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伊丹空港、工事中の中央エリアを4月18日先行オープン。到着口を集約し、公共交通機関へのアクセスも改善

世界初の醸造所併設のワインバルなど出店。4月14日に一般向け内覧会

2018年1月30日 実施

伊丹空港では現在、49年ぶりとなるターミナルの大改修を行なっている

 伊丹空港(大阪国際空港)を運営する関西エアポートは1月31日、現在進められているターミナル改修工事について、中央エリアを4月18日に先行オープンすると発表した。

 今回の先行オープンでは、2つに分かれている到着口を1つに集約するほか、商業エリアのリニューアル、バス・タクシー乗り場の移設など、これまでの伊丹空港のイメージを大幅に刷新する。

 また、この4月18日の先行オープンに先駆け、関西エアポートは4月14日に一般客2000名を招待して内覧会を実施することも明らかにした。応募は同社のWebサイトやFacebookなどで2月20日から受け付ける。

到着口からモノレールや公共交通機関への乗り換えもスムーズに

伊丹空港の現状と今後の様子

 現在、伊丹空港では2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会の開催に向け、空港を快適かつ便利に利用できるよう、出発・到着時の動線の抜本的な見直しや商業エリアの全面リニューアルなどを含めたターミナルの大改修を行なっている。

 このプロジェクトは2016年2月から2020年夏ごろまでにかけて行なわれるもので、伊丹空港としては開港以来49年ぶりの全面リニューアルとなる。

 4月の先行オープンでは、現状JAL(日本航空)とANA(全日本空輸)で南北に分かれていた1階の到着口を2階中央エリアに集約。さらに、ターミナルとモノレール駅間を立体連絡通路(ペデストリアンデッキ)で結び、モノレールやリムジンバス、タクシーなどの公共交通機関への乗り換えも到着口から100mほどで行なえるよう動線を確保した。

 駐車場に関しても、伊丹空港では混雑対策として2017年にゲート付きの降車専用レーンを設置しているが、4月の先行オープン時には中央エリアに送迎専用レーン(42台分)も設置する予定となっているという。

到着口を集約することで、スムーズなアクセスを可能にする

 屋上エリアでは展望デッキを約20m増床。面積は現在の約5400m2から約7700m2と約1.5倍に拡大する。さらに老朽化した木材の張り替え、幅15m、奥行き3.6mくらいのイベントステージも設けるという。

 また、ANAが乗り入れている南側にはMRJ(Mitsubishi Regional Jet)などの小型機対応のフィンガーを新設。そのほかムービングウォークの増設や関西国際空港の第2ターミナルで採用しているウォークスルー型の店舗エリアも開業予定としている。

屋上エリアは面積を現在の約1.5倍拡張。図の赤い四角で囲ってある部分が増床するところ
ペデストリアンデッキからモノレールの駅を背にして伊丹空港を見たところ。グレーのシートが掛かっている部分はリムジンバスやタクシー乗り場に行くためのエレベータが付く
北ターミナルビル前(左)と南ターミナルビル前でも工事が進む
2階に移設する手荷物受取所。全部で8台設置されJALとANAで4台ずつ使用する

商業エリアには世界初のワイン醸造所を併設した飲食店が出店

 全面リニューアルを行なっている商業エリアでは、新規出店26店舗を含む全30店舗を採用。2階は食事と買い物の両方が楽しめるフロアとなっており、関西では初めて「ル パティシエ タカギ」のオーナーシェフ 高木康政氏のスイーツも楽しめるカフェを併設した「キットカット ショコラトリー」や、カフェ「ル・パン神戸北野」「丸福珈琲店」などが出店する。

 3階は、1時間くらいゆっくりと食事ができるフロアをコンセプトに、世界で初めて空港内にワイン醸造所を併設したワインバル「大阪エアポートワイナリー」をオープンする。ワインタンクや醸造風景をみながら空港内で作った「地ワイン」を楽しめるとのことだ。

 また屋上エリアとなる4階には、インテリアショップの「アクタス」や、親子向けに室内遊び場「キドキド」と世界の遊具を取り扱う「ボーネルンド」が合体した「ボーネルンドあそびのせかい」が出店する。

商業エリアの2階は物販エリア
3階は1時間くらいゆっくりと食事ができるエリア。醸造所を併設した「大阪エアポートワイナリー」などが出店する
屋上エリアには親子で楽しめる「ポーネルンドあそびのせかい」などが出店
出店するお店の一部を紹介
出店するお店の一部を紹介
関空エアポート 常務執行役員 伊丹空港本部長 北山博氏

 今回の先行オープンの説明を行なった関空エアポート 常務執行役員 伊丹空港本部長の北山博氏は、「クラシカルな空港から関西らしさ、大阪らしさを感じる新たな空港作りに邁進した。飛行機に乗られる方以外の周辺の自治体、周辺のお客さまにもランドマークとしていただきたい」とリニューアルに対する思いを語った。

 このターミナル改修工事は2020年4月には95%の工事を終え、8月に全面開業を予定している。