ニュース

豪華寝台列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」展望車、食堂車、ロイヤルツインなど車両内部を初公開

2017年2月23日 公開

西日本を美食とともに巡る豪華寝台クルーズトレイン「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」

 JR西日本(西日本旅客鉄道)は2月23日、網干総合車両所宮原支所(大阪市淀川区)において、豪華寝台列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」を報道陣に公開。初お披露目記念式典の後、車両内部も公開した。

 すでに公開している「【4K動画】豪華寝台列車『TWILIGHT EXPRESS 瑞風』初お披露目」で紹介した列車披露があり、その後走行シーン公開として「【4K動画】豪華寝台列車『TWILIGHT EXPRESS 瑞風』の構内走行シーンを公開」、宮原支所内の線路のポイントを通過して転線し報道陣の前に現れた。

 「TWILIGHT EXPRESS 瑞風(みずかぜ)」は、6月17日より運行される、「食の匠」が監修した料理を味わいながらJR西日本管内を中心に周遊運行をするクルーズトレイン。6月~9月の第1期抽選会はすでに実施済み。料金は1泊2日コースで27万円から(ロイヤルツイン2名利用時、6月~8月出発分)。

網干総合車両所宮原支所にて、線路を転線する走行シーンを公開。そばには“先輩”の特別列車である「サロンカーなにわ」が停車している
走行した線路は架線のない箇所
ゆっくりと近づいてくる
TWILIGHT EXPRESS 瑞風が姿を現した

自然に溶け込む瑞風グリーンの上品な車体デザイン

 TWILIGHT EXPRESS 瑞風は、上質さと心休まる懐かしさを感じさせる「ノスタルジック・モダン」をデザインコンセプトとした豪華列車で、京都駅、大阪駅を始発駅として山陰・山陽方面への運行を予定している。ディーゼル発電機による電力と、バッテリーアシストによるモーター駆動のハイブリッド方式で走行。展望デッキと展望室を備える機関車が先頭車として前後に配置され、その中間に寝台客車6両と食堂車1両、ラウンジカー1両が連結された10両編成。そのうちの1両は、1両すべてを使った特別なスイートとなっている。車体色は、トワイライトエクスプレスの伝統を受け継ぐ「瑞風グリーン」で塗装される。車両の詳細については、「JR西日本、クルーズトレイン『TWILIGHT EXPRESS 瑞風』の車両デザインを発表」、料理を担当する匠やクルーズプランに関しては「JR西日本、豪華列車『TWILIGHT EXPRESS 瑞風』の食を監修する『食の匠』」でも紹介しているので参照してほしい。

TWILIGHT EXPRESS 瑞風、10号車方向から
TWILIGHT EXPRESS 瑞風、1号車方向から
尾灯を点灯したところ
前照灯。周囲に尾灯点灯用のLEDが配置されている
TWILIGHT EXPRESS 瑞風、正面
展望デッキ詳細。先頭と最後尾車両には展望デッキが付く。最後尾のデッキには走行中も出ることができる
先頭車両の展望車10号車
先頭部分の近景
展望デッキにかけて描くラインが美しい
展望車のロゴ
5~7号車車体横に大きく配されたロゴ
車体横の号車表示
車体横の車両形式、車両番号表示
3号車ロイヤルツイン客室の車両
4号車は、ロイヤルツインのユニバーサル対応客室とロイヤルシングルがある
食堂車の全景
食堂車の窓を外から見たところ
ヨーダンパ付き軽量ボルスタレス台車
ハイブリッド方式のため蓄電装置が装備されている。主蓄電装置と蓄電池箱
スペースの許す限り水を貯めているとのこと。水揚装置が各所に配されている

隅々まで装飾がほどこされた豪華な車内も公開

 1号車、10号車は展望車となっていて、ミニラウンジでソファーに座ってくつろぎながら天井まで続いた窓で車窓に流れる景色を楽しめる。また、外部展望デッキには、走行時でも最後尾に限って係員のいる場合には随時外にでて(先頭車両は不可)、走行風を満喫することも考えているとのこと。

展望車に入ると、廊下が続く。途中、軽食を提供する小さなカウンターがある
ミニラウンジに上がる階段
展望車ミニラウンジ。運転席方向を見ている
展望車ミニラウンジ。連結部分方向を見ている
窓側を向いたソファ。リクライニング機能がある
デザインされた鏡
運転席方向を向いた椅子も用意
展望デッキを内側から出たところ。身を乗り出すことができない高さがある
展望車の製造は近畿車輛

 6号車の食堂車は、フォーマルな雰囲気がただよう内装。落ち着いた空間で食事が楽しめる。2名卓が6つ、4名卓が2つあり、食事は交代制で検討している。懐石コース内に鍋を使った料理があっても対応できるようテーブル中央にIHヒーターが用意されている。キッチンはオープンキッチンになっていて、調理の様子を感じることができる。厨房横の廊下には小窓も用意されていて、調理の詳細まで見学は可能だ。

食堂車内部の全景。夕暮れの似合うフォーマルで落ち着いたデザイン
中央にはスペースがあり、花が飾られていた。楽器の演奏などもできそうだ
4名卓のテーブルセッティング
2名卓のテーブルセッティング
懐石コースのテーブルセッティングイメージ
テーブル中央には、お湯を入れた料理も可能。竹が使われている
IHクッキングヒーターの操作パネル
各所にアートが飾られて、目を楽しませてくれる。木戸しづ子の木版画「長州ファイブ」
クルーとオープンキッチンのカウンター
キッチン横の廊下は独特のデザイン。キッチンの様子がうかがえる小窓がある
食堂車入口。「DINER PLEIADIS」と書かれた銘板

 5号車にはラウンジカーも用意されていて、バーカウンターや椅子に腰掛けて行う立札にて茶を楽しむことができる。木を多用し落ち着いた夜の雰囲気の室内で、大型のソファーやペアソファーが備えてられていて、ゆったりとくつろぐことができる。

ラウンジカー内部の全景
ペアソファーが並ぶ
大型のソファーと島根の石州和紙照明
バーカウンター周辺。トーネットの椅子が4脚
バーカウンター正面。竹鶴やボンベイサファイアなどが並べられていた
バーカウンター側からラウンジを見る
バーカウンター横に茶道具一式が収納されていた
椅子に腰掛けて行なう立札の茶の卓には、京都、千家十職の茶道具
ラウンジカー内のクルーは物腰柔らか
ラウンジカーにつながるエントランス

 客室車両は、1両が1室の特別室「ザ・スイート」以外の一般客室である「ロイヤルツイン」、「ロイヤルシングル」が公開された。編成内でロイヤルツインがもっとも多く6室。さらにロイヤルツインで1室は、車いすでも乗車可能なユニバーサル対応の部屋がある。ロイヤルシングルは2室用意され、ベッドは2段ベッドとなる。そのため、1~2名で利用できる。

 今回撮影不可で非公開となった1室のみある「ザ・スイート」だが、記者の見学のみは許された。ダブルデッカーで階段を使った上下移動もあり、横になれるソファーやダブルベッドが常設されている。窓は展望車のミニラウンジのように屋根まで窓が続いていて、とても明るく開放感がある。シャワーだけでなくバスタブが用意されている。まさに動くハイクラスホテルという装備。非公開の理由は、特別感の演出だと思われる。

ロイヤルツイン。昼間のセッティング。大きな窓で雄大な景色が楽しめる
ロイヤルツイン。昼間のセッティング
ソファーなど各室で細かな仕様が異なっている
ティータイムを楽しむセッティング例
ロイヤルツイン。夜間での座席セッティング
ロイヤルツイン。夜間のベッドセッティング。ベッドはツイン
ロイヤルツインのトイレルーム。洗浄機能付き
トイレと一緒の部屋に洗面があり、その横にガラスで区切られたシャワールームがある
1室のみ用意されたユニバーサル対応のロイヤルツイン。車いすでも乗車可能
この部屋のみドアはすべて、ボタンで開閉する半自動ドア
車いす対応の水まわり。スペースに余裕がある
ロイヤルシングル
昼間のセッティング
ロイヤルシングル。夜間のセッティング。2段ベッドとなる
客室の廊下
客室車両端にある号車表示
客室車両端通路には茶器や花瓶などが飾られている
客室の照明スイッチ、空調コントローラ、緊急連絡ボタン
照明スイッチはレトロなトグルスイッチで、パネルは客室毎に異なる凝った作り
貴重品ケース
クルーとの連絡用の内線電話
AC100Vコンセントが要所に配されている
客室車両の製作は、川崎重工業
客室車両のクルー
TWILIGHT EXPRESS 瑞風の前で握手する、インダストリアルデザイナー 福田哲夫氏(左)と建築家・インテリアデザイナー 浦一也氏(右)
TWILIGHT EXPRESS 瑞風前のクルー