献活動で、「再び幸せが訪れる」という花言葉を持つすずらんの花を、全国の日本赤十字社関連施設へ贈呈。2018年は46の医療施設、3の関連施設、2つの支部の計51施設へ、北海道千歳市近郊で咲いたすずらんの鉢植え328鉢を贈る。
当初は患者さんへ切り花をプレゼントしていたが、2003年の48回目からしおりをプレゼント。さらに2014年の59回目から、香り付きのしおりをプレゼントするようになっている。しおりのデザインはANAグループ内で公募したデザインで、裏面にはANAグループ社員の手書きメッセージが添えられる。2018年はこの香り付きしおりを1万8070枚配布する予定となっている。
同日、都内4カ所の赤十字病院/産院への贈呈式を日本赤十字社医療センターで実施。冒頭あいさつしたANAHD(ANAホールディングス)CSR推進部長 宮田千夏子氏は、「『安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の翼で夢にあふれる未来に貢献します』。これはANAグループの経営理念で、お客さまや貨物を目的地にお届けするだけでなく、心の翼で皆さまの思いを運び、夢一杯の未来作りに貢献したいという気持ちを込めている。本日もANAグループの客室乗務員が、すずらんのしおりとともに、幸せを願う気持ちを心の翼に乗せて、全国の病院関係者、入院されている皆さまにお届けする」と取り組みを紹介。
「すずらんのしおりにはANAグループ社員が多くかかわって作成いる。今年(2018年)の贈呈式には初めて運航乗務員も参加している。この活動はANA社員が参画して、未来に継承していく本当に大切な宝物だと思っている」と、さまざまな活動を今後も行なっていくと述べた。
宮田氏のあいさつが終わると、宮田氏、パイロット(運航乗務員)、CA(客室乗務員)が、それぞれ日本赤十字社医療センターや、都内の赤十字病院/産院の代表者へすずらんの鉢植えやしおりを贈呈。宮田氏のあいさつにもあったとおり、2018年はパイロットが初参加している。
すずらんの花の贈呈を受けた、日本赤十字社 医療事業推進本部長 富田博樹氏は、「このすずらんの贈呈はANAグループのご厚意で昭和31年、ここにいる医療センターの本間院長が3歳のときから始まっている」と歴史の長さを表現。
また、今回パイロットが初参加したことについて、「先ほど運航乗務員の方が参加されると聞いて、『運航乗務員って誰だろう?』と思ったらパイロットの方。パイロットが参加して院長にすずらんを渡していただくのは、ANAグループが本当に総体を挙げてこの取り組みに力を入れてくださっていることの表われだと思う。もう一つは、これまではかわいいCAの方たちが花をくださったが、今度はパイロットという我々のあこがれの職業の方が渡すという時代の流れを感じる」と感慨を述べた。
ANAグループによる日本赤十字社への支援に対しては、さまざまな事例を紹介。「大きな災害のときにいつも一番早く動いてくださる航空会社。災害のために大きな輸送や救護員の移動などが必要になったときに、真っ先に動いて、協力体制を敷いてくださる」「東日本大震災のあと、『私たちは、忘れない』という活動を毎年続けているが、ANAグループが毎年協力してくれている」と紹介し、「我々赤十字グループにとって恩のあるグループ」と感謝。
すずらんについても、「このような活動を続けていただけることが患者さんの心の慰めになるし、すずらんを送られることで病と戦う勇気をもらい、元気になろうという気持ちにしてくださる大切な取り組みだと思う。しおりにはANAグループの方たちが手書きでいろいろな言葉を書いてくださっている。1つ1つを思いを込めて書いてくださっていると聞いている。それが届くことが大きな勇気になると思う。このような活動が続くことが私どもにはありがたい」と話した。
その後、贈呈式に出席した患者の代表者や、病棟でしおりをプレゼント。患者からは「病気が治りそう」「北海道に住んでいたことがあって(香りに)馴染みがある)」「パース(オーストラリア)に住んでいるが、たぶんすずらんはないので子供たちに見せたい」「気持ちをリフレッシュした状態に持っていける」といった言葉があがっていた。