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星野リゾート、「OMO5 東京大塚」開業セレモニー。新ブランド2号店が東京進出
豊島区長も「OMOが大塚を変え、豊島区を変え、東京を変え、日本を変え、世界を変える」と期待
2018年5月11日 06:00
- 2018年5月9日 オープン
星野リゾートは、JR大塚駅前に「星野リゾート OMO5 東京大塚」を開業。地元関係者や報道を招いてのセレモニーと内覧会を行なった。
星野リゾートの都市観光ホテル「OMO」ブランドとしては、4月28日にリニューアルオープンした「星野リゾート OMO7 旭川」に続く2号店となる(関連記事「星野リゾート、旭川グランドホテルを『OMO7 旭川』へリニューアル・報道公開」)。
星野リゾート OMO5 東京大塚
所在地:東京都豊島区北大塚2-26-1
アクセス:JR大塚駅から徒歩1分
客室数:125室(面積19m2、定員3名)
チェックイン/チェックアウト:15時/11時
料金:2名1室利用時の1名あたり7000円~(サービス料込み)
TEL:0570-073-022(9時~20時)
Webサイト:星野リゾート OMO5 東京大塚
客室に櫓を組んだ「YAGURA Room」
OMO7 旭川は「旭川グランドホテル」をリニューアルしたものだったが、OMO5 東京大塚は、大塚を基盤とする山口不動産による再開発プロジェクト「ba(being & Association)」の一環で、竹中工務店の施工で完成した商業ビル「ba1」内での新規開業となる。
4階から13階までがOMO5 東京大塚で、4階がロビーラウンジとカフェ、5階から上が客室という構成。客室は全125室で、ユニバーサルデザインルーム1室を除く124室は「小さな空間に詰め込んだワクワクな仕掛け」と「現代的な和のくつろぎ」を盛り込んだ「YAGURA Room」というコンセプトでデザインされている。
室内にヒノキ材を使った櫓を設けて上をベッドスペース、下をソファスペースの2層構造とし、ベッドへ続く階段下は冷蔵庫や金庫、収納スペースとして活用。90cm角の角材を組み合わせた「仕掛け壁」によって壁面にも収納機能を持たせ、ハンガーやタオル、ドライヤーなどを収めている。天井の高さと大きくとられた窓、そして秘密基地のようなデザインで、シティホテルの19m2という限られたスペースを3次元に目一杯活用している。室内は靴を脱ぐことを前提にしており、畳や木の質感が心地よい。
水回りのスペースはしっかり確保されている。トイレとバスルームは別になっていて、トイレは温水洗浄便座(TOTOのウォシュレット)付き。バスルームは洗い場にも余裕があり、湯舟は肩までしっかりつかれるつくりとなっている。機能性と旅のテンションを下げない工夫をうまく形にした印象だ。
OMOは「寝るだけでは終わらせない、旅のテンションを上げる都市観光ホテル」
4階のロビーラウンジ/カフェエリアで開かれたセレモニーには、星野リゾート 代表の星野佳路(よしはる)氏とOMO5東京大塚 総支配人の磯川涼子氏、大塚がある豊島区から区長の高野之夫氏、地域の再開発プロジェクトを手がける山口不動産 代表取締役CEOの武藤浩司氏、飲食テナントを運営するスパイスワークス 代表取締役社長の下遠野亘氏が出席し、スピーチを行なった。
マイクを握った星野氏は、いわゆる外資系ホテルが展開する価格帯で区分けしたホテルブランドではなく、目的によって都市型ホテルを分類しようとしていることが、「OMO」の最大の特徴であり、「ビジネス客を忘れてしまおう、観光客だけをターゲットしてみよう。そうしたときに都市型ホテルはどう変わることができるか、それがOMOブランドの大きな挑戦です」と説明した。
ビジネス客でなく観光客に向けた都市型ホテルを目的にしたときに、「ロケーション」「ハード」「サービス」の3つが大きく変わるという。ビジネス客がターゲットであればロケーションはとにかく駅前、とにかく空港の近くとなりがちだが、観光をするのによい立地を選ぶことが必要であり、旭川もこの大塚もそれを意識した場所に開業できたと語る。
ハード面として客室は「世界のホテルのなかで見たこともないような部屋のレイアウトを実現」したと「YAGURA Room」を紹介。「YAGURA Room」のアイディアが生まれてから、大塚駅前のビル内に実際にモックアップルームを作り、多くのモニターを呼んでヒアリングを十分に重ねて調整しており、「家族旅、女子旅、友人との旅、そして東京の観光を考えたときに、この部屋は必ず一番高い満足度を獲得できるだろうと確信しています」と自信を見せた。
OMO5 東京大塚が提供するサービスなどを含めた概要については、総支配人の磯川涼子氏が説明した。
OMO7 旭川やOMO5 東京大塚のように振られているナンバーは「サービスの幅」を表わしていて、「9(広い)」から「0(限定的)」までを想定している。レストラン機能などを有する「グランドホテル」を起源にしている旭川は「7」であり、「都市に滞在する観光客」へ向けてサービスを絞り込んだ大塚は「5」とした。
OMOブランドのコンセプトは「寝るだけでは終わらせない、旅のテンションを上げる都市観光ホテル」であり、そのキーとなるブランド共通のサービスが「Go-KINJO(ゴーキンジョ)」となる。
Go-KINJOは地元民だからこそ知っているディープな情報を宿泊客に提供するサポートサービスの総称で、ホテルを中心とした街全体を「1つのリゾート」として観光を楽しんでもらうため、「ご近所マップ」「ご近所専隊 OMOレンジャー」「体験レポート(街探索のおすすめコース案内)」「ご当地ワークショップ」などを提供する。
4階のロビーラウンジは街歩きの情報発信基地「OMOベース」、カフェスペースは「OMOカフェ」となり、Go-KINJOの象徴としてスタッフが厳選したスポットをマッピングした縦2m、幅3mの巨大な「ご近所マップ」を設置。街を案内するガイドチーム「ご近所専隊 OMOレンジャー」は、友人が暮らしている街を訪れたときに行きつけのお店や地元民しか知らない特別な場所を案内してくれたり、地元のコミュニティに参加できたりといった特別な体験を提供。一見では入りづらそうな居酒屋にも入ることができる。
OMOが大塚を変え、豊島区を変え、東京を変え、日本を変え、世界を変える
豊島区長の高野之夫氏は、以前に山口不動産の武藤氏から大塚に星野リゾートが進出する話を聞いて「嘘でしょう?」と驚いたことがあったと振り返りつつ、かつて消滅可能性都市に指定された豊島区にとって、魅力を増して若い人や多くの人に来てもらえる街にしていくために、「今一番望んでいる、ただ泊まりに来るだけではない、街と一体となるホテル」であるOMO5 東京大塚の誕生は大きなきっかけになると期待を寄せた。
そして「星野リゾートとともに歩めば間違いなく豊島区はよくなるなという直感があります。OMOが大塚を変え、豊島区を変え、東京を変え、日本を変え、世界を変える、そんな大きな志を私たちも一緒に持っていきたいと思っています」とあいさつを締めくくった。
大塚を地元の方々が誇らしく思える場所にしたい
「山手線最後のフロンティア大塚にお越しくださいまして、ありがとうございます」と切り出した山口不動産の武藤浩司氏は、江戸時代からこの地域の地主だった山口家を起源にする山口不動産と自身にとって、「大塚を地元の方々が誇らしく思える場所にしたい、建物1つ1つがつながりの場になれば」という思いから「ba」というプロジェクトをスタートしたと振り返った。そして「being」は「いること」、「Association」は「つながること」、この2つの意味を込めた「場」として泊まる場所の「ba1」(OMO5 東京大塚)、集う場所・食べる場所の「ba2」(大塚のれん街)、住む場所の「ba3」(ba apartment:賃貸マンション)を5月9日にグランドオープンしたことを説明した。
「曾祖父が大塚の大旦那と呼ばれて地元の方々にかわいがっていただいたように、ひ孫の武藤浩司も大塚のプロデューサーとして地元の方々に頼っていただける存在になれるようにこれからも一生懸命がんばっていきます。感謝の気持ちを忘れることなく、素敵なbaを作り、大塚の発展に貢献していきたいと思っております。変わりゆく大塚、baにぜひご期待くださいませ」と述べて、あいさつを終えた。