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スカイマークの“どんどんやっていく”第1弾「タイガースジェット」就航

「便利な神戸空港を知ってほしい」と佐山会長

2016年4月27日 就航

民事再生手続きの終わったスカイマークが、地域共生を掲げ特別デザインを行なった「タイガースジェット」

 スカイマークは4月27日、阪神タイガースのロゴを機体側面にデザインした「タイガースジェット」の運航を開始した。初便に選ばれたのは、羽田(07時20分)発~神戸(08時30分)着のSKY101便。このSKY101便に新生スカイマークの代表取締役会長である佐山展生氏が乗り込み、神戸空港で記者会見を行なった。

 スカイマークは、3月28日に民事再生手続きを終了。新生スカイマークとして出発し、2016年~2018年度の中期経営計画を発表している。その中に掲げられているのが「地域共生」という企業ミッション。タイガースジェットは、神戸空港に近い阪神タイガースとコラボレーションすることで、多くの人にスカイマークが拠点とする神戸空港を知ってもらい、地域共生の具現化を目指すものとなる。

スカイマーク 代表取締役会長 佐山展生氏 会見要旨

神戸空港で記者会見を行なうスカイマーク株式会社 代表取締役会長 佐山展生氏

 3月28日に民事再生の終結の宣言をいただきまして、これからどんどん前向きにやっていきたいと思っています。当然ですが安全はすべてに優先します。(その上で)定時発着率の日本一を目指して頑張っていきたいと思っています。

 さらに低価格は当然なのですが、他社にはできないいろいろな施策を、そういったものをどんどんやってきたいと思っています。

 その第1弾としてタイガースジェットを企画させていただきました。

――神戸空港は重要な拠点であると発言していましたが。

佐山会長:神戸空港は重要な拠点です。神戸空港の約7割がスカイマークということもありますし、それから案外ですね、みなさんが神戸空港が便利なことをご存じないようです。私も実は知らなかったのですが、(今は)伊丹よりも便利じゃないかと思ってまして。(神戸空港)開港10周年ということもあり、阪神にお願いしてタイガース便を実現させていただきました。

――全国にはタイガースファンが多いと思うのですが、どのような利用を見込んでいますか?

佐山会長:タイガースファンも結構おられますが、もちろんジャイアンツファンもおられます。タイガース便がタイガースファンのみになるようなこともないですし。ジャイアンツファンが乗られたときに(機内音楽の)「六甲おろし」が鳴って、“じゃかましいわい”と言われるかもしれませんが、とにかくいろんな企画をやって、イベントも考えていきたいと思っています。

 おそらく他社だとタイガース便は飛ばせないと思います。ジャイアンツファンとかからいろいろな意見が届きます。しかし、スカイマークの場合は自由にできますので、こういったことをどんどんやっていきたいと思います。

――タイガースジェットは神戸空港発着便だけなのですか?

佐山会長:そういうわけではなく、全国に飛んでいきます。現在、熊本が大変なことになっていますが、(阪神タイガースとスカイマークのロゴを記した)オリジナルスポーツタオルを機内販売し、売上の一部を熊本地震の義援金として寄付させていただきます。

――とくに阪神ファンに向けてメッセージはありますか?

佐山会長:新監督のもと、今のところそこそこの戦績でありますが、高山選手もがんばっておりますし、ぜひ夏場に向けて首位奪還にがんばっていただきたいと。スカイマークも日本一目指してがんばりますので、どうぞよろしくお願いします。

――今回阪神のジェットということですが、会長はどこのファンですか?

佐山会長:私ですか。私はバリバリの阪神ファンです。子供の頃からです。受験勉強も江夏のラジオを聞きながらやりました。

阪神タイガースのファンクラブカードを見せる佐山会長

――佐山会長は阪急阪神統合でも活躍されていましたが、阪神とは縁が深いのですか?

佐山会長:阪急阪神の統合については、阪急さん側ではありましたが、かなり一生懸命やらさせていただきました。その後、阪神さんも非常にうまくいかれているので、非常にうれしいなと思っています。今回も阪神さんにお願いして、こころよく協力していただきました。ありがたいことです。

――スカイマークは民事再生手続きを終えましたが、その後の業績はどうですか?

佐山会長:昨年(2015年)新体制になって、3月末の業績は(計画と)トントンかなと思ったが、約10億円のプラスとなっています。また、搭乗率も予想よりかなりよく、とくに2月、3月は高い搭乗率となり、お客さんに乗っていただいています。ただ、やることは山ほどあります。皆さんから愛されるスカイマークを目指して、各地域と連携してやっていきたいと思っています。

初便利用者には神戸風月堂の「タイガースミニゴーフル」をプレゼント

SKY101便の搭乗客、SKY104便の搭乗客に配られた「タイガースミニゴーフル」など
会見後折り返し便のSKY104便で東京に戻る佐山会長。搭乗客とあれこれコミュニケーション

 SKY101便の搭乗客、およびその折り返し便となる神戸(09時15分)発~羽田(10時25分)着のSKY104便の搭乗客には、初便搭乗のプレゼントとして神戸風月堂の「タイガースミニゴーフル」がプレゼントされていた。

搭乗客全員にプレゼント

 SKY104便搭乗の模様を取材することができたが、スカイマークのCA(客室乗務員)やグランドスタッフは「SKYMARK 737」と描かれた阪神タイガースのユニフォームを着て対応を行なっていた。

 神戸空港は、近隣の伊丹空港(大阪国際空港)や関西国際空港に比べて小規模な空港だが、神戸新交通ポートライナーが直結し、神戸の中心地である三ノ宮駅まで約18分程度で結んでいる。JR三ノ宮駅とJR大阪駅は新快速で20分ちょっとで移動できるので、これらのことがもっと知られれば人の移動も変わってくるだろう。スカイマークは、その挑戦の第1歩を踏み出したわけだ。

羽田へと向かうSKY104便
タイガースロゴは前方と後方に描かれている
安全を祈ってお見送り
最後に一礼

(編集部:谷川 潔)