ニュース

年頭所感:東急不動産ホールディングス 西川弘典社長

2026年1月1日

東急不動産ホールディングス株式会社
代表取締役社長
西川弘典

 昨年は国内初の女性首相となる高市政権の誕生と現政府が進める積極財政、そして日本銀行の金融政策決定会合による追加利上げなど変化の潮流が見えてきた。海外に目を向けるとウクライナ情勢、中国などのアジア情勢などがあり、国内外のリスク要因には枚挙に暇がない。足元の不動産市場は当社グループのホームグラウンドである渋谷区など都心を中心に、オフィス賃料の上昇が鮮明になっており、仲介市場の好調が続くなど、好調を持続している。一方、都心を中心とする建設コストの高騰による不動産価格の上昇、新築マンションの転売規制の動向など、さまざまな要因もある。今後、国内で緩やかなインフレ経済に移行していき、国の税収が増え、企業の業績が上向き、国民の所得が上がれば家計が健全化していく、という流れができることに期待しているが、急激な金利上昇や、それに伴う不動産購入マインドの低下などが起きないかなど、さまざまな動向にも注視が必要だ。

 当社は昨年5月に発表した中期経営計画で、3つの重点テーマ「広域渋谷圏の戦略の推進」「GXビジネスモデルの確立」「グローカルビジネスの拡大」に取り組んでいる。「広域渋谷圏」では今後も都市機能を更新するためのハード面での開発を推進すると同時に、海外の大学と組んだスタートアップ拠点を「渋谷サクラステージ」にオープンするなど、産業育成や都市観光といったソフト面の施策も積極的に進めている。渋谷を盛り上げることで、東京の国際競争力の強化をけん引していきたい。「GXビジネスモデル」では再生可能エネルギー事業のバリューチェーンを構築し、国内トップクラスの再エネ発電量を活かして、不動産開発案件の獲得にもつなげるなど、不動産デベロッパーとして唯一無二の新たなビジネスモデルを確立していく。「グローカルビジネス」は北海道石狩市では再エネ100%のデータセンター開発、ニセコでは2026年度までに100億円超の投資をするなど各地で取り組みを進めており、地方活性化に貢献していく。

 今年はインフレが進行するなかで、各社の競争優位性が明確になる年となるだろう。当社は2030年度までの長期ビジョンで「環境経営」を全社方針の1つに掲げ、「脱炭素社会」「循環型社会」「生物多様性」をテーマに広域渋谷圏をはじめとする国内のほか、海外でもTNFDレポートで取り上げたパラオの「パラオ パシフィック リゾート」で、自然環境の大切さを紹介する施設を昨年12月に開業するなど積極的に取り組んでいる。今年も当社の特色の一つである「環境経営」を推進し、成長領域で当社の強みを発揮できる3つの重点テーマに取り組むことで、強固で独自性のある事業ポートフォリオを構築し、さらなる成長を遂げていく。