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ANA、入院患者にすずらんを贈る「しあわせの花 すずらん 贈呈式」を赤十字病院で実施
(2015/6/3 21:16)
- 2015年6月3日 実施
ANA(全日本空輸)は6月3日、「しあわせの花 すずらん」贈呈式を実施した。前身となる日本ヘリコプター輸送の時代の1956年から続いている社会貢献活動で今回が60回目。全国各地47カ所(33都府県)の赤十字病院、関連施設で実施し、東京地区では大田区にある大森赤十字病院で入院患者にすずらんの花と手作りのしおりを贈呈した。
今回はキリのいい数字の60回目ということで、代表取締役社長 篠辺修氏が自ら贈呈式に出席した。社長の出席は50回目以来で、篠辺氏が社長になってから初めてのこと。
ANAがこの取り組みを始めた経緯は、正確な資料が残されていないため不明としながらも、篠辺氏は「高松宮宣仁親王殿下から、すずらんの花言葉が“幸せ”ということもあり、全日空のネットワークを使って病院にお花を届けてはどうかと、お言葉をいただいたのがスタートだと聞いている」と説明した。開始当時の1956年はまだ生花の全国輸送が難しい時代、それを航空機や当時運営していたヘリコプターを駆使して全国に届けた。なお、宮内庁にも正確な資料がなく正確な経緯は不明という。
また、ANAが行っている社会貢献活動は多岐に渡るが、なかでも最も古くから実施している活動ということで、篠辺社長は「会社が続く限り続けたい」と答えた。今回はすずらんの鉢植えやしおりのほか、切り花も配られた。
贈呈されたしおりは、ANAグループの社員が書いたイラストを採用した。またANAに所属するフィギュアスケートの羽生結弦選手のメッセージが入り、さらにANAグループ社員の直筆によるメッセージがそれぞれのしおりに記されている。しおりには、すずらんの香りも付いている。
今回の贈呈式では、ANAからはANAテレマート所属でミス日本の芳賀千里さんとCA(客室乗務員)4名が参加。CAは地元東京出身者で固め、全国各地の贈呈式でも地元出身のCAが担当するよう、勤務日程を調整した。篠辺氏は「自分の出身地区の病院に行くことで、すずらんを持っていくことにも気持ちが入る」と述べた。
贈呈は、篠辺氏が日本赤十字社 副社長の大塚義治氏に目録を手渡し、続いてミス日本の芳賀千里さんが大森赤十字病院院長の中瀬浩史氏にすずらんとしおりを手渡した。
さらに東京地区の贈呈式は都内4箇所の日本赤十字社の施設をまとめて実施しているため、日本赤十字社からは大森赤十字病院のほか、日本赤十字医療センター、武蔵野赤十字病院、葛飾赤十字産院から4名の看護部長が出席、4名のANAのCAがそれぞれすずらんを手渡した。
すずらんの贈呈を受けた日本赤十字社 副社長の大塚義治氏は「日本赤十字社の中では有名な定着している行事。訪問を受ける施設では、患者様や利用者、スタッフが心待ちにしている。この時期の大事な大事な風物詩」と感謝を述べた。乗客としてANAの飛行機を利用するという大塚氏は「とてもきめ細やかな心配りで、非常にリラックスして旅を楽しめる。個人の立場でも感謝申し上げなければならない」とも述べた。
その後、入院患者の代表にミス日本の芳賀さんやCAからしおりを手渡すと、患者らからは「入院の記念になった」「いい香りがします」など感謝の言葉が伝えられた。さらにミス日本とCAらは病棟もまわり、入院患者にしおりを手渡した。