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スカイマーク、2018年度入社式を神戸空港~タイガースジェット機内~羽田空港で実施

145名が入社。「成長軌道に入ってきた新しい展開の年」と市江社長

2018年4月2日 実施

スカイマークは2018年度の入社式を神戸空港のスカイマークの格納庫と羽田空港の本社で実施した

 スカイマークは4月2日、2018年度の入社式を神戸空港のスカイマークの格納庫と羽田空港の本社で実施した。

 男性31名、女性114名、合計145名の新入社員は、「タイガースジェット」に乗って神戸空港から羽田空港まで移動し、スカイマークが提供するサービスを体験した。

神戸空港の格納庫に集まる新入社員たち。入社式は「タイガースジェット」の前で行なわれた

スカイマークがあらゆる分野で日本一になれるように

スカイマーク株式会社 代表取締役会長 佐山展生氏

 神戸空港のスカイマークの格納庫には、2016年4月27日から就航している阪神タイガースのロゴを機体側面にデザインした「タイガースジェット」(ボーイング 737-800型機、登録記号:JA73NK)が駐機し、その前で入社式が行なわれた。

 マイクを握ったスカイマーク 代表取締役会長の佐山展生氏は、神戸空港が前日の4月1日に民営化されたばかりであること(関連記事「神戸空港民営化、『関空、伊丹、神戸3空港一体のシステムで盛り上げたい』と関西エアポート山谷社長」)、神戸空港を発着する旅客機の約7割がスカイマークによる運航であり「西の拠点」であることから、入社式の会場を神戸空港にしたと理由を述べた。

 佐山会長は、大学を卒業して帝人へ入社した際の同期40人とは今も仲よく付き合っており、「新卒の同期は非常に貴重なので、ぜひ一緒に切磋琢磨しながら力を付けていっていただきたい」と新入社員に語りかけた。

タイガースジェットの前で新入社員に語りかける佐山会長

 スカイマークは経営破綻、東京証券取引所第一部上場廃止を経験し、2015年9月29日に新経営陣でリスタート。2016年3月に、東京地方裁判所から監督命令の取り消しと民事再生手続きの終結決定を受けている。佐山会長は2015年9月のリスタートの際、経営陣で約3カ月にわたり会社の方針を話し合い、そこで「まずは第一に安全」を優先し、次に「お客さまの時間を大切にしよう」と、欠航を減らし、遅延をできるだけなくし、定時運航率を高め、「日本一になること」を目指したという。そして国土交通省発表の2017年の4月から9月の上半期で、11社中1位になった。

 これは漠然と定時運航率の改善を意識したのではなく、「日本一を目指そう」と意識して各部署でいろいろな知恵を出し合った結果であり、「ハードルの高いことはやろうと思わないとできない」と語った。そしてこの1位を「ダントツの1位」にしていくこと、そして新たに顧客満足度を1位になることを次の目標として、「日本一を一つ一つ増やしていこう」と呼びかけた。

佐山会長の言葉を聞く新入社員

 配属先ではプロフェッショナルな先輩たちに囲まれて「自分はやっていけるのか」と戸惑うかもしれないが、実はプロというのは畑違いの人と比べればプロではあっても、プロ集団のなかで物事の本質まで理解しているプロの中のプロは「どの業界でも5%ぐらいだと思う」と持論を展開。5%の人と95%の人の違いは、「自分でとことん考えているかどうか」であり、言われたことを覚える・行なうことは当然必要だが、「なぜそれをするのか」ということを突っ込んで考え、人に聞かれたときに簡単な答えを用意できるようになったときに初めて「本質を理解した」ことになり、「ぜひそれぞれの部署で本質を理解したプロになっていただきたい」と語った。

 スカイマークでは毎週1回経営戦略会議を開き重要な事項を話し合い、決めており、「意思決定が早い企業」であるという。タイガースジェットもパイロットの発案からあっという間に実現へと至っており、アイデアを出すことで「仕事をやらされている」感覚から「仕事が面白い」感覚になるので「皆さんもそれぞれの部署に配属になったらいろんなアイデアを出してください」と話した。

 そして「ぜひ皆さんは自分で考えて、自分の仕事を面白くして、スカイマークがあらゆる分野で日本一になるための、その力になっていただきたいと思います」と述べて、祝辞を締めくくった。

後ろにあるタイガースジェットもパイロットのアイデアから実現した企画だと説明する佐山会長

スカイマークの一員として働くことは私たちにとって大きな喜びであり、大きな誇り

祝辞を受けて新入社員からのあいさつ

 祝辞を受けて、新入社員を代表した木皿万里氏が、「本日は私ども新入社員のために盛大な入社式を催していただき誠にありがとうございます。佐山会長より大変心のこもった激励と心温まるお言葉を頂戴し、身にしみて感激しているところです。新入社員を代表して心からお礼申し上げます。

 私たちは今日から晴れてスカイマークの一員としてここに立てることを、このうえなく光栄に思っています。この思いはここに揃った新入社員全員が共通して胸に抱いていることだと思います。これからスカイマークの一員として働くことは私たちにとって大きな喜びであり、大きな誇りでもあります。

 スカイマークの一員として働ける喜びを十分にかみしめ、安全、安心、快適、身近な空の旅をご提供する一翼を担う使命感を持ち、一人でも多くのお客さまにスカイマークファンになっていただけるよう、本日より全力で取り組んでまいります。そしてさらに、海外からも広く愛される航空会社を目指して、会社の発展のために全力を尽くします」と決意を述べた。

新入社員代表 木皿万里氏

 神戸空港での入社式にあとに行なわれた囲み取材に、新入社員から客室乗務職の儀部ももこ氏と、自社養成パイロットの森慶太氏が対応した。

 儀部ももこ氏は「佐山会長からのお言葉を頂戴して、うれしかったと同時にスカイマークの一社員としてこれから責任感を持って働いていかなければならないと身の引き締まる思いです客室乗務職として安全、安心、定時性はもちろん、客室だからこそお客さまに一番近い立場だからこそできるサービスを提供してさまざまな面で日本一を目指せるように日々精進していきたいと思っています」と、森慶太氏は「スカイマークらしい入社式で迎えていただきうれしい気持ちです。これからは社員としてお客さま満足度をはじめとするさまざまな指標で1位を獲得できるように、新入社員一同精進してまいります。パイロット訓練生としてゆくゆくは運航の最終責任者として安心、安全なフライトを提供するのはもちろん、快適性や定時性といったスカイマークらしさを全面に出せるパイロットになりたいです」と気持ちを語った。

左から新入社員を代表してあいさつした木皿万里氏、客室乗務職の儀部ももこ氏、自社養成パイロットの森慶太氏

 入社式が終わり、新入社員一同は「SKY2018便」のタイガースジェットの前で記念撮影、そして搭乗。本社がある羽田空港へと向かった。これはスカイマークが提供するサービスを新入社員に体験してもらうことが目的で、機内では1年先輩の社員を中心にしたCA(客室乗務員)が、通常どおりに新入社員に接客した。

これから搭乗するタイガースジェットの前で記念撮影
スマートフォンで記念撮影をする新入社員たち
タイガースジェットへ搭乗開始
搭乗完了。1年先輩のCA(客室乗務員)が安全の注意を行なう
新入社員からの質問に答える先輩
新入社員が乗ったタイガースジェットを見送るスカイマークのスタッフたち
神戸空港を飛び立ち、羽田空港へ
配られたサンドイッチのお弁当を食べながら空の旅を楽しむ新入社員。お世話になった人事部長との記念撮影を求める人も多かった
キットカットも配られた
機内では機長、副操縦士、CAから新入社員へのあいさつがあった
機内で佐山会長と記念撮影
羽田空港に到着。格納庫で代表取締役社長の市江正彦氏ら役員たちが手を振って迎える
降機する前に、自分たちが使ったシートのシートポケットの中身やシートベルトなどを整える
1年先輩たちからのメッセージが新入社員に配られた

スカイマークは風通しのよい企業

スカイマーク本社内で引き続き入社式が行なわれた

 羽田空港に着陸すると、格納庫では代表取締役社長の市江正彦氏ら役員たちが手を振って迎え、一同でタイガースジェットの前で記念撮影を行なった。

 場所を本社内に移して行なわれた入社式と懇親会では、市江社長が新入社員たちに祝辞を述べた。スカイマークは新体制で再生を続け、2017年度は「お客さまの数も売り上げも増え、利益もしっかり出せるようになった」ところであり、2018年度の入社は「成長軌道に入ってきた新しい展開の年」のタイミングであるという。2020年には再上場を目指しており、26機の保有機材、1日130便の運航数をどう増やすか、海外にどう展開していくか、そのために「若い方々の柔軟な頭でこの会社をさらに伸ばしていただきたい」と期待を語った。

スカイマーク株式会社 代表取締役社長 市江正彦氏

「スカイマークは風通しのよい企業」であり、部署の壁や上司や先輩の壁を越えてちゃんと発言することが、スカイマークの安全運航を守り、ここ数年の再生を支えているとし、その意識を持って仕事の取り組んでほしいと話した。

 そして「仕事はお金のためだけではなく、仕事を通じて成長すること、やりがいを感じること、楽しいと思ってもらうことが、会社にとっても皆さんにとっても大事なことになる」と述べて、祝辞を終えた。

羽田空港の格納庫での記念撮影